第八話 赤髪、馬車を買う (side 憑依者)
俺の目が確かなら、俺の頭が正常なら、目前の光景は犯罪以外のなんでもねぇ。
怯えてる少女。ボロボロの服。痩せた体に、怯え切った目。俺に向けられてる感情は恐怖だけで、それは街中で投げ掛けられたどんな感情よりも冷たくて。
「……クソ野郎が」
思わずこの体、フレアス某とやらの馬鹿野郎を罵倒していた。
一体全体どういう事だ。誘拐でもしたってのか? 虐待でもしたってのか? 部屋が一つでベッドが一つ。その癖、同行者が居て、その同行者の姿形はボロボロで部屋の隅で丸くなってるときた。
間違いない。このクソフレアスがクソ野郎って点は間違いねぇ。
ふざけんなよ。なんで俺が、そんなクソ野郎の体で動かなきゃなんねぇんだ。善人面する気はねぇが覚えの無い悪行重ねる気だってねぇんだよ。余計な荷物背負わすんじゃねぇぞ。
「……おい、そこ動くなよ」
「……は、い……」
怯えながら震えながら、耳長の緑髪の少女は頷く。クソ赤髪がこの緑髪をどういう風に扱っていたかとか、なんでこんな扱いしているのだとか、そもそも名前は何なのかとか……疑問点は山みてぇにあるが今はどうでもいい。問題は、クソ野郎の行動の責任を、何故か俺が取っている点だ。
少女監禁とか奴隷とか、はっきり言って趣味じゃねぇんだよ。身に覚えの無い業を背負う気なんてこっちにはねぇんだ。早々に降ろさせて貰うぜ。
踵を返し、すぐに部屋を出る。そして脇目も振らずに一階に降りて――
「おい。そこのオッサン。てめぇだよてめぇ。この宿の主人」
「は、はい! な、なんで御座いましょう……?」
「――今すぐ飯を二階に持っていってガキに食わせろ。消化の良いモンだぞ」
「…………は?」
「それから風呂の用意もしておけ。俺は少し出てくる」
「……あ、あの?」
「うるせぇな。何度も言わせるな。二階に居る緑髪のガキに美味い飯食わせとけって言ってんだよ。金はほら。好きなだけやる」
目を白黒させている宿の主人に金貨を放り投げる。まだ通貨の価値を完全に把握はしてねぇが金貨渡しときゃ問題ねぇだろ。オッサンの目が飛び出そうになってるからな。
「じゃあな。日が暮れる頃には戻るからよ」
「あ、あの困ります! このような大金を貰われても……!」
「うるせぇな。別に釣りなんかいらねぇよ。残った分は懐にしまっとけ」
何せ『俺』の金って訳じゃねぇんだ。クソフレアス・クソブリューネルとかいう馬鹿野郎の金だ。どれだけ散財しようと知った事じゃねぇ。
それよりも――現状把握の方が余程重要。情報が欲しい。クソ赤髪の事もそうだが、二階に居た奴隷みたいな緑髪の情報もどうにかしなくちゃいけねぇ。首輪なんぞ着けてたし真っ当な立場じゃねぇだろうな。
ただ、宿に泊まれてるってのが気にかかる。公共の場に居られる以上、この世界、あるいはこの国では奴隷制度は犯罪では無いのだろう……奴隷より労働者として使った方が最終的には良いんだがなぁ。金は天下の回り物って言葉は嘘じゃねぇ。賃金を与えて使わせる流通の流れを確保した方がずっと賢い――
「…………んなことはどうでもいいんだよ」
「……は? 何か仰いましたか?」
「うるせぇぞオヤジ! 黙ってろ!!」
「ひ、ひぃ!!」
宿のオッサンが豚みたいな悲鳴上げた。マジでうるせぇ。本気で黙ってろてめぇは。
……しかしどうするか。情報を集めるにしてもどうやって……この世界の技術レベルにも拠るんだよな。印刷技術が発展してるなら図書館の一つや二つあるだろうが、発展してないのなら図書館なんてものは御上の許可が無けりゃ入れないようなレベルになる。あるいは高い入場料を担保代わりに渡すとか……ま、金はクソ赤髪がたんまり持ってるから心配はねぇな。
街の連中は、どうも俺、というか赤髪を恐れてるみてぇだからあんまり出歩きたくねぇが……しかたねぇな。クソ赤髪はこの街で何したのやら。場合によっちゃ明日にでも街を立つか。居心地が悪くてかなわねぇ。
そうなると、情報集めはさっさと行うに限る。遅速はいけねぇ。何事も迅速にだ。
つまり集められるところから――
「おいオヤジ。出掛ける前に宿帳見せろ」
「は、はい? ど、どうしてでしょうか……?」
「どうでもいいだろうが。おら。早く出すんだよ。おらおらおら」
「ひぃ! お、お待ちを! 少々お待ちを!!」
コメツキバッタみたいにペコペコ頭下げながら、宿のオヤジは宿帳を差し出してくる。
素直なオヤジだ。まあ、宿屋を経営してるんだからな。客の言い分にぐだぐだ言う事はねぇか。
早速ペラペラと宿帳を捲る。多少不揃いだが、使われているのは間違いなく『紙』だ。製紙技術はある程度発展してやがる……街の宿屋に使われてるんだ。それなりに問題無く出回ってるんだろう。
この時点で図書館があるのはほぼ間違いねぇ。紙が多いのなら製本も問題無く行われている筈……印刷技術まではわからねぇが、それでも貴族だの王族だのの許可が要るレベルまで稀少じゃねぇだろ。精々、入館時に金払うくらいか。
あとは…………つーかよ。これはどういう事何だろうな。
……何で宿帳に、『日本語』で名前書かれてるんだよ?
……ありえねぇだろ? 普通じゃねぇぞ? この訳の解らんメルヘンファンタジーの世界で一番理解できねぇぞこれは。
いや、そういやさっきから俺は『日本語』しか喋ってねぇ。にも関わらず宿のオヤジとも、一応二階の緑髪とも会話は成立してた。つまりこの世界は読み書き両方で『日本語』が使われてる事に。
天文学的確立、どころの騒ぎじゃねぇ。幾らなんでもありえねぇ。此処まで文化が異なる世界で、どうして同じ言葉が使われてるんだ? このメルヘン世界と日本は何か関係あるってのか?
……調べる事多すぎだろうが。そもそも何から手を着けていいのやら。
痛む頭を抑えて、億劫な気持ちを抑えて、それでも俺は宿帳を読み進める。
カタカナで書かれた名前の数々。漢字の類は一つも使われてねぇが、平仮名にカタカナにアラビア数字。そして……おいおい、英語までありやがる。どうなってんだよこの世界は。
本気で頭を掻き毟りたくなった。意味不明すぎて暴れ出したい。
そんな暴走寸前だった俺を止めたのは――宿帳の一ページ。フレアスの名前の下の欄。
乱雑に書かれたそれは、凡そ名前と呼べない――だからこそ奴隷然とした緑髪の呼称だと解った。
ネームレス(名無し)……名前さえ無い、そんな存在だと、解った。
で、今居るのは図書館だ。
居心地の悪い街中を練り歩いて、女子供に老人、更には兵隊みたいな格好の奴にまで怯えられながら、どうにかこの街――アルジェントとかいう銀製品ばっかの街の図書館に辿り着いた。
その道中で決めた事がある。この街は明日立つ。いてられるか、こんな窮屈な街。なんで歩くだけで獣扱いされなきゃなんねぇ。俺は動物園のパンダか。いや、パンダの待遇はもっと良い。ガキが泣いて逃げるのは虎とかライオンとか熊とか、その辺が街中に出た時だろうよ。つまりあれだ。俺の存在は猛獣と大差無いと――ふざけんな馬鹿野郎。
でそれで、そんな思いまでして着いた図書館がまた最悪だ。入場料で金貨一枚とか抜かしやがった。どう考えてもボリすぎだろうが。退館時にお返ししますとか言ってたが、それでも思わずメンチ切った。受付の女は泣いた。ここでも猛獣扱いだ。くそったれ。
そして極め付けが……図書館で知った、この世界の情報だ。
何でも七魔とかいう魔王様達が愚連隊と化して昔現れたんだとよー。んで、聖女とかいう女暴走族みたいなスケが三人集まって、その魔王様を倒したんだとよー。それで世界が平和になったんだとさー。
……阿呆くせぇ。突っ込み所が満載過ぎる。眠てぇ内容ってのもそうだが、どう考えても捏造された歴史なのが阿呆くせぇ。人間様に都合良過ぎる昔話で信用ならねぇ。ま、それがこの世界の今の常識だってんならそれでいいんだがよ。俺には関係ねぇし。
で、そんな昔話の所為で、人間様の立場が向上したのに反比例して……他種族の地位は下がった。人間以外を一律『亜人』として扱うという、これもまた人間の業の深さを思わせる現実が解った。
ここの図書館の蔵書やら、時折流れてくるフレアスくんの『知識』で、宿屋の二階に居た緑髪がエルフだってのも解った。奴隷扱いなのも。奴隷扱いでも騒ぎにならない理由も、だ。
エルフ、ドワーフ、フェアリー、リザードマン、あとホークとかいう有翼種は、皆『亜人』として基本的に蔑まれている。国に拠っては人権与えているところもあるようだが、俺が今居るライゼールっていう魔法の大国では奴隷と同じ身分なのだとさ。
この国では奴隷扱いが当然で常識で……それも、明日此処を立つと決めた理由。
奴隷制度をどうこう言う気はねぇ。この国じゃそれが当たり前なんだからよ。
だが、な。俺は御免だ。真っ平御免だ。
そういう制度に、こんな異世界の制度なんぞに従う義理はねぇ。
……どっか他の国まで行って、あの緑髪は解放しねぇとな。奴隷についての詳しい法律はまだ見つかってねぇし、フレアスくんの『知識』にも引っ掛からねぇが、一生奴隷のままってことはねぇだろ。制度があるってことは、それを取り締まる組織もある筈だからな。
あと俺の今の体……フレアスくんの素性に関してはよく解らんままだったりする。悪い意味でただモンじゃねぇのは解ってるんだが、身分証明になりそうなもんは持ってねぇし見当がつかん。
俺は誰ですか? とかそんな質問をする気にもなれねぇし。恥ずかしいってレベルじゃねぇんだよ。逆の立場だったら医者に見せる。間違いなく。
……まあ、それで出てくるのが医者程度ならまだいいんだが、住民の怯えようからすると医者じゃ済まなくなりそうだ。それもあるから……迂闊に今の現状を他人に教える気になれねぇ。
……恨み多そうだもんなぁ。クソフレアスくんはよぉ。
「しかし、右も左も解らん異世界を徒歩で行くのは無謀過ぎるな……となると……馬車か」
大体、二本の足だけで進むには、あのボロボロの緑髪がネックになる。絶対途中で力尽きるナリしてるからなぁ。痩せ細ってガリガリだし……馬車は必要。いっその事買うか? 金はフレアスくんのだからどうでもいいし、いざとなったらルネティックだかルナティックとかいう阿呆臭ぇ剣を質屋に売れば金になるだろ。あんな物騒なもんイランし。
戦い方については――この図書館でそれなりに『解った』から、な。
「ご、ご利用ありがとうございました……」
そして、涙目の受付嬢に見送られて俺は図書館を後にした。
向かう先は馬主の元、というか馬車売ってる所だ。街中に馬車の姿自体は何度か見たから、馬車はこの世界でも確実に存在する。金に関しては勝手知ったるフレアスくんの金があるので問題無し。問題は俺に騎乗技術が無い事だが……面倒くせぇ。ついでに御者も雇うか。ガイドも必要だし。
厩は何処か何処かと、再び街を練り歩き、聞いて回る俺。そしてその度に怯えられる俺。
……嫌になる。俺に、火宮守勢に不備はねぇのに、クソフレアスくんの所為で散歩も気軽に出来やしねぇ。今の俺の身体になってなきゃ、ただじゃすまさねぇのによぉ……。
まあ、それでも、それなりに場所は聞き出せた。街の南に馬小屋――というには大きな舎があり、そこに多くの馬と馬車が並んでいる。品質に拘らなきゃ、金さえ出せば即決で買えそうだな。
ただ、どうせ買うなら良い物が欲しい。まずは柵の外から良さげな馬を見て回る――
「ねぇねぇ、赤髪のおにーさん。良い馬見つかった?」
「――――何?」
「? どうしたのびっくりした顔して? 此処に来たってことは馬探してるんじゃないの?」
「…………」
「もしもーし? おにーさんボクの話聞いてるかいー?」
今目の前に、黄色のポニーテールの女が居る。
年の頃は俺より一つか二つ下ってところか。オーバーオールの作業服着てる事から推測するに、この女はこの厩で馬達の世話をしているのだろう。女っ気より馬っ気の方が多い、快活な雰囲気の女。
その、女の、姿形――それはどうでもいい。顔の美醜だってどうでもいい――まあ結構可愛い顔立ちだとは思うが、それは二の次三の次どころか、放り捨てても良いくらいだ。
この女……今、俺に、話しかけた。話し掛けてくれた!
この訳の解らん世界に来て、初めて向こうから、怯えずに話し掛けてくれた!!
「うやぁ!? ど、どーしたのおにーさん!? なんか涙目になってない?」
「……うるせぇ、黙ってろ。今、人情の有難さを知ったところなんだよ……」
「へ?」
ポニーテールの女は首を傾げてきょとんとした顔を向けてくる。
ちくしょう。ろくでもない事に巻き込まれて、擦れ違う奴全員に猛獣扱いされて、思わずしんみりしちまったじゃねぇか。人と人の触れ合いでこんなに心が暖まるとは……侮れねぇな他人の存在。
「……悪かった。ああ、アンタの言うとおりだ。馬と、そして馬車を探してる。金に糸目はつけねぇ。良い奴選んでくれ」
「わー太っ腹ー♪ ……って、ボクが選ぶの? そりゃあここで働いてるから馬見る目はあるけどさぁ……」
「アンタが良い。アンタに選んで貰えれば間違いない」
「え、ええぇー……? な、なんか照れるなぁ……もうっ、言葉上手だなぁおにーさんは!」
そう言って若干赤くなった顔を笑顔にして、肩をバンバン叩いて来る黄色ポニーテール女。
……笑顔。ああ、笑顔かぁ……泣き顔と怯え顔ばかりだったから新鮮だぁ……くそぉ、目に染みやがる。あったけんだなぁ、人の優しさって……。
「でも馬車込みとなると……んー、ちょっと難しいかなぁ。良い馬だけなら結構より取り見取りだけど……今はちょっとタイミングが悪いなぁ。良い馬車もあるんだけどね」
「……あん? 良い馬車と良い馬が揃っていて、何で難しいんだよ?」
「んー、気性の問題、かな? 馬車引くのは嫌って馬がちょっと居てさ。普通に乗馬するには問題無いんだけど、良い馬に限って気難しいというか何と言うかで」
あはは、と困ったように黄色髪ポニーは苦笑していた。
成る程な。ようするに馬としての質は良いが、馬車馬としては使い辛い訳か。
だが馬の背に乗り続けるのは意外と疲れた筈だ。しかも緑髪の身体はひょろい。尻の肉も薄そうだ。おそらく長時間の乗馬はケツが割れるほど痛くなる。元々ケツは割れてんだがなぁ。
つまりここで俺が選ぶ道は馬車込みでの購入だ。なに。馬が気難しいのなら、腕の立つ御者を雇えばいい。金ならある。たんまりと。
「――御者も雇えるか?」
「御者付きかい!? それ、本気でかなりの額になるんだけど……」
「金の心配はいらねぇ。おら」
「――うひゃあ!? な、なにこの量!? おにーさんどこの御曹司……って、ひゃー!! 大陸通貨の金が、何でこんなに一杯あるんだよー!?」
懐からフレアスくんの所持していた金貨袋を取り出す俺。
フレアスくんは破産しても、俺の懐は痛まねぇ。どんどん使え。無くなったらフレアスくんの所持品売るから心配はいらねぇぞ。
「こ、これだけあれば良い御者雇えるよ……馬も馬車もかなりの品用意できるし」
「期間はどれくらいいける?」
「いや、期間て……この額出されたら一生仕えても損しないレベルだよ、おにーさん? むしろボクが御者として雇ってもらいたいくらいだもの……」
「――待て。アンタ馬車引けるのか?
「へ? うん。そりゃ勿論。ちっちゃい頃から此処で働いてるし、馬に関しては一通り……」
「…………」
改めてイエローポニーを見やる。
十五歳程の女。宿の二階に居る緑髪より少し年上の女。馬の扱いに慣れており、馬車も引ける。
女と言う点が良い。いや、変な意味ではなく緑髪も女だからだ。男手だけでは色々問題が多い。
そしてなにより――コイツだけだ。俺の顔を見て怯えなかったのは。自ら俺に近寄ってくれたのは。
あと、ほら、コイツ自身雇ってもらいたいとか言ってたし……いんじゃね?
「アンタ、名前は?」
「ボク? ボクはマイって名前だけど……なんで?」
「なんでもクソもあるか。頼むマイ、俺の御者になってくれ」
「…………へ? へ、へへぇえええええええっ!?」
「うるせぇ。いきなり叫ぶんじゃねぇよ。難聴になったらどうすんだよ」
「さ、さ、叫ぶに決まってるだろー!? いきなり何言ってんだいおにーさん!!」
「何って……だからアンタを雇いたいと。アンタが欲しいとそう言ったんだよ」
「!? !!?」
なんか顔赤くしたり、目を白黒させたり、イエローポニーの様子がおかしい。
……ああそうか。そりゃ今の雇い主に断り無く決められねぇよな。そりゃそうだ。俺が悪かった。
「安心しな。今の雇い主にはしっかりナシつけとくからよ」
「…………はっ!? いや! いやいやいや!! その急展開は何なんだよ!? ボクが欲しいって何なんだよ!? ボクより腕のいいベテランのドスマンさんっていう人も居てだねー!!」
「俺はアンタが良いんだよ。アンタの方が色々助かるんだ。女だし」
「なっ!? ばっ!? かッッッッ!!?」
「おらおら。ここのイエローポニーの雇い主は誰だぁ? おら出て来いよ。俺はコイツと決めたんだからよぉ」
「お、女だからって……そ、そういう目で見られたこと、ボク無いし、いきなりそんな事言われても心の準備って物があるし、大体初めて会った人にいきなりこんなプロポーズ……」
「お? アンタか? あそこで悶えてるイエローポニーの雇い主は? ああそう、ここの支配人? 実はあの女貰っていきてぇんだけどよ……あ? 違う違う。御者の仕事と、馬とガキの面倒見せるのにあのイエローポニーが一番都合が良いからだよ。俺にも怯えねぇから居心地良いし、気が楽だし――」
――まあそれが、今後長い付き合いとなるイエローポニーことマイとの出会いだった。