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  作者: 鵜狩三善
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視線

 近所の美容院の出窓には、マネキンの頭が並んでいる。

 ずらりと道側に後頭部を向けたそれは「こんな髪型がありますよ、できますよ」という見本のつもりであるらしい。

 しかし、カット練習用のものと分かっていても、人の頭部を模したものが複数鎮座している光景は少なからず不気味なものがある。


 (こと)に夜。

 窓にはブラインドが降りるが、それは室内を隠す為のものであって、並んだマネキンの頭は隠さない。

 暗闇の中、街路の弱い光を受けてずらりと並ぶ後ろ頭は、白昼で見るよりも更に気味が悪い。なのでその美容院の前を過ぎる時、俺はいつも目線を落とした早足だった。


 今日も歩を早めて行き過ぎようとしたところで、強く視線を感じた。

 堪えきれずに顔を上げると、出窓のマネキン全てがこちらを向いていた。俺を凝視しながら、ぎょろりと目玉を動かした。

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