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シガラミ・マイウェイ

コメディ、推理、青春、その他諸々、荒唐無稽な作品に仕上がっています。突っ走りきるのを目標に。

 「神は死んだ」と誰かが言った。「ロックは死んだ」とも誰かが言った。でも、「田村伸一こそ真っ先に死ぬべきだった」と私は思う。

 ここは軽音楽部の部室。とはいっても、音楽室の倉庫を無理矢理使わせてもらっているだけで、部室とは名ばかりのものだ。ただでさえ狭い部屋なのに、マンドリンや太鼓がおいてあるせいでかなり狭く感じる。この狭さでも、軽音楽部にはそれで十分だと認識されているらしい。

 我が軽音楽部は現在部員四名。廃部の危機にある。もし、この一年間、部員が増えないようなら来年には廃部らしい。

 こんなはずじゃなかった。今年には新しい部員が入ってくるはずだった。実際、仮入部として入ってきた者もいた。今年は部の存続をかけて、新入生をゲットすべく精力的にがんばったおかげだ。

 それを全部ぶち壊したのは、ヴィシャス・伸一こと田村伸一の奴だ。奴のイカレた行動のせいで、台無しになった。

 昨日、仮入部の部員が初めて部室にやってきたとき、奴は少し遅れてやってきた(私としては邪魔者がいないと思って少し安心した。けどその安堵感は数分後には消しクズになった)。遅れてやってきた奴は、どこで準備してきたのか、革のパンツに胸をガバッと開けたベスト、さらにサングラスという、なんと言ったらいいのか、クレイジーさを二乗したような格好でやってくるなり、新入部員候補達に向かって、

「お前ら、ロックしてんのかっ?」

 と真意を図りかねる質問を投げかけた(その時点で、いたいけな彼らの腹は七割がた確定してしまったのだろう)。さらに追い討ちをかけるように、

「ロックしてねえ奴なんかいらねえ。さっさとママんとこに帰んなっ!」

 と言い捨て、ガラ、ピシャとドアを乱暴に閉め、さっさと去っていた。このときには新入部員候補達の気持ちは一つにまとまったようで、彼らはしばらく呆然としていたものの、やがて苦虫を潰したような顔(私は、人間が一斉にこんな顔をするのを初めて見た)をしていた。私はマズイと思い、なんとか取り繕わなければと、何事もなかったよう懸命に軽音楽部のアビールをしたが、一度どん底まで失墜した我が部の印象は一度も回復することなく、結局、新入部員がやってくることはなかった。

 そして今日、私は田村を問い詰めていた。

「あんたさあ、何考えてんの?うちらの置かれてる現状ってもんが分かってるでしょ?はあー。もうさ、あんたが人集めてきてよ。その、ロックしてるって人なんかをさ!」

 田村は窓の外をじっと見つめたまま振り返らなかった。

「なあ、藤吉、ロックってなんだと思う?」

 とこれまた全く話のかみ合わない質問。私が呆気にとられて、はあっという顔をしていると、

「ロックの何たるかを知らない奴は人生の半分を無駄にしている。ロックこそ真理だ」

 と独自の音楽理論を展開してきた。私はついに堪忍袋の緒がブチ切れるどころか、袋ごと破裂しそうになって、奴に詰め寄ったが、今まで黙って私たちのやり取りを聞いていた松本がいきなり拍手をしだした。

「アニキ、そうっすよね!昨日の奴らなんていらねえっす!」

 こいつはドラム担当。中学時代から田村の「生き様」に惚れ込んだらしく、奇特というか、イカレてるというか、とにかく、世界で一番(おそらく田村のご両親よりも)の田村の良き理解者である。どうも、軽音楽部設立後、田村に付いていくために自分用のドラムを購入し、練習し始めた。頭は青々とした坊主頭。小さい頃から空手をやっていたとかで、背はそれほど高くはないが胸板は厚い。筋骨隆々の腕から放たれるドラムさばきは力強い。ただ、いかに力強く音を出すかということが音楽の良し悪しを決めると勘違いしているせいか、たまにリズムがずれたりする。

 田村は、だろう、と言わんばかりに振り返った。

「いいか、藤吉、ロックは生き様なんだ!生き様は顔に出る。もし、俺を見て、逃げ出すような奴がいたら、そいつはロックを分かってねえ。なぜなら、俺がロックだからだ!ゆえに俺が真理なんだ!」

 松本は、そうっす、そうっすと賛同の意を表明している。私は、このユカイな二人のやり取りを見ていると、なんだかやる気(もちろん田村に一発おみまいする)が失せてしまった。こいつらが二人揃えば、地元じゃ負けしらず、というより全く話にならないから、何を言っても無駄なのだ。

 私が肩を落として、何もかもに絶望していると、部室の扉が開いた。金井がやってきたのだ。こいつは部の中で、私の次ぐらいに常識者。私は金井に泣きついた。

「金井―。ちょっと聞いてよ!田村のせいでさあ、新入部員、誰も来ないんだよ」

 金井はふっと口元に笑みを浮かべると、どこか遠くを見た。

「仕方ないことだ、藤吉。俺達は歩まねばならない。見えない明日へ向かって」

 あ、このメンツでがんばるしかないってことね、と脳内で変換した。金井は一応、話を聞いてはくれるってことで、問題児二人よりはまだマシだが、こいつも相当に変てこりんな奴だ。なんか言葉がややこしい。その割りに内容はペラペラだったりする。しかも生粋のナルシスト。クラスの中ではナルシィーというあだ名を襲名しているらしい。何もしなければかっこいいのに。

 長身に、校則なんてノーサンキューと言わんばかりの長髪。そして、日本人離れした顔立ち。顔だけで寄ってくるのもいるが、得意の訳の分からない言葉で煙に巻いているらしい。ちなみにギター担当。腕前はなかなかのもん。それだけにこの性格が恨めしい。

「はあー。ま、いいや。練習始めよ。じゃあ、『黄昏サスペンディッド』からで」

 私はベースを取り出した。




 こんな不可思議な面々と活動しなきゃいけないのには深い事情がある。それはもう深い深い事情で、おそらく日本海溝より深い。このシガラミのせいでこの弱小部から抜け出せないでいる。

 そのシガラミというのはこういうこと。

 私は、中学時代から仲いい子がいた。加奈子って子で、お遊び程度だったけど、一緒に楽器やってた。同じ高校に合格して、高校になってからも一緒にやろうって話してた。

「ねえ、ユウちゃん、相談なんだけど、私達で軽音楽部、作らない?」

 高校に入学してからしばらくして、いつもは大人しい加奈子が突拍子もない提案をしてきた。当時、うちの高校には軽音楽部はなくて、私達はいつもお互いの家で適当に弾いていた。

「うちのクラスの金井君もね、ギターやってるんだって。あと、松本君も何かやってたらしいの。声かければ意外と人集まると思うんだ。どうかな?」

 引っ込み思案な加奈子からの思い切った提案だった。加奈子得意のキラキラ目攻撃に、なす術もなく、私は二つ返事で了承した。だが、その次の言葉が問題だった。

「でね、顧問は、私達の担任の村上先生がやってくれるってことになったんだけど、部を作るのには、部長を決めとかないといけないんだって。責任者というか。で、金井君達とも話したんだけど、私達じゃちょっと…」

 なんとなく加奈子の言わんとすることは察せられたけど、私は何も言わず、頷いていた。

「で、私はね、ユウちゃんがいいと思うの。ほら、ユウちゃんってさ、昔から学級委員とかやってたしさ、ユウちゃんが適任だと思うんだ。迷惑かもしれないけど、どうかな?集まるとしたら一年生ばかりだと思うしさ、やりやすいとは思うけど」

 予想通りの展開過ぎたせいか、キラキラ攻撃に毒されてたせいか、私は深く考えることはしなかった。

「うん、いいよ!じゃ早速、人集めないとね!えっと、で、部を作るにはどうすればいいのかな?」

 と、今思えばありえないぐらいの前向きさで部の設立に向けて動き出した。

 頭数は案外すんなり集まった。他の部活に入るチャンスを逃して、フラフラしてる奴もいれば、加奈子のキラキラ攻撃にやられてやってくる奴もいた。他には金井目当てのミーハーな奴。不純な動機であることはともかくとして、人数は集まった。

 その後、改めて村上先生(別のクラスということもあってあまり記憶になかったが、なかなかに濃ゆいおっさんだった。ピンクのシャツにやたら派手なネクタイ。何となくドン小西に似ているから、ドン村上、もしくはドンと呼ばれている。私が挨拶しに行くと、職員室中に響き渡るような大声で笑い出した。どうも彼としては嬉しかったらしいが、そのせいで私は肩身の狭い思いをした)に挨拶をし、軽音楽部設立の届出を出した。

 届出はすんなりと受諾されて、「とりあえず」ということで、音楽室倉庫が私達の部室になった。私と加奈子は、何かをやり遂げた達成感でテンションが上がっていて、我が軽音楽部初めての部活動に胸躍らせながら、音楽室倉庫に向かった。これからどん底に突き落とされることも知らずに。

 部室へ、「おっはよう」っとやたらテンション高めに入ってくると、私のそれとは全く対照的に地獄の底にまで突き落とされたような亡者の群れが暗い顔で待っていた。あれれと思いながら、辺りを見回していると、諸悪の根源、地獄の魔王が私の方を見、ニヤリと笑った。

「あんたが部長さんか。ちょうどいい。今、こいつらの面接が終わったとこだ」

 と全くもってありがた迷惑な仕事を自主的に片付けてくれていた。

「うーん、こいつらまだまだロックってやつが分かってねえみたいだけど、これからかな。磨けば光るって奴もいるか。ま、三年間俺が、みっちりロックのなんたるかを教えてやるから安心しろ」

 この悪魔の通告に、周りは、ひいっという顔つきをした。ロックというものに対して言いようのないトラウマをこのときに植えつけられてしまったに違いない。

 私はなんとか平静をよそおった。

「ええっと、じゃあまあ、改めて自己紹介から始めましょう。まず私から。私は部長を務めます、藤吉裕子です。これから三年間、みんなと楽しくやっていけるようがんばりますのでよろしくお願いします。で、こちらが遠藤加奈子。副部長です。じゃあ、加奈子、挨拶して」

 とこんな感じで自己紹介が始まったのだが、みんな、きょどきょどしながら挨拶し、最後には必ず、「まだ、正式に入部しようというわけではないのですが…」ということをしっかり付け加えてた。

 最後に奴。

「俺は、ヴィシャス・伸一。いずれビッグになる男だから覚えておいて損はないと思う。そう、俺はロックが何であるかを世界に伝道するために生まれてきた。『ロックは死んだ』なんていう奴もいるが、そんな奴が死んじまえ!ロックこそこの腐りきった世界を変える光だ!」

 と、それだけでその人となりが分かるような(もちろんヤバイ奴という意味で)スバラシイ自己紹介をしてくれた。私は暗雲の立ち込める明日に眩暈を感じながらも、加奈子に励まされてその日を終えた。

 翌日の放課後、私は加奈子に「大丈夫、大丈夫だって」と声をかけられながら、部室へ向かった。

 部室は昨日よりもちょっぴり広く感じられた。昨日よりも人数が減っているのだ。今日来なかった人の心中はなんとなく察せられたから、そのことを口に出すことはしなかった。

「じゃあ、今日はみんなの腕前を見るためにも、自由にやってもらうから。えっとそれじゃあ田村君?から始めて」

 田村は全く反応しなかった。

「田村君、聞こえた?田村君からどうぞ。田村君?」

 田村は依然として私を無視し続けている。加奈子が私の袖を引っ張る。あっと私はひらめいた。私は苛立ちを抑えながらも、

「ええ、ヴィシャス・伸一君どうぞ」

 というと奴はニヤリとし、おもむろにギターを取り出した。そして、アンプ全開でかき鳴らし始めた。それは音がでかすぎるというよりも、奴の腕前にそもそもの問題があるようで、ひどいものだった。何を弾いているのかすら分からない。奴はひとしきり弾き終わると、拍手を待っているような素振りをみせた。部屋はシーンと静まり返っている。

「えっと、田村君は初心者かな?大丈夫、加奈子が教えてくれるから安心してくれて…」

 と言いかけると、急に奴は怒りだして、

「ばっきゃろう!ロックはなあ、技術じゃねえ、ハートなんだ!お前には伝わらなかったのかよ、俺のパッションが!もう一度聞いて見やがれ!」

 と再びギターに手をかけた。そこでついに私の怒りは爆発した。

「あんたさあ、ヘッタくそなくせに何様のつもり?ロックぅ、はっ、笑わせるわね。あんたなんて、暴走族がチャリンコ乗り回していきがってるようなもんよ。よくもまあそんなデカイ態度でいられるわね」

 加奈子が私の袖を引っ張っているが、もはや私には田村しか見えない。田村はといえば、顔を真っ赤にしながら、ギター片手にいきり立っている。

「はんっ、私とやるつもり?いいわよ、かかってきなさいよ!あんたみたいな口だけの男には負けないから!」

 とファイティングポーズをとってみた。格闘技なんかやったことないけど、今の私は誰にも負ける気がしなかった。しかし、田村は、ふうっとため息をついて腰を下ろした。

「こんなんはロックじゃねえよ。女に手を上げるなんてな。へっ、俺の負けだ。あんたにゃ敵わねえ。間違った方向に熱くなっちまったな。まあいい、今は理解できなくてもよ、今に分かるさ、俺のソウルってやつがよ」

 と奴はいうものの、私の怒りは全く収まらず、むしろ神経を逆撫でされたような気がした。

「何よ、この腰抜け!かかってきなさいよ!ほら」

「落ち着いてよ、ユウちゃん、落ち着いて」と健気になだめながら加奈子は私の袖を引っ張っている。

「加奈子、こんな奴、すぐぶっ飛ばすからさ、ちょっと待ってて。うん?」

 そこで漸く私は、はっと気が付いた。いつの間にかさらに人が減っている。田村と言い合っているうちにいなくなってしまったらしい。私はあちゃあ、という顔をした。

「やっちゃったね。加奈子、ごめん。それからみんなも」

 加奈子はそうするしかないといったように、苦笑いを浮かべていた。

 私はこの事件以後、「破壊王」なる不名誉な呼び名を襲名した。さらに、日増しに部員は減っていくはで部員は現在の四名+加奈子といった状況になった(ちなみにこの事件以降、田村のことをヴィシャス・伸一と呼ばなくても反応するようになったのには助かった)。

 こんな状況ではあったけど、楽しいことは楽しかった。田村の暴走は日常茶飯事だと思って割り切ってしまえばそれほど苦にはならなかったし、なにより加奈子がいたことが大きい。




 しかし、私の受難は続く。

 加奈子からまたもや突拍子もない話を聞かされたのだ。

 放課後の教室。話があると言われ、誰もいない教室に二人、残っていた。

「あのね、ユウちゃん、話があるんだ。とっても大事な話」

 そう話を切り出されて、私は最初、加奈子が軽音楽部を辞めると言い出すもんだと思っていた。田村の奴は私を恐れてか、私ではなく、やたらと加奈子に絡むようになっていたのだった(もちろん、奴に釘を刺しとくのを忘れなかったけど)。加奈子は生来の人の良さからか、田村の意味不明な絡みにも一々反応していたのだ。もし、加奈子が部を辞めるといっても、私は怒らないつもりだった(その原因の大部分は田村にあるし、いざとなれば田村をぶっ飛ばしてから私も辞めるつもりだった)。私は覚悟し、できるだけ優しく、どうしたの、と尋ねた。

「実はね、ユウちゃんにはもっと早く言えば良かったんだけどね」

 加奈子はそこで言葉を切ると、俯いた。私は加奈子の心中を察し(たつもりで)、うん、うんと頷きながら次の言葉を待った。

「私、アメリカに行くの」

 私は予想外の言葉に開いた口が塞がらなかった。加奈子は俯いたままコクリと頷いた。

「あ、あ、アメリカっ!」

 あんぐり開いたままの口から出てきたのはその言葉だった。加奈子はまたコクリと頷く。

「お父さんが、会社の都合でニューヨークに行くことになったんだ。私は行きたくないって言ったんだけど、お父さんが許してくれなくて」

 私の頭の中はアメリカ、アメリカ、アメリカと呪詛のようにアメリカが駆け巡っていたが、口だけは勝手に動いた。

「で、で、で、いつ行くの」

 加奈子は私と目を合わさずか細い声で、「再来週」とだけ言った。そう言うと加奈子の目からは涙が出てきて、やがて滝のように流れる涙を拭うこともしないで、私に抱きついた。

「ユウちゃん、ごめんね、ごめんね。う、う、いぎだぐないよ、ユウじゃん、いぎだぐないよう、ユウじゃあん!」

 教室で泣き叫ぶ加奈子を尻目に、私の頭の中では今だにアメリカがスキップしていた。スキップを続けるアメリカの間に一瞬、田村を始めとする愉快な仲間達の影が一瞬ちらついたような気がした。

 加奈子がアメリカに行く日、私は学校をさぼって見送りに行った。加奈子はもう泣き腫らして、出る涙もないのか、当日はさっぱりした顔をしていた。加奈子とお母さん(加奈子似のおっとりしたお母さんだった)がゲートをくぐる前、加奈子はテテッと私の前にやってきた。

「ユウちゃん、これでお別れじゃないよ。私、絶対に帰ってくるから。そしたらまた、一緒にやろうね」

 私は、加奈子の前では絶対に泣かないようにがんばっていたが、涙が溢れてくるのが分かった。

「軽音楽部、無くさないでね。私、あんなに一生懸命がんばったの、初めてだったんだ。うん、素敵な思い出。だから、無くさないでね」

 目から、抑えきれなくなった涙が溢れてきた。私は人目を憚らず泣いた。加奈子が必死に励ましてくれるが、全く耳には入らず、私はただ頷くだけだった。我慢しようとすればするほど涙が溢れてきた。

 この涙が、加奈子がいなくなってしまうためのものなのか、それともこれから田村達をまとめていかねばならないことによる涙だったのかは、今となってはよく分からなかった。

 と、まあ、こういうわけで、一つは部長という肩書きのため(こちらはあんまり大したことではない)と、親友との約束のため(こちらの方があまりにでかすぎる)に私はこの弱小部を辞められないでいる。

 部長としての最大の仕事は、田村の暴走をできるだけ食い止め、学内の平穏を保つこと。そのために私は「花の女子高生」という人生の中で一番華やかな時間を、ドブに捨てに学校に向かっているのである。

 とりあえず、卒業する前に、田村の鼻面に一発食らわしてから、学校を去ろうとは思っているけど。


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