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八尺村  作者: 榊みつば
6/17

6日目 お届け物

俺は、この村に来てから

寝れた記憶が無い

そんなところで、寝れる訳もなく

ほぼ毎日徹夜状態

そんな、俺を見た誠大は

布団を大量に抱えて来た


「な、何をしているんだ?」

「え?寝れてないみたいだったから

布団持ってきた」

「掛け布団と敷布団ひとつずつ

でいいんだけど」

「何を言っているの?

布団は何重にもするでしょ」

「いや、重いから」

「布団を沢山掛ればよく寝れる」

「それも、村の考え?」

「ううん、俺個人の考え」


……やはり、誠大はよく分からない

誠大は、何を考えているのか分からない時が

時々ある

もし、もっと誠大のことを知ることが出来たら

誠大に対しての不安とか消えるのだろうか

それなら、話を聞いてみても

いいのかもしれない


「誠大」

「なに?」

「誠大のこともっと教えてよ」

「え?」

「俺、言っちゃ悪いと思うけど

まだ、お前のこと信用しきれてない

だから、もし話してくれたら

もっと信用できるんじゃないかって」

「湊」

「それに、お前いいやつ」

「湊!」

「な、なんだよ」

「飲まれちゃダメだよ空気に」

「ん?」

「湊さ、心のどこかで

無理だと思ってるでしょ」

「何をだよ」

「ここから、出ること」

「それは」


顔に出てただろうか

雰囲気がそうだったのかは分からないが

誠大には、バレていたようだ

いや、きっと村人全員にバレていた

だから、あの食事会があった

あの時、俺は確かに

ここから出ることは

無理なんじゃないかと思った

ここから出れるのか不安だった

村人たちの勘が鋭いのか

俺がわかりやすいのか

どちらにしよ最悪だ


「湊?大丈夫?」


俺は、誠大の声で

我に返った

ふと誠大の顔を見ると

心配そうにこちらを見ている


「あ、ああ」

「それで、俺の事だっけ?」

「そうなんだ、お前のことをもっと」


ピンポーン


こんな時間にも来るのかよ

……いや、窓が揺れてない

てことは、村人

俺を、捕まえに来たのか

場所がバレたのか


「大丈夫、湊はここにいて」

「わ、わかった」


誠大も怖いのだろうか

恐る恐る玄関に近づく

そして、誠大は

俺の姿が見えないように

居間の襖を閉めた

声は、少ししか聞こえなかったが

ところどころ何を言っているのかはわかった

相手は、じぃさんだろうか

声が男だった

怒鳴っているのか

声が大きくなる時があった


じぃさんは、俺がここにいる

そして、すぐにでも生贄にだす

そう決めていた

誠大は、俺はここにはいない

儀式はまだだと言っていた

お互い反対のことを言い

譲らなかった


しばらくしてから

鈍い音が聞こえた


「うぐっ!」


それと、同時に誠大の

声と膝をつく音聞こえた

俺は、助けに行こうかと思ったが

怖くて動けなかった

しばらくして、誠大が戻ってきた

片手で腹を抑えていた


「だ、大丈夫か?」

「大丈夫、ただ、殴られただけ」

「腹、殴られたのか 」

「大丈夫、いつもの事だから

あの人は、いつも怒ると殴ってくるから」

「だとしても! 」

「大丈夫、慣れてるから 」


俺は、誠大が何かを隠している

そう思っていた

俺が、誠大の持っている

箱に目をやると

こっちに持ってきた


「これは」

「あの人が置いていった

湊と一緒に開けろって」

「……開けるしかないのか」

「うん……行くよ?」


俺が頷くと

誠大は、箱の蓋を開けた

中には、紙とまた、小さい箱が入っていた


「箱だ」

「マトリョーシカみたいだな」

「まず、紙から見てみる?」

「そうだな」


誠大が紙を広げると

文字が書いてあった

そこには


「湊、生贄決定

八尺様足りない、人足りない

食い物足りない逃げるな

逃げるなこの村を捨てるのか

逃げるな逃げるな逃げるな」


怖すぎる

食い物?俺、食い物なのか

誠大に聞こうと思い

顔を上げると

誠大が固まっていた


「誠大、大丈夫か?」

「あ、うん大丈夫」

「箱の方も開けてみるか」

「そうだね」

「今度は、俺が開けるよ」

「うん」


次は、小さい箱を開けた

中には、人形とスプーンが入っていた


「なんだこれ、人形とスプーン?」

「……本気なんだ」

「え?」

「絶対に、湊をここから

出したくないみたい」

「そんなことはわかってるけど」

「多分、殺しにくるよ」

「は?」

「これは、呪いの道具として

この村で使われているものなんだ」

「嘘だろ」

「ほとんど、使うことの無い物なのに」


呪いの道具

こんなに、不気味なのか

俺は、ここで起きたことを

理解していることも

そして、逃げようとしていることも

バレている

てことは、知らないふりをしても無駄なのか


「この道具は、湊をここに

閉じ込めるための道具」

「俺をここに」

「このスプーンは、湊が使ったやつなんだよ」

「俺が使った」

「ほら、食事会の時お粥食べたでしょ?」

「あ、そういえば」


ずっとあいつらの罠に

はめられてたってことかよ


「ごめん、俺が関わったから

この村に連れてきたから」

「誠大のせいじゃない」

「でも、俺が関わらなかったら」

「誠大が助けてくれたから

今、こうして行動出来てるんだろ

まぁ、怖いけど」

「そうなのかな」

「お前が、関わって来なかった奴らは

生贄にされたんだろ」

「うん」

「じゃあ、俺は助かるかもな誠大のおかげで」

「そう言ってもらえて嬉しいよ」


誠大は、笑ったり

泣いたりすると

普通の男子高校生みたいになる

その時だけ、本当に生きているように見える


「あ、俺の話だったよね」

「そうだ、誠大のこと教えてくれよ」

「……明日でもいいかな

今日は、これをどうにかしない

といけないから」

「どうにかってできるのか?」

「分からないけど、弱めることは

できるかもすぐには無理だけど」

「どうやって」

「この道具は、呪いをかけたい人の

近くに置いとかないといけないものなんだ

だから、遠くに置いとけば」

「なるほど、そういう事か

なら、俺も手伝うよ」

「湊は、だめ」

「なんでだ?」

「湊が触ったら強くなるかもだから

ここで、待ってて」


そう言って誠大は走って行ってしまった

誠大は、村人達から

大人達からの信用を失っている気がする

このままでいいのだろうか

誠大が危ない目にあったりするんじゃ

さっきのじぃさんとの会話や

今まで、一緒に過ごしてきて

わかったことが一つ増えた


ここの村にいると

生死問わず

全員触れることができるみたいだ

確かに、村長の手に触れた時

生暖かいような冷たいような

気持ち悪い感じがした

そして、誠大達は痛みも感じる

もし、そうだとしたら

これから、どうなってしまうんだ

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