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八尺村  作者: 榊みつば
9/17

9日目 90歳の祝い儀式

昨日の焚き火は驚いた

それ以上に、すっげぇ気持ち悪かった……

この村には、呪いの道具と方法が

何個あるんだよ

今すぐに出たいという気持ちはあるが

無理なことは知っているので

大人しく家にいます

この家も安全じゃないけどな


「湊」

「あれ?誠大いつの間に」

「行くよ」

「どこに?」

「集会所」

「また、あの気味悪い周回かよ……」

「今回は、違う」

「お!なんだ、楽しいことか」

「……いや、もっと気味の悪い」

「嫌だ!」

「行かないとダメなんだ」

「何があんだよ」

「この前話した、掟覚えてる?」


掟……

聞いたな前に

ヤバいやつしか無かった


「あれの90歳のやつ」

「90歳?」

「うん、90歳になったら儀式をする」

「地獄じゃねぇか

あれだろ、祝いの儀式ってやつ」

「うん」

「あれ、今からやんの?」

「みたいに」

「無理」

「頑張って」

「嫌だ」

「ほら、行くよ」

「ぎゃゃゃ!引っ張らないでよー!

嫌だー!行きたくない!」

「駄々こねないで」

「むー!」


そのまま、俺は

誠大に引っ張られて集会所に向かった

どれも嫌だけど

1番嫌な儀式が今から

始まる……

帰りたい

今すぐに来た道戻りたい

……ここまで誠大は俺を

引っ張ってきた

そう考えると

誠大は、力が強い

そんな誠大にダメージを与えることが出来る

村人たちを下手に煽ることはできないな

誠大にしかできないことだ


そんなことを考えながら

歩いていると

誠大が急に立ち止まった

俺は、誠大にぶつかった


「どうしたんだよ」

「……湊」

「ん?」

「見たくなかったらさ目つぶっててよ」

「は?」

「てか、始まってから終わるまで

絶対目開けないで」

「なんだよ急に」


誠大が真剣なのは

雰囲気出感じたが

急に言われたことを

すぐに理解しろと言うのは

頭の悪い俺には無理なことだ

そんな俺の事なんか

お構い無しに誠大は続ける


「この儀式本当にやばいから

俺も苦手なんだ」

「じゃあ、誠大も見なきゃいいんじゃ」

「俺は、この村の人だから見ないといけない

でも、湊なら目をつぶってても大丈夫だと思う

外から来た人だから」

「なんか、よくわかんねぇけど

目を開けなきゃいいんだな」

「うん」

「わかった」


俺は、了承した

きっと、俺がここで断っていても

誠大は何度も言ってくる

俺がわかっと言うまで何度も

そう思った


それから俺たちは、儀式をする

集会所について座っていた

中は、暗かった

誠大が言うには

始まりの合図で音が鳴るらしい

その音が聞こえたら目をつぶる

俺の中に緊張感があった

気味が悪いほどの静けさ

そして、肌寒さ

窓もドアも空いていないのに

ずっと肌寒い

俺が固まっていると

隣の老婆が話しかけてきた


「あんた、緊張しとるのかい?」

「えっと」

「大丈夫じゃ、これは祝いの儀式じゃ

悪いことは起きんから安心しな」


目が慣れてきたのか

老婆の顔が見えた

不気味なくらい笑顔だった

俺は、怖くなり

顔を逸らした

すると音が鳴り始めた

始まりの合図だ

俺は、すぐにぎゅっと目をつぶった


しばらくして音が消えると

太鼓を叩くような音が聞こえた

それと同時に何かを話す声も

なんと言っているのか分からないが

多分お経のようなものを言っているのだろう

俺は、目をつぶりながら

早く終われと思っていた


しばらくお経が続いたあと

太鼓の音が激しくなり

周りの老人たちが

楽しそうに手を叩いていた

何が起こっているのか分からない

怖いそんな気持ちだったが

怖いもの見たさというものだろう

少し、気になって

俺は、目を開けた


目の前には、老人が踊っていた

真ん中にいるのが90歳になった老人

なぜ、あんな老人が激しく動けるのか

俺は、分からず

少し固まっていると

いきなり真ん中の老人が燃え始めた

俺は、驚いて声が出そうになった

自分で自分に火をつけた

そして、火だるまになった

老人は、踊りを続けていた


その踊りを見ている時

俺は、気づいた

いや、あれは踊りじゃない

あれは、暴れている

体が燃えたら

人間は、火を消そうと動き回る

ドラマで見たことがあった

その動きと同じだ


俺は、目を開けたのが間違いだったと思い

目をそらすと

その視線の先には

先が焦げた太めの木の棒を持った老人がいた

その人も笑っていた

そうか、自分でつけたんじゃない

あの人がつけたんだ


どんどん人が焦げる匂いが広がっていく

俺は、気分が悪かった

なるほど、誠大が言ったやばいの意味は

こういうことだったんだ

それに、周りの老人は

なんで楽しそうにしているんだ

全部気味が悪い


しばらくして火だるまになった老人は

動かなくなった

意味が分からない

なぜ、ここの人達は死んでいるんじゃ

なんで、生きているかのように

ダメージを受けて

また、死んでるんだ?


すると、丸焦げになった

老人がいきなり起き上がった

少し若返ったように見える

しばらく沈黙が続いたあと

老人たちは一斉に歓声を上げた

儀式成功だそんな言葉が聞こえてくる

これが儀式

どのくらいの時間が経ったのか分からないが

きっと、1時間ぐらいだろう

なのに、何時間も何十時間も

見ているような気分だった


俺と誠大は、集会所を出た

しばらく歩いたあと

誠大が前を向きながら

つぶやいた


「なんで、目を開けたんだよ」

「え」

「あんなの見たくないだろ」

「ごめん、気になっちゃって」

「お前があれを見てトラウマになっても

俺は、責任が取れないんだだから」

「大丈夫」

「え?」

「俺は、大丈夫だから

早く家に帰ろう」

「う、うん」


誠大に前掟を教えてもらった時

この儀式をすれば八尺様の

元に行けると言っていた


「なぁ、あの儀式をすると八尺様の元に

行けるんだろ」

「そうだね」

「でも、火だるまになった人生きてた」

「若返ったでしょ」

「確かにそう見えた」

「あれで八尺様の元に行けた

だから、若返った」

「そ、そうか」


俺は、理解ができなかったし

しない方がいいと思った


俺は、早くあそこから離れたかった

はぁ……夢に出てきそうだ

そう思った


その日俺は眠れなかった

誠大は、爆睡だった


「お前、すげぇな……」

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