第20話 絶望、そして……。
すみません、前の第19話は手違いにより未完成のものを投稿してしまいました。現在(2024年05月04日 08時00分時点)では完成したものとなっておりますので、申し訳ありませんがそれ以前を読まれた方はもう一度読み直しをお願いいたします。
目が覚めた。
どうやら俺は眠っていたらしい。
ああ、なんとも酷い夢を見た。あれは悪夢に違いない。
そんな夢の話をマイダスとしようと左隣を見る。そして反対へと振り返る。
違和感を感じ周囲を見回すが全くマイダスの姿が無い。
どうしたんだ? ひとりどこかに連れ出されたのか。
否、違う!
そして俺は思い出す。あれは夢なんかじゃなかったと。
「う……うぅ……、げろげろげろ~~」
全てが現実と認めた俺は激しい胸の噦つきに俺は胃の中の全てを吐き出した。
しかしそれでも胃の噦つきは治まらない。寧ろ一層に激しさを増し、今にも体内の五臓六腑まで吐き出しそうだ。
だが思う。これはきっと天罰だ。
俺が軽勢みにあんなことを、余計な口を滑らせてしまったが故にマイダスとその家族を…。
「うおおおおおお~~っ!
なぜだっ! なぜマイダスなんだよ!
なぜ俺じゃなくってマイダスとその家族なんだっ! そんなの絶対に怪訝しいだろ!」
なんなんだよ、このふざけた世の中は。神も仏もないってのかよ。
こんな……、こんな不条理な世界なら、まだ前世の方がまだマシだ。
なんであいつは俺をこんな世界に転生なんてさせたんだ…。
ここは地獄だ。ここには何の救いもねえ…。
ぐぅ~~っ。
は…、ははは……。腹の虫が鳴いてら…。
こんな状況でも腹は減るんだな。我ながらこの身が恨めしい…。
もう、いっそこのまま死んでしまいたい。
ああ、それもいいかもな。
マイダスの仇は討ってやりたいけど、俺も家族を人質に取られていてそれも叶わない。
ならばせめてもの意地だ、このままやつらのいいようにされるくらいならいっそのこと死んでやる。そしてやつらを呪い殺してやろう。
そう決めた俺は力の限りに頭を地面へと打ちつけた。
頭蓋の割れる音がする。そして意識が薄れていく。
ごめん、父さん、母さん、兄さん。約束を破ることになってしまって。
でも、これで今の家族に、義父さんや義母さん、義弟や義妹達に迷惑を掛けずにすむんだ。だから……許……して……。




