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この作品には 〔残酷描写〕が含まれています。

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烏の求婚

作者:
掲載日:2026/04/29



 女王パトリシアは頭を悩ませていた。


 悩みの内訳はこうだ。


 度重なる国王――夫の浪費。

 潤沢にあったはずの国費は、悉く夫に食い尽くされていた。

 あらゆる享楽にふける夫は民のことなどひとつも顧みない。女に酒に食べ物に。贅を尽くした生活。国民からの支持はガタ落ち。

 国は今、存亡の危機を迎えようとしていた。



「……(からす)?」


 そんなある日のことだった。

 宰相からとある報告を受けたのは。


「えぇ。どこから嗅ぎつけたのか、烏がゴミ漁りにきていると」

「……それは困ったわね」


 なんと嘆かわしいことか。

 パトリシアの国では、ゴミ処理に回す費用すらなくなっていたのだ。

 もともと烏ぐらいこの国にはいた。だがそれを上回る量の烏が飛来しているらしい。今のところ疫病の被害はないとのこと。それに不思議なことに糞害も。烏たちは、本当にゴミを漁りに来ているだけらしい。ついでにゴミの漁り方もどことなく綺麗だと。妙な話だった。


「羽音や鳴き声が気になる等の声はありますが、それ以外の目立った苦情はきていません。どうされますか」

「……民には悪いけれど、烏については一度、目を瞑りましょうか。なにか被害が起きたらまた教えてちょうだい」


 目頭を押さえてパトリシアは唸る。

 烏。烏。疫病を齎しかねない動物。今はないかもしれないが、糞害の懸念もある。早急にどうにかせねばならないのはわかっている。

 だけれどパトリシアには、他にも優先して処理すべき問題が山のようにあったのだ。







 多忙のパトリシアが唯一心休める時間。

 それが、深夜の庭園だった。


 最初の頃は、愛人達と夫の睦あう声や音。それから逃げるために庭園に来ていただけだった。

 だけれど夜の、静まり返った庭園は、常に忙しなく頭を働かせるパトリシアを落ち着けるにちょうど良い場所だった。


 微かな風に揺られ、ざわめく葉の音が。

 空を照らす星々と月たちが。

 荒んだ心を癒していくようだった。


 経費削減のため護衛の騎士すらいない。 

 だがここは王宮の中庭。侵入者もいないだろうと、雨の日以外は、パトリシアは庭に出るのが日課だった。


 長いこと補修されていない、壊れかけのベンチに腰を下ろしてパトリシアは息を吐く。

 明日の予定……と考えていると、次第に瞼が重くなっていく。ここ最近いつもそうだった。ベンチの上で少し眠り、夜も更けた頃、慌てて自室に戻る。

 今夜もきっと同じ――全てを諦めパトリシアが目を閉じかけたとき。


「カァ」

「か……」


 は、とパトリシアが目を開ける。

 声のほうを辿れば、いつの間にやら一羽の烏が隣にいた。


「……烏?」


 まさかこんなところにまで。

 確かに空からは自由に入れはするが……とパトリシアが烏を見つめていると、その烏、口元になにかを加えていた。


 エサだろうか。

 ゴミの類だろうか。

 暗闇の中、パトリシアが目を凝らすと、烏が咥えていたのは、一輪の白い花だった。


「……花? 巣作りにでも使うのかしら」


 カァ、とだけ烏は鳴く。

 それからすぐに、花を置いて飛んでいってしまった。


「……忘れているけれど……大丈夫なのかしら」


 首を傾げつつ、パトリシアもその場を後にした。

 明日も早いのだ。今日はもう寝てしまおう、と。






 

 その翌日。

 さらに翌日。

 そしてさらに翌日。

 

 あの日以来、烏が毎夜の如く、パトリシアのところを訪れるようになった。


 パトリシアが庭に出るのはいつも同じ時間だ。そのせいもあるだろうが、毎夜毎夜、烏が白い花を一輪咥えて彼女のもとにやってくるのだ。


 初めはただの偶然かと思っていた。

 だがこうも続くとさすがのパトリシアも不思議になる。

 

「あら。今日もきたの?」


 その日も烏はいつも通りにやってきた。

 白い花を咥えて。そしてその白い花を置いて。古いベンチには、烏の摘んできた花でいっぱいになっていた。


「飽きないわね。私になんの用があるのかしら」


 けれどパトリシアが尋ねたところで、烏は「カァ」としか鳴かない。


「もしかしてゴミのお礼? でもあれはね、別に貴方たちのためじゃないの。処理する費用がなくて……なんだったら、生ごみを食べてくれる貴方たちに感謝するべきかもしれないわ」


 パトリシアの言うように、烏たちは変わらずゴミを漁りに来ている。

 だが今に至るまで、病どころか糞すら撒き散らさない。気まぐれに飛来し、気まぐれにゴミを漁る。そんなことがもうずっと続いていたのだ。


「カァ」

「だから貴方の言葉はわからなくて……」

「カァ」

「え、なぁに? 花、もらってほしいの?」


 パトリシアの膝の上に烏がのり、そのつぶらな黒い瞳で見つめてくる。

 

「それで貴方の気が済むのなら」


 嘴からはみ出ている茎を掴めば、烏はすぐに嘴を離した。

 白い花。名前はわからないが、そこらへんに生えている雑草だろう。だがいつぶりかに花を貰ったパトリシアは、嬉しそうに目を細めた。


「……ふふ。昔はね、夫からもこうして花をもらっていたの」

「カァ?」

「あの人自ら花を摘んでくれて……今ではもう、誰も信じてくれない話だけれど」


 遠い昔。まだ子供だった頃。そんなこともあったのだ。

 烏は不思議そうに頭を何度か傾げ、やがて飛んで行ってしまった。残されたパトリシアは花を片手に自室に戻ることにしたのだった。


 湯浴みを終え、自室に戻る最中。

 両脇に女を侍らせた夫が、パトリシアの対面から歩いてきた。

 酒臭い。顔も真っ赤だ。酷い酔い方をしている。

 いつものように見て見ぬふりをしてすれ違おう。女達からは笑われるやもしれないが、そんなこともうどうだってよかった。


「――おい。パトリシア」


 しかし。今夜に限ってパトリシアのアテは外れた。

 すれ違いざまに、憎悪を孕んだ声で、夫に呼ばれたからだ。


「なんださっきのは。あの男は誰だ」

「……男? なんのことでしょう?」

「とぼけるな! 庭に男といただろう! 白い花をもらって! それで! 王宮に俺以外の男を招くとはなんたることだ!」


 その場に困惑が広がる。

 夫の両腕を固める女性達も、不可解な様子だ。


「……男なんていました?」

「いえ、烏はいましたけれど」


 ヒソヒソ話す女たちに、パトリシアは同意を求めたくなる。


「……あなた。飲み過ぎですよ。そこの女性達にも聞いてください。私は、男性と共にいたわけではありません。あれは烏ですよ」

「烏でも男は男だろう!」

「……あのですね。あれはただの烏です。雄だろうが雌だろうがどうだって構わないと思いませんか」


 これ以上は面倒になり、夫の隣を横切ろうとして――


「花なんぞ貰っていやがって! 穢らわしい!」


 パトリシアが手を無理やり掴み、その白い花を奪い、踏みつけてしまったではないか。


「あっ――……」


 まさかのことにパトリシアは絶句する。

 踏み躙られた白い花は、たちまち塵と化してしまった。

 あの白い花とて、雑草の一部を摘み取ったものだろう。決して高名な花などではない。

 だけれど、あれは、数年ぶりにパトリシアに贈られた花だった。それを踏み躙られ、彼女の中ではなにかが、ぽっきりと折れてしまった。







 翌日。

 パトリシアは仕事という仕事が手につかなかった。

 きっとお疲れなのですよ、という宰相の言葉とともに、その日は早いうちに仕事を切り上げた。

 いつもより早めに湯浴みを済ませて自室への廊下を歩く。ふと庭に目をやる。いつもだったら、庭にいる時間だったからだ。


「……あら……」


 庭のベンチには烏が一羽。

 なにかを探すようにきょろきょろ首を動かしている。

 その姿はどこか健気で、パトリシアの胸を打つものがあった。侍女の一人も連れていない彼女は思わず庭に飛び出る。

 烏はすぐにパトリシアに気がついた。烏と目が合った。だが烏は、その日初めて、なにも口に咥えていなかった。


「……あぁ、ごめんなさい。貴方にね、謝らなければならないの……」

「カァ」

「昨日貰ったお花ね。……夫に……踏み潰されてしまったの」


 これまで烏が持ってきた花。昨日に至るまで、受け取ることはしなかった。もし疫病が……という不安があったからだ。

 けれど今になって思う。

 受け取ってやればよかった。理由はなんであれ、この烏は、パトリシアのためだけに毎夜毎夜花を贈ってくれたのだから。


「……ごめんなさい、ごめんなさい……。お花、きちんと受け取っていればよかったわ。貴方が、私のために摘んできたものだったのに……私も最低ね。貴方からの気持ちを蔑ろにしたのだもの」


 パトリシアは迷って、足元に咲いていた、小さな花を摘み取る。

 薄桃色の花だった。名前なんてわからない。


「……受け取ってくれる? せめてもの贖罪と、今までのお礼に。貴方がくれた数には全然届きはしないけれど……」

「カァ」


 烏はいつも通り鳴いて、それから花を受け取った。

 そうして飛び立った烏を見送って、パトリシアは、いつものように寝所に戻ったのだった。







「へっ、陛下! 女王陛下!」


 翌朝のことだった。

 侍女とともに身なりを整える最中。宰相が、慌てた様子でパトリシアの元に転がり込んできたのは。


「どうしたの朝から。騒々しい」

「か、っ、烏の……! 烏の一団が王宮の前にいてですねっ……!」

「……烏?」


 あまりに宰相が慌てるものだから、パトリシアは身支度も半端に外へでる。

 そして絶句する。宰相の言うように何十羽とも思われる烏が、王宮の前にいたからだ。


「なにごとなの、これは……」

「わかりません! ただ追い払っても追い払っても必ず戻ってくるんです!」


 ――そう言われても、私になにができるっていうの。

 戸惑いながらパトリシアが烏の群衆に目を凝らす。するとその中から、一際大きい烏がひょっこりと前にでてきた。


「カァ」

「……あら? もしかしていつもの……」


 ひょっこり出てきた烏。それは、毎夜の如く、パトリシアに花を贈ってきた烏に見えた。


「……貴方、他の子に比べて大きいのね? もしかして貴方がリーダー? だったら、ここにきたって餌はやれないから別のところに行ったほうがいいわ」


 今までは一羽としか見ていなかったから気づかなかった。

 毎夜パトリシアの元に現れていたらしいあの烏、あれは、他より大きい個体らしかった。

 そのときだった。

 無風だったはずなのに、突風が吹き荒んだのは。

 パトリシアは思わず目を瞑る。風が止んで、目を開けると――


「残念ながら餌を貰いにきたんじゃない。君に用があってきたんだ」


 ――黒髪。黒目。真っ黒な衣装。ズボンから見える足は烏。それ以外は人間と同じ容姿の――長身の男が、パトリシアの前に立っていた。


「私の名はレイヴン。そしてパトリシア。君は私からの求婚を受け取った。そして君は私の求婚に応えた。だから君を迎えにきたんだ」







 とても。おおよそ信じられるものではなかったが。

 なんでもこの世界には、烏の国があるらしい。

 遥か遠く。烏たちの楽園が。レイヴンの兄が王として治める国があるらしい。のだが――


「あ、あの、求婚、ですか……」

「あぁ。お前は俺の花を受け取った。それに、お前は俺に花を贈った。これで婚姻は成立したことになる」

「あれは……そういう意味では……」

「それに、俺の子飼いたちが随分と世話になったらしいじゃないか。その礼に、というのは烏滸がましいかもしれんが……」

「……子飼い……世話……?」

「君たちのゴミを漁りにきた子らがいただろう。あれは俺の子飼いでな。排泄もしっかり指導している。だから粗相はなかったろう?」


 言われて、確かに今に至るまで、烏の糞害の報告がなかったことにパトリシアは気づく。


「ですが、あの、……私はこれでもこの国の女王でして……それに夫も……」

「夫? 君のために贈られた花を踏み潰す夫か?」

「っ……」

「それに、君の身なり。王宮。町。見るからに限界がきているじゃないか。仮に今、他国から侵攻を受けたなら、呆気なく陥落してしまうぞ」

「ですが、そんな話どこにも……」

「……烏は自由に空を飛べるからな。人間界の偵察などお手のものだ。隣国が領土拡大のために今か今かと侵攻の機を窺っているとしたら――君は、どうする?」







 パトリシアの夫であるフィリップにその誘いがきたのは、パトリシアと結婚してすぐのことだった。

 珍しい植物が手に入った。病の痛みまでも軽減させる素晴らしい花が。

 それに――これを使えば性交の快楽が数倍になる。隣国のよしみとして、奥方には内緒で、ぜひ、貴方にも使ってもらいたい、と。


 フィリップは気が付かなかった。

 それが、使用を継続することで、精神を磨耗させる違法な薬草だったことに。さらに依存性も高く、やがては廃人となってしまう薬草だということに。


 全ては隣国から仕組まれたことだった。

 王を陥落させれば、国は一気に傾く。そうなったときに攻め入り、自国の領土としてしまおう。そんなありふれた、あまりに馬鹿馬鹿しい作戦の一部だったのだ。

 この作戦がうまく運び、一番驚いていたのは他でもない隣国の王だった。まさかこんなに上手くいくとは。パトリシアに誘いを持ちかけなかったのは、二人して突然廃人になれば、疑いの目が自分たちにかかるかもしれないと踏んだから。

 隣国の王は高笑いをしながら、間諜(スパイ)としてフィリップの元に潜り込ませた女たちに、王宮の動向を探らせていたのだ。




「信じるも信じまいも君に任せよう。だけれど私はね、君のことを助けたい。そして君とともに、ゆくゆくはこの国を統治していきたいんだ」

「ですが……隣国とは……ずいぶん昔にですが、和平協定も締結済みで……」

「……まぁ、聡い君のことだ。鼻から信じてもらえるとは思っていない」


 レイヴンが指で机を叩いた。一匹の烏が、なにかを咥え、机の上にのる。


「見ろ。侵攻の計画書だ」


 机の上に開かれた紙。そこには確かに、パトリシアの国を攻め入る計画が、入念に記載されていた。


「嘘、嘘よ、こんな……」

「嘘なものか。烏は頭上から人間を狙える。たとえばそう、迂闊な人間が計画書を手に、中庭に面する廊下を歩いていたなら? 集団で襲い、こうやって盗み取ることも可能なんだ」


 パトリシアは信じられなかった。

 だか確かに計画書には、隣国の王の王印が。これはそうそう偽装できるものではない。わかっているから、自身から血の気が引くのを確かに感じていた。


「時間はそうない。どうするパトリシア。君とて、君の国と民を危険に晒すのは本意ではないだろう」







 散々迷いに迷って、パトリシアはその書類を片手に隣国へ乗り込んだ。

 結果は黒。そして、和平協定を覆そうとした賠償金として、たんまり金を受け取った。

 これでしばらくは民の暮らしを賄える。まずは壊れた橋を補修しよう。やるべきことは山積みだ。けれどひとつ問題があって――


「やぁやぁパトリシア。私の求婚を受ける気にはなったかい?」


 レイヴンが、未だパトリシアに付き纏っていることだ。


「……レイヴン。言ったではありませんか。私には夫がいるのです。不貞など以ての外で……」

「だが君の夫は廃人寸前だ。世継ぎだって必要だろう? それなら私はうってつけじゃないか」

「でも貴方は烏で……」

「それがどうした。なんだったら、私たちの国と、人間の君たちの国。国交を初めて樹立させたとして祭り上げても良いとは思わないか?」


 レイヴンに付き纏われながら、パトリシアは呆れたようにため息を吐く。だが彼女の心は既に、レイヴンに傾きかけていた。





















 幼い頃のレイヴンは、それはやんちゃな烏だった。

 国を飛び出し、人間の国を飛び回るのが日課のひとつ。

 その日もそうだった。だがその日に限って――ゴミ漁りをする烏と間違えられ、人間から石を投げつけられ怪我を負ってしまったのだ。


 ふらつきながら、レイヴンはやがてどこかの庭に落ちてしまう。このままでは死ぬ。そう覚悟したときだった。


「あら……? 貴方、怪我してるの? ……どうしましょう。烏に塗る薬なんてないはずなのに……」


 霞む視界の中で。可憐な少女が白い花を摘んでいるのが見えた。


「……このお花から出る液体が、傷に効くって聞いたことがあるの。気休めかもしれないけれど……」


 傷口に、素手で、その液体を塗り付け、そして少女はドレスのポケットからなにかを取り出した。


「クッキーなんて食べれるかしら……」


 空腹だったレイヴンは、匂いを嗅ぐなりすぐにクッキーにありついた。きゃあ、という小さい悲鳴を耳にして、ようやっと自分の行いに気がつく。


「思ったより元気そうね。よかった。……あぁでも、もうすぐマナーの授業の時間なの。ごめんなさい、烏さん。どうか元気になって」


 小さな背中を見送りながらレイヴンは思った。


 あの少女は自分を助けてくれた。

 あの少女が欲しい。

 ――あの少女と番になりたい。





 とはいえ烏と人間。番になれるわけがない。

 けれど諦めきれなかった。気づけば20年以上もの月日が経っていた。その日もパトリシアのことを窺いながら、人間の国々を飛び回っているときだった。

 

 人間をおかしくさせる薬草がある、と耳にしたのは。


 そこからのレイヴンは早かった。

 薬草を摘み、隣国へばら撒いた。パトリシアの国でばら撒けなかったのは、彼女への愛からだ。

 隣国のどこかで発芽すればいい。そうすれば、巡り巡ってパトリシアの夫の元へ届くだろう。パトリシアは常に子飼いの烏に監視させている。だから彼女へは、害はいかないはず。

 

 もしだめだったなら――自分から、パトリシアの夫の元へ運べばいいと思いながら。


 果たしてレイヴンの行ったことは全て上手くいった。

 パトリシアの夫は廃人寸前。きっともう間もないうちに死んでしまうだろう。


 烏であるレイヴンにとって、パトリシア以外の人間などどうでもよかった。自分に石を投げ、怪我を負わせた人間。もちろんパトリシアのように心優しい人間もいるだろう。だがもう、レイヴンの目には、パトリシアしか映っていなかったのだ。


 今か今かと機を窺い続け、そうして始めた求婚行動。

 あぁ上手くいってよかった。まぁあそこでパトリシアが拒否しようが、そもそも君に拒否権はなかったのだけれど――パトリシアに纏わりつきながら、番になれるその日を、レイヴンは今か今かと待ち続けていた。





バレエ白鳥の湖のロットバルトとというキャラクターに萌えた結果できた話でした。

ちなみに白鳥の湖を見た方ならご存知でしょうが、インスパイア受けただけでこの話には白鳥の湖要素もロットバルト要素もありません。

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