表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
八尺村  作者: 榊みつば
2/17

2日目 村について

「それじゃあ、話したいいんだね?」

「いいよ」

「ほんとにいいんだね」

「あのさ」

「なに?」

「その確認と、無駄話でもう

夜明けてるんだよね」

「あ、ほんとだ」


ただいま、2日目

そう、俺たちは無駄話をして

貴重な1日目(数時間)を過ごしたのだ

もう、太陽が昇っているよ

まぁ、森の奥だからね

朝でも暗いよ

夜は、真っ暗だったけど

朝になると気味が悪いくらいに薄暗いよ

こっちの方が怖くない?

いや、どっちも怖いか


そんなこと考えてる場合じゃない

早く話進めないと今日も無駄にする


「お願い話して」

「わかった」


それから、誠大は淡々と話し始めた


「この村は、昔|八尺真衣(やしゃくまい)

という女性が作ったんだ

彼女は、みんなが笑顔で交流できる

村にしようとしていたんだ

だけど、ある日外から来た人が

ある儀式を提案した」

「ある儀式?」

「そう、その人はこの村はこのままだと

作物が育たなくなると言って

村のみんなはその言葉を信じた

でも、儀式をするには生贄が必要だと言われ

みんなは、八尺真衣を生贄にした」

「ど、どうして?」

「……この村を作った人だから

神様との距離が近いと言われていたから」


だからって生贄にするのは可哀想だし

酷すぎる

その人も生贄になりたくなかっただろうに

きっと、話からして

問答無用で生贄にされた


「その事件で八尺真衣は死んで

この村は呪われた」

「悲しい事件だな」

「その儀式が今でも行われている」

「その生贄に俺が選ばれたと」

「そういうこと」

「なんてこった」


最悪なものに選ばれてしまった

どうせだったら、いいものが良かった

大学の優等生とか

なんかの日本一とか

そういうすごいことに

なんで、よりにもよって

生贄なんだよ

俺なんか悪いことした?


「だけど、その儀式は今は少し違う」

「どういうことだ? 」

「生贄を与える相手が違うんだ」

「相手?」

「昔は、神様だった名前のない

でも、今は、八尺様に与える」

「八尺様?」

「八尺真衣が祟り神になった姿だ」

「……祟り神」

「そう、祟り神は|災厄(さいやく)

をもたらす神だが

手厚く(まつ)ることで

守護神になると言われている」

「それを、村の人達は信じている」

「そういうこと」


「ちょっと〜誠大さん?来てちょうだい」

「やべっ、呼ばれた言ってくる」

「え?ちょ、どこに?」

「あの人たちに呼ばれたら

行かないといけないんだ

そのうち、君も行くことになる」


そう言って、誠大は家を飛び出した

……神様ってなんなんだろうか

そんな言葉がずっと頭の中を

ぐるぐる回っている

神様はいい存在じゃないのか?

いや、悪い神様もいるのか

昔話とか色んな話に

いい神様と悪い神様が出てくる

それでも、八尺様は可哀想だ

なりたくてなったわけじゃない

人は、残酷なんだな昔から

自分勝手なんだな

まぁ、俺が言えたことじゃないか

そう考えたら

俺がここに来たのも

生贄に選ばれたのも

神様が俺に罰を与えたのか

何をしたのかは分からないが

人を傷つけたことはある


……はぁぁ

ひとりで暗くなってどうすんだ

せっかく誠大が手伝ってくれんのに

こんなんじゃ、俺この村から

出れるかわかんねぇや

あれ?そういやぁ、誠大さっき

俺もそのうち行くことになるって言ったな

あの人たちってのは

村の人達のことなのか?

確かに、俺は邪魔してる

というか、連れてこられただけど

立場だからな

挨拶はしないといけないな

怖いけど、生きてるかわかんねぇやつに

半分以上死んでるだろって人に

会って挨拶するのか

いや、怖いな


ガラガラガラ


あ、誠大が帰って来たみたいだ

ん?誠大の隣にいる人は誰だ?

顔色が悪いような気がするが

それに、目に光がないって言うか

生気が感じない



「湊、この人は、今の村長さん」

「あ、どうも、こんにちは

すみません、えっと、ぎし……」

「迷ったんだこの人」


え?今、俺の言葉遮った

儀式と言ってはいけないのか?

俺が、儀式と言おうとした時

誠大は少し慌てた顔をした

道に迷った人

そう言わなければならないのか

しかし、なぜだ?


「なぁ、誠大」

「ん?」

「さっき、なんで慌てたんだよ」

「……ここに連れてこられた人達は

みんな、生贄たということを

知らずに来ている 」

「え?」

「だから、知らないふりをして」

「なんで」

「そうしたら、逃げないでしょ」

「……サイコパスかよ」

「この村は、昔からそうだよ狂ってる」

「早く出たい」

「じゃあ、儀式と生贄って

言葉は絶対に言わないで」

「わかった」


誠大の様子を見てすぐに分かる

そのふたつは、絶対に言ってはいけない言葉

言ったら、すぐに殺されるんだろうな

だが、2日目で結構な情報を得た

生き延びる方法もひとつ知った

村長にも挨拶できた

これから、俺はこの村で静かに待つのか


「明日、村のみんなに会ってもらうから」

「まじかよ」

「みんな、優しくしてくるよ」

「なら、いいのか」

「だけど、油断しないで」

「なんで」

「村の人達がしてくる行動は

全部逃げられないようにするためだって

思ってて」

「お、おう」

「だけど、断っちゃダメ

上手く受け流したりして」

「わ、わかった」

「俺も、一緒だから」

「ありがとう」


まじで、この村やばいんじゃないか

村人全員サイコパスすぎる

考え方がまともじゃない

昔からそうなのだろうか

でも、きっとそうなんだうな

たった、数人の行動で

1人の運命で

村全部を変えてしまうのか

人間は恐ろしいな


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ