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8話

 ハッと目を覚ますとそこは草木が生い茂っていた。一体どのくらい気を失っていたのだろうか。リリーは立ち上がる。ここはどこなのだろうか。他のみんなはどこにいるのだろうか。


「テオ! フレイ、リア!! どこにいるの!! 」


 叫んでみても返事はない。とりあえずスキルを使い索敵してみる。


 索敵すると、微かに皆の反応と、強い魔族の反応が出た。皆の生存も大事だが、今は魔族を倒さなければならない。魔族の方へ歩く。体があちこち怪我している。最早治療できる分の魔力はもう残っていない。暫く歩いていると魔族が優雅に座っていた。


「やっと来たか。もう死んだのかと思ったわ」


「貴女を倒すまで死ねないわよ。てことで早く死ねよくそばばあ」


「なんですって」


 魔族が手を広げ、リリーに向かって矢を放つ。リリーはサッとかわし、剣を構える。もう魔力は残っていない。リリーは走り、魔族に切り掛る。しかし難なくかわされる。しかし、そんなことは計算の中だ。リリーは微かに残っている魔力で威力を放つ。魔族の腹に打たれた魔力破はものすごい威力があり、遠くまで吹っ飛ぶ。リリーは勢いよく魔族のもとへ行き、切りかかる。今度は正確にあたる。魔族が血を吐く。


 さらにもう一打撃を加える。魔族がふらついた足取りでやっとの思いで立ち上がる。リリーも伊達にスキル最強なわけじゃない。


 多分、最後に思いきり打撃を加えれば消滅するはずだ。リリーは剣を強化し、調毒のスキルを使って剣に毒を含ませる。そして、一拍呼吸をすると一気に魔族に斬りかかった。剣をもろに受けた魔族はちを吐きながらゆっくり消滅して言った。最後に「魔王は最強だ」と、呟きながら。


 リリーはその場に座る。流石に疲れた。あちこち痛いし骨も折れている。しかし、皆やアルノア城の人たちを探さなければいけない。とりあえずリリーは伝達スキルを使い、魔族を倒したこと、みんなが行方不明でこれから探すことを王様に伝えた。


 少し休憩した後、リリーは立ち上がった。皆を探さなければならない。まずは数十分で着く、アルノア城の方へ向かおう。



 ✿.•¨•.¸¸.•¨•.¸¸❀✿❀.•¨•.¸¸.•¨•.✿



 リリーはアルノア城へ向かうとそこにはフレイとフレイの周りには沢山の人がいた。リリーは急いでフレイの元へ駆け寄る。


「フレイ! 無事だったのね!」


「リリー様!! 元気そうでなにより〜」


 リリーはフレイにあの後どうしていたのか話を聞いた。フレイによると、地下牢まで行くとアルノア城に住む人々がそこで牢屋に入れられていたが、フレイは鍵を壊して助けたそうだ。そして全員助けたか確認したら次の瞬間爆発が起こり、辺りは何も無くなり、アルノア城の人達以外誰もいなくなっていたそうだ。


 フレイはとりあえず皆に治療をし、治療を終えると辺りを探して見たが誰もいなかった。一旦皆の方へ戻り、どうしようか悩んでいたところリリーが戻ってきたそうだ。


 まぁ何がともあれ無事ならばよかった。リリーは立ち上がり、辺りを見回す。やはり、テオとリアらしき存在はどこにも見当たらない。探しに行かなければならない。


「あのぉ〜、リリー様。この度は私たちを助けて下さり、ありがとうございました。この城の執事長であるローマンドが一族を代表し、心よりお詫び申し上げます」


「あなた達が無事なら良かったわ。それより、この城の主に、挨拶したいのだけれど」


「アルノア城の主である、ルミネエスト・アーガス様は魔族によって殺されました……」


「魔族に……助けに来るのが遅くてごめんなさい。私達がもっと早く来れたら……」


「いいえ、リリー様方勇者一行が魔王退治するとなった頃には既に殺されていたのです。どうか落ち込まないでくださいませ」


 どうやらリリー達が魔王退治すると決まる前には魔族の餌になっていたらしい。これも全て魔王のせいだ。ルミネエスト・アーガス様のためにも、これから頑張らなければならない。


 まずはテオとリアを探そう。


 2人はローマンドにお礼をし、旅に出ることにした。一応、リリーのスキルで索敵したが、ある程度の方向、生命反応しか出なかった。生きていることしか、分からない。しかし、生きているだけまだ救いだ。2人はまず近くに生命反応があるリアの方向へと向かった。

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