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八尺村  作者: 榊みつば
1/17

1日目八尺村

プロローグ

これは、ある田舎で暮らす

1人の男性村澤湊に起こった恐ろしく不思議な話


その日、湊は友達とドライブに行った帰りだった

自分の車で運転していた湊は

少し、物足りなくなり

1人でドライブをしながら帰ることにした

いつもと同じ道だと面白くないと思い

行ったことのない道へ車を走らせた

時間は、深夜

季節は、冬

街灯のない見通しの悪い道を

音楽を聴きながら進む


ふと、気がついた時には

道に迷っていた

帰り道が分からない

森の中に入っていた

最悪だと思っている湊の横に

腐りかけた木でできた看板に

こう書かれていた


八尺村


「なんだ、この村?初めて聞いたな

まぁ、いいや早く戻って帰るか」


その時、湊はまだ知らなかった

この先、八尺村に迷い込むことを

俺は、ひとりでドライブをしていたら

変なとこに迷い込んだ

森の中ということと八尺村(やしゃくむら)があることがわかる

それ以外の情報はない


「最悪、ここどこ?」


そう、ひとりで呟いてると

前に人がいるのに気づいた

もしかしたら、村の人かもしれない

帰り道を教えて貰えるかも

そう思い声をかけようとした

けど、ふと頭に浮かんだ言葉


「八尺村ってなんだ?」


ここは、田舎だから

村が沢山あってもほとんど知ってる

この付近の地図にも書かれている

だけど、八尺村なんて初めてみた

地図にないのか?

もっと、範囲の大きい地図に

ないのはわかるけど

この辺の案内図にないのは意味がわからん

観光客のために作られた案内図

作った人は几帳面な人だから

絶対、書き忘れはない

じゃあ、新しくできた村?

そんな、情報もない

新しくできたなら

大学でも話題になっている


そんなことを考えながら

何気なく前を見ると

さっきまで、そこにいた人が居なくなっている

もしかして、見間違い?

その可能性はある

正確に見えた訳では無い

人影が見えただけだ

この時、俺は、現実逃避をしたかった

見間違いだと

なのに、それが出来ない

なんで?どうして?

なんで、前にいたやつが後ろにいる?

バックミラーから見える姿が同じだ


それに、増えている

前にいる

横にもいる

どうすんだよこれ

ぐるぐる回ってる

ほんとに、最悪だ

これだから、田舎は嫌いだ

不便な上に

よく分からない人がいる


ドンドンドンドン!


う、嘘だろ

叩いてきている

しかも、窓を

やばい、このままだと壊れるんじゃ


バリンッ!


え?今、ダメな音が聞こえた


ドンッ!

「ひぃ!」


思わず声が出た

横の窓にベッタリついている

人の顔……でも、色がおかしい

化粧なのか分からない

あぁ、どうすんだよ

車壊れるぞ

そうだ、走ればいいんだ

エンジンかけて

よし、後ろに後ろに行くぞ

引いたった大丈夫だろ

あいつら死んでるかもしれねぇし


俺は、勢いよくアクセルを踏み

後ろへバックした

そして、ゴンッという音と鈍い音が聞こえた

あぁ、俺は、引いたんだ

人じゃなかったとしても

生々しいのは嫌だな

とにかく、あいつらはいなくなったみたいだ

このまま、走って……

あ、嘘

後ろにいる

車の後ろじゃない

これは、後部座席にいる

く、来るな、来るな

怖い!怖い!怖い!怖い!


あ、もう、無理だ……

何も考えられない

息が出来ない

意識が……


「い!お!お、い」


誰かの…声が聞こえる

俺は、死んだのだろうか


「おい!大丈夫か?生きてるか?

返事がないけど、息はしているのか

よし、叩いてみるか」


バシン!


「いった!」

「お、起きた!大丈夫?」

「大丈夫だけど、起こすとき本気で

ビンタするやついる?」

「ここに」

「お前、どんな家で育ったんだよ」


それにしても、ここはどこだ?

車の中にいたはずじゃ

家の中にいるのか

こいつが連れてきたのか

気味悪いなここ

見た目がボロすぎる


「ここがどこか気になる?」

「まぁ、そりゃあ」

「ここは、八尺村の中」


は?嘘だろ

俺、あの村に入ったのか?

そうだ、出れる方法を聞いてみるか

なにか知ってそうだしな


「なぁ、出る方法はねぇのか?」

「今は、まだ出れないよ」

「嘘だろ」

「でも、安心して2週間後出れるから」

「2週間ってそんな長い時間ここにいるのかよ」

「嫌なら、出てもいいけど

君の車壊れちゃってるよ」

「は?」


俺は、理解が出来なかった

こいつがしれっと言ったのもあるし

昨日まで壊れてなかったぞ

自然に壊れるのはおかしい

いくら、山の奥だとはいえ

しかも、こいつの言い方からして

動かねぇことは分かる

だからこそ、おかしい


「この村の人達が壊しちゃったんだよ」


そう、聞こえた瞬間

俺は、本能的にここはやばいと思った

ここの奴らは、狂ってる

どうして、あの時気づかなかったんだ

おかしかっただろ最初から

なんで、襲ってきた?

なんで、瞬間移動みたいなのができた?

なぜ、ドアを開けずに車の中に入れた?

それじゃあ、こいつはなんだ?

こいつも、村の住人なのか?

俺は、どうなるんだ?


「……俺も、ここの住人だよ」

「何をするつもりだ?」

「俺は、君を助けたい」

「助けたいって車ないし無理だろ」

「俺には、助けることが出来る」

「ほんとか?」

「本当だ、だけど」

「だけど?」

「絶対に成功しなければ君は死ぬ」

「え?死ぬってどういうことだよ」

「この村では、年に一回儀式が行われる

その儀式の生贄に選ばれたんだよ君は 」


な、なんだよそれ

意味がわかんねぇよ

儀式ってなんだよ

生贄って?

俺、死ぬのか

こんなところで、死にたくない

俺は、怖くなり

助けてくれた少年に

しがみついた


「頼む!死にたくないんだ

いつでもいい、どんな方法でもいい

生きて帰れるなら」

「わかった」

「本当か!」

「あぁ」

「ありがとう」

「それじゃあ、これからこの村に

ついて話すよ」


俺は、この少年と手を組んだ

だが、この村から出れるのは2週間後

この日から、俺の長い2週間が始まった


村について話す前に互いに自己紹介をした

少年の名前は、誠大(せいた)と言うらしい

年齢は、分からなかった

見た目は高校生ぽいが

不思議なことに

誠大は、何も知らなかった

今の日本の状況

流行り、テレビも全て

田舎の中にある小さな村だと

情報が流れてこないのだろうと

俺は、思っていた


だが、話していくうちに

昔の流行りや音楽については詳しかった

誠大はきっと、昔が好きなのだろう

俺は、ちんぷんかんぷんだったし

誠大の服装が昭和の服装みたいで気になっていたが

まぁ、今は聞かないでおこう

そう考えながら

ふと誠大の顔を見ると

楽しそうに話している

こんなに、笑って話すやつは

あまり見た事がない

目がキラキラと輝いているように見える

そんな、誠大の姿を見ていると

不思議とこっちまで楽しくなってくる


そして、こいつはすごくポジティブだ

全部を明るく

いい方向に考える

少し、羨ましい気がする

俺にはない考え方だから


俺は、だんだんと

誠大と一緒なら

この村から脱出できる気がしてきた


この時の俺は、そう思っていたが

これから、起こる出来事は

俺の予想を超えることだった


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