表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
  作者: 鵜狩三善
132/1000

回る

 うちの猫が、俺の周りをぐるぐると回る。

 餌をねだっているのかと思ったが、そうではない。外に行きたいのでも、構って欲しいのでもないらしい。

 理由が不明瞭なまま、ヤツはただ、俺の周りをぐるぐると回る。

 忙しい朝の事だったから、いつまでも構ってはいられなかった。俺は不思議を捨て置いて学校へ出た。


 帰ってくると、家の前に近所の野良が数匹鎮座ましましていた。

 猫集会かと、少し避けて脇を通り抜けようとしたら、何故だか全員がじっと俺の事を見ている。そして見つめたままににじり寄って来る。

 なんだよ、食べ物なんか持ってないぞ。

 若干(ひる)みつつも足を止めると、猫どもは俺から一定の距離をとったまま、揃って同じ方向にぐるぐると回り始めた。

 乱れる事無く綺麗な列と円を保ったまま、飽きもせずにいつまでも回っている。いい加減気味が悪くなって、家に逃げ込んだ。


 ドアを閉めてほっと一息。

 部屋に戻って鞄を投げ出し制服を着替えていると、うちの猫が足元に来た。

 そうして俺の周りを、ただぐるぐると回った。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
このランキングタグは表示できません。
ランキングタグに使用できない文字列が含まれるため、非表示にしています。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ