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こんなに安心して眠りにつけたのはいつぶりだろう。
このまま夢の世界に落ちてしまえばもう二度と明日を迎えられないかもしれないのに、気分はどこまでも穏やかだった。
うん。私はそれでも良いと思ってるんだ。ここを人生の終着点にしてしまっても良いと本気で考えてるんだ。
自分の思慮の浅さからあんな目に遭って、男の人に対する恐怖をこれでもかと刻みつけられたのに、お兄さんに対して凄く心を許してしまってる。
そんな自分の浅ましさに嫌気が差しつつも、やっぱり居心地の良さを感じている。
夢と現実の狭間で、私の感情はどこまでも澄んでいた。