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八尺村  作者: 榊みつば
15/17

15日目 矢地さん

村を出てから数日が経った

その間、大学の近くにある図書館に行って

資料を探したが見つからなかった

俺の通ってる大学は何度が改装されて

綺麗な状態を保っているが

実際は、古い建物だ

図書館は、改築され

広くなったが

歴史の資料は、講義で習うようなものしかない


何も無い日常が戻ってきたようだったが

一つだけ不思議なことが起きていた

俺が、2週間いなかったことが

家に帰ってないことが

なかったようになった

まるで、夢を見ていたみたいに今でも感じる

親も友だちも講師もみんな

普通に接してくる

確かにあの村は普通じゃない

でも、変な感じだ

俺の記憶では

2週間家に帰ってないのに

次の日の朝起きたら

いつものようにおはようと言ってくる

その光景に違和感を感じていた

でも、八尺村のことを話すと

変になったと思われそうで

話さなかった


俺は、今日も図書館に来ていた

2時間くらい資料を読み漁ったが

ひとつもそれらしい情報はなかった

俺は、ため息をつき

吐き捨てるように


「そりゃそうだよね……だって、昔に

なくなった村だもんねあるわけないよ」

と言った

俺が机に突っ伏していると

いきなり声をかけられた

顔を上げるとそこには

司書さんがいた

じっと俺を見つめていた

その後、資料に目を向けた

俺がなんですかと聞くと


「あなた、よく来るわね

歴史を調べてるの?」

「まぁ、歴史っていうか

……そうですね」

「ふーん、でもそれ村の資料よね

講義でやってるのかしら?」

「なんで、そんなこと聞くんですか?」

「あら、気を悪くしちゃったかしら?

ごめんなさいただ、情報を

提供できないかなって」

「情報を提供?」

「えぇ、司書の仕事のひとつなの

特にここでは多いわね大学生が多いから」


俺は、この時

この人なら八尺村のことが

わかるんじゃないかと思った

ただ、もし知らなかったら?

変なやつだと思われる?

いや、でもいい

変なやつだと思われたらそれだけだ

なら、聞いてみる方がいい

何もしないよりかはした方が

いい方向に進む

俺は、八尺村での出来事で

少し、考えが変わったみたいだった

成長したというのだろうか


司書さんの顔を見て

気持ちを整理してから

口を開いた


「あの、八尺、村って知ってますか?」

「八尺村?」

「あ、知らなかったらいいんですけど

ごめんなさい」

「……聞いたことあるわ

確か、昔にあった村よね」

「そう!です」

「その村がどうしたの?」

「えっと、信じられないかもですけど

俺、八尺村に入って脱出してきたんです」

「……」

「あ、ごめんなさい

こんな話信じられないですよね」


やっぱりダメだったかと

落ち込んでいた時


「もしかしたら、知ってる人いるかも」

「え?」

「私は、聞いたことがあるだけなんだけど

1人いるかもしれない八尺村について

何か知ってる人」

「本当ですか!」

「えぇ、ちょっと待ってて」


そういうと司書さんは

カウンターに戻って

何か書かれた紙を持ってきた


「これ、その人の住所

あなたがなんで知りたいのか分からないけど

きっと、大事なことだと思うから

この紙に書いてある住所に

行けば絶対会えるから 」

「ありがとうございます!」

「気をつけてね」

「えっと、はい」


俺は、その後

図書館を出た

明日、行ってみよう

ただ、ひとつ俺の中には

司書さんが言った

気をつけてねが引っかかっていた


「……あの子、本当に大丈夫かな

八尺村って事件があって無くなった村のはず

そんな、村のことを調べるなんて

呪われちゃうんじゃ……」


その日、俺は

どんな人なのかというワクワクと

あの村のことを知ってしまうという

恐怖心でいっぱいだった


次の日、俺は朝から出かけた

自分の家から電車で、片道2時間

長い時間電車に乗っていた

その間も俺の頭は

八尺村のことでいっぱいだった

何も知らないまま聞きに行く

何を言われてもいいという覚悟で行こう

誠大と仲良くなった分

村のことを聞くのが少し怖かった


そして、目的の駅についた

駅から目的地までは遠くなかった

俺は、気分を落ち着かせるために

歩いて行った

自分が住んでいるところより

都会だった

ビルが並んでいるところがたくさん

だけど、その中にちらほら畑があったりなど

似ているところもあれば

違うところもあった

そんな、景色を見ていると

落ち着いてきた


時計を見て

そろそろ、目的地に着くはず

そう思いキョロキョロと当たりを見渡した

紙に書いてある

家の特徴は、青色の家で屋根は茶色

そんな家を探していた

司書さんのさんは、なぜ

その人の名前を書かないのか

不思議だったが

青色の家は周りにひとつしかなく

すぐに見つけることが出来た


俺は、恐る恐る近づいて

インターホンを押した

そして、玄関が開いて

出てきたのはおばあさんだった


「なんの用かね?」

「あ、えっと桑野(くわの)大学4年の澤村湊です

大学近くの図書館で司書をしている人に」

「ああ、八尺村のことについてだね」

「あ、はい」

「ここで立ち話もなんだし

はいりんしゃい」

「あ、お邪魔します」


家の中は、普通だった

八尺村に詳しい人と聞いていたから

もっとやばい人なのかと思っていたが

普通のおばあさんだった

リビングに案内され

椅子の座った

しばらくして、お茶とお菓子がでてきた


「こんなものしか出せなくてね

ごめんなさいね」

「ありがとうございます

こんなに沢山出していただいて」

「まだ、名前を言ってなかったね

私は、矢地みつるとです」

「あ、澤村湊ですよろしくお願いします」


そのあと、しばらく沈黙が続いた

このまま時間だけが流れていく

早く聞かないと


「あの、八尺村につい」

「なんで、八尺村について知りたいんだい?」

「あ、えっと」

「何かあったんじゃろ?」


な、なんだこのおばあさん

いきなり怖い雰囲気になった

ほんとに、この人大丈夫なんだろうか

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