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  作者: 鵜狩三善
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合う靴がない

 こないださ、居酒屋で飲んでたんだよ。そうそう、駅前のあの店。

 んでラストオーダー過ぎてそろそろ出るかってんで、俺、手洗いに行ったのな。

 個室に入ってちょっとしたら、後から誰か手洗いに来たんだけど、そいつの足音がおかしいんだよ。ぺた、ぺた、って、明らかに素足の音なのな。


 おいおい手洗いで裸足かよ、どんな酔っ払いだよと思ってさ。

 あそこのトイレ、個室のドアの下の隙間が結構空いてるだろ? そこからちょろっと覗いたわけだ。

 そしたら予想通り素足が見えた。

 ただ形が変だった。

 足首、踝、踵と、ここまでは普通なんだが、なんつーの? 足の甲から先? それが手みたいなんだよな。指とか露骨に長ぇの。

 で、ものすげぇ汚い。泥が乾いたみたいなのがこびりついてて、こいつどこでも裸足でうろついてるんだろうなって感じ。


 いや、酔っ払ってたから特に怖いとも思わなかった。それがよかったのかもな。

 見てるうちにそいつ、くるっと方向転換してまたぺた、ぺた、って出てってさ。だから俺も無事、手洗いから出れたってわけだ。


 まあ気がついたのはその後でだよ。何にって、そいつが裸足で居る理由。

 あの足じゃそりゃ、合う靴なんてありゃしないよな。

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