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第20話 拒絶は突然に

 ◇11月15日


 あれから3週間ほどが経過した。


 この間に修学旅行も終え、そろそろ秋も終わりに近づいていた。


 あれから俺は毎週2日程度、勅使河原先輩の家に通っていた。


 どうやらお姉さんは大学の必要単位を3年の現時点でほとんど取得しており、時間が余っているということもあり、家に行くとついでに話すようになっていた。


「はい、コーヒー。今日はねーブルーマウンテンだよ」


「...ありがとうございます。けど、コーヒーは好きですけど、あんまり味の違いまではよく分からなくて...味音痴なんですよね」


「そうなの?へぇ。ちょっと意外かも。コーヒーが好きな人ってなんかこだわりとか強そうだなーって思ってたんだけどね」


「少なくても自分はそうじゃないですね」と、そんなやり取りをする。


「それで...?あの二人の女の子のどっちが国見君の彼女なの?」と、聞かれコーヒーを吹き出しそうになる。



挿絵(By みてみん)


「ごっほ!!」


「ちょっと大丈夫!?もしかして...二人とも彼女だったり...?最近ではそういうアニメもあるくらいだし...若者の恋愛観が変化してたりするのかな?」


「...どっちもNoです...。二人とも俺の彼女ではないです。ていうか、若者って...聖奈さんだって若者ですよね」


「いやねー。4歳も違えば結構違うものよ?ほら...最近はもう足腰が弱ってね...」


「そういうもんなんですかね」


 そうして、二人とも飲み物を一口飲む。


「じゃあ、国見君は今フリーなんだ」と、話を戻される。


「...そうですね。年がら年中フリーですね」


「ふーん。そっかそっか。詩のことはどう思ってるの?」


「どう...といいますと?」


「いや、あの子かわいいじゃん?それにこうして毎週会いに来てくれるし...。もしかして特別な感情があるのかなと」


「...特別な感情...はあると思います。恋愛とかそういうのではないですが。てっしーさんには去年、生徒会で結構面倒を見てもらっていたので、そういうことでの感謝とかはありますね」


「偉く行儀のいい感情ね。国見君は年の割にしっかりしているというか、身持ちが固いというか...ぶっちゃけるとおっさんみたい?」


「...」


「うそうそwおっさんは違うかもwうーん...そう!親戚のおじさんみたいな?」


「...それおっさんですよね?」


「いや違う違うwなんだろなー、優しいっていうのはあるけど、ほかの人を見守っているその感じとか...うん...面倒見がいい...というか困っている人を見捨てられないみたいな?」


「...そんな大層なものではないと思いますけど...」


「けど、国見君はあれでしょ?倒れている人がいたらほっておけないタイプでしょ?それが見知らぬ人でも。それって今の時代結構珍しいと思うよー?ほら、AEDを使おうとしたけど、相手が女性だったから助けてもらった後に女性から訴えられるのが怖いーとか考えないでしょ」


「...まぁ、そこまでは深く考えないかもですね」


「私はそういう人好きだよ?けど、闇雲に人を助けることは正義だとは思わないけどね?」


「...というと」


「例えば、その助けた人が将来大量殺人を犯す犯人!!いや、実は表には出ていないけど既に大量殺人を行っている!!なんていう可能性だってあるでしょ?だとしたら、見ず知らずの大量殺人犯を助けた国見君は本当に正しいことをしたといえるのかな?」


「...それは...そうですね」


「別に責めているわけじゃないよ?けど、救う正義があれば救わない正義だってある。この後、世の中でうまく立ち回るためにはその使い方をちゃんと学ばないとって話...。はい、本日の講義は終了。ちなみに本日の講義は【正義と偽善】でした。なんつって」と、可愛く舌を出しながらそんなことをいう。


「...ためになります」


「そうかいそうかい。それはよかった。んじゃ、今日も妹に話しかけてあげて?」


「はい」


 そうして、階段をあがり、いつも通り部屋の前で話を始める。


 テレビで見た突っ込みどころ満載の心霊番組についてとか、田中先生が実はズラだった話とか、最近はまっている辛い食べ物について...とか。


 特に話題のジャンルなどは決めることもなく、一人喋りを続ける。


 そうして、30分程度話したところで立ち上がり、そのまま帰ろうとすると、小さな声が聞こえた。


 思わず心臓が止まりそうになるほど驚いて、もう一度耳を傾ける。


 すると、てっしーさんは俺にこう言った。


「もう...来ないで」

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