表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
八尺村  作者: 榊みつば
10/17

10日目 霊感

全く寝れなかった

もう朝だ

朝だということはわかるのに

何時か分からない

昨日の出来事が脳裏に焼き付いている

はぁ……体にも焦げた匂いがついて


「いてっ!」


左腕を触った瞬間

痛みが走った

見てみると

腕には、火傷のようなあとがあった

いつできたのかはわかる

きっと、儀式の時だ

だが、その時は熱くなかったのに


「湊?大丈夫?」


俺の声を聞いたのか

誠大が出てきた


「なぁ、火傷の薬とかあるか?」

「やけど?いつしたの」

「多分、昨日の儀式の時」

「どこ?」

「ここ」


誠大は、俺の腕を見る

突然握る力が強くなった

そして、顔を上げて

少し怖い顔して


「これ、儀式でできたって言った?」

と言った

俺は、何も言えなかった

いつできたのか正直分からない

だけど、儀式しかないと思った

それ以外この村で火に近づいたことはない


「湊、これは消えない」

「え……」


突然言われたことに

戸惑っている

それでも、誠大は続ける


「あの時は、バタバタしていて

気づかなかったみたい

火が飛んできたみたいだね」

「あの火だるまの?」

「そう」

「……」

「……こんなことになるんだったら

無理やりにでも断ればよかった」

「消えない以外の害はあるの?」

「多分、ない」

「なら、大丈夫」

「でも」

「ほんとに、大丈夫」


誠大を困らせるのは嫌だ

それに、何より

この火傷が原因で

また、面倒なことに巻き込まれたくない

あとが残るは嫌だけど

また、狙われるなら

残ってた方がマシだ


あと4日後になれば

ここから出れる

ここからでたら……

出たら……どうやって出るんだ

車がない

てか、そもそも

なぜ、俺はこの村や村人たちが見えているんだ

ここにこんな村があったら

話題になっていたりしないのか

俺が知らなかっただけ?

まぁ、森の奥にある村

だからっていうのもあるのか

……いや、ここの人達はきっと亡くなっている

よく考えれば

俺は、今までずっと

幽霊と話して

共に過ごしてきた

ということになる

これは、はっきりさせときたい


「誠大、なんで俺はこの村が見えてるんだ?

どうして、誠大たちに触れるんだ」

「湊は、霊感があるんだよ」

「俺、見えたことないぞ」

「多分、弱いからだと思う」

「じゃあ、なんで今見えて」

「この村は、儀式が近くなると

独自の呪い道具やらなんやらを使い出す

そうすると、霊力が高まるみたい」


なるほど、それで見えたのか

今まで生きてきて

初めて知った俺に霊感があったことを

なんか、弱くてよかったわ

強かったらこんなものが

毎日見えていたってことだろ

無理だわ、生きていけない


「湊は、いつ気づいたの?」

「え、何を?」

「俺たちが生きていないってこと」

「いや、まぁ3日目ぐらいから徐々に」

「……そうだよね」


3日目の集会の時に

村人たちを見た

あの時からここは普通じゃないって思った

見た目、言葉全てが異常だった


「誠大も死んでるってことか?」

「うん」

「認識はしてるんだ」

「だって、この村雰囲気違うでしょ」

「まぁ、そうだな」

「でも、初めてだよ」

「なにがだ?」

「俺たちのことを見て

逃げ出さなかったの」

「いや、あれは動けなかっただけ」

「あはは、知ってる」


……これで確定した

村人たちは全員死んでいることが

誠大は、認識していたが

老人たちはしているのだろうか

していなさそうに見えるが


この村ではこれが普通の光景

俺にとっては異常な光景

同じ人間でも

時代や場所、であった人たちによって

こんなにも違うのか


「湊、湊?湊!」

「うおっ、なんだ?」

「ここから出るよ」

「え?今は、まだ出れないんじゃ」

「家から出るよ」

「なんで」

「もう無理だ、これ以上は

この家ごと燃やされるかもしれない」


ここ村の出口があくまで

あと4日あるのに

俺は、危機的状況にいた

何が起こっているのか

俺はよくわかっていないが

この家ごと燃やされる

その言葉がずっと頭の中で回っていた


「とにかく行くよ」

「お、おう」


ひたすら誠大に走ってついて行った

走っている間も訳が分からなかった

俺は、誠大に声をかけた


「なんで、急に飛び出したんだよ」

「見たんだ」

「見た?」

「火のついた棒を持って家の方に

走って来てる人を

そろそろ、怒らせちゃったかな」


そういう誠大は、前をずっと見ていた

それでも、俺には誠大の顔が想像できた

俺なんかより誠大の方が何倍も年上みたいだ

そう思った


そして、村の奥の方に行くと

そこにぽつんと

ひとつの小屋が立っていた

誠大は、その中にな入っていった

俺も小屋に入った


小屋は、小さすぎず大きすぎず

少人数で過ごすのには

ちょうどいい広さだった

中は薄暗く

ライトはあるが

少し明るくなるだけだ

綺麗ではあった


「今日からここで過ごして」

「ここでか」

「そして、外にはできるだけ出ないで」

「おう」


誠大がガタガタと何かをしていた

おしいれの中から布団を出した


「これ布団ね」

「なぁ、ここはなんの小屋なんだ?」


俺がそう聞くと

誠大は、寝具を出しながら

話し始めた


「ここは、元々神様を祀っていた小屋なんだ

この村では、双子は珍しいと言われている

だから、双子が生まれて5歳になる日に

この小屋で寝泊まりする

そうすれば、幸せになれるって

そして、最後は神様のところに行ける」


俺は、何故かその話を

どこかで聞いたことがあった

……そうだ、掟だ

そして、昨日の儀式

似てる気がする


「誠大、その話昨日やった儀式と話が似てる」

「あ、気づいた?

元々、掟は無かったんだけどね

そういう話しはあったんだ」

「神様の元に行けるっていう?」

「そう、この場所は村の中で

神聖な場所だったから」

「それが、八尺様の事件で変わった」

「そういうこと」

「……悲しいな」

「うん」


俺は、この時

ここからでたら

絶対にこの村について

全部調べよう

そう思っていた

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ