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  作者: 鵜狩三善
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本日、多忙につき

 とある病院で、看護士として働いています。

 仕事はとても忙しいです。自ら望んだ職ではありますが、たまには愚痴もでます。

 基本時間通りの残業なしだなんて言ったって、人命を預かるわけですから、いざ何か起これば帰れませんし帰りません。本当に家に帰って寝るだけの暮らしです。

 休みの日だって勉強会があるので、一日丸々のオフというわけにはいきません。

 先輩は「慣れよ、慣れ」なんて言って平然としています。口だけではありません。私よりも長時間の勤務をこなしつつ、笑顔と明るい雰囲気を絶やさず何事もさらりとこなすので、本当に尊敬しています。


 少し、話が逸れました。

 そんな日々ですから、「病院ってやっぱり出るの?」なんて訊かれても困るんです。生きてるひとのお相手で手一杯で、一々そんなものの事を気にしている暇、ありませんから。

 でもそれでも、長く記憶に残ってしまう出来事もあります。


 例えば先月。

 必要物品の移動で霊安室に立ち寄ったら、いきなりぐいと腕をつかまれました。

 ええ、霊安室ですから、勿論いらっしゃるのは亡くなった方だけです。可愛らしく悲鳴のひとつでも上げるところだったのかもしれませんが、その日は特に立て込んでいたのです。


「今忙しいから、後で!」


 強めに叱って振りほどいて、そのまま仕事に戻りました。

 それを思い出したのは、家に帰ってベッドに潜り込んでからの事でした。なんとも言えない気持ちになりました。

 後で、と言ったのにすっぽかしてしまって、あの方には、悪い事をしてしまいましたよね。






 こえ部にお題としても投稿、朗読していただいています。


http://koebu.com/topic/%E3%80%90%E3%83%9B%E3%83%A9%E3%83%BCSS%E3%80%91%E6%9C%AC%E6%97%A5%E3%80%81%E5%A4%9A%E5%BF%99%E3%81%AB%E3%81%A4%E3%81%8D

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