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6話

遅くなり申し訳ありません。

 痛い。体がギシギシとなっているような感じがする。また熱が上がってきたようだ。


「リリー、大丈夫か」


「うぅ……体が痛い。でもそれ以外は一応平気……」


 リリーはテオに稽古をつけてもらったが体調不良もあり、また寝込んでしまったのだ。熱は39℃と高く、関節痛、筋肉痛もありかなり苦しいようだ。本調子になるにはまだ時間がかかりそうだ。


「リリー様? 入ってもよろしいですか?」


 ドアがノックされ、フレイの声が聞こえる。入ってと声をかけるとフレイがお粥を持ってきてくれたようだ。少しおなかが空いていたのでありがたい。


「リリー様に梅粥を作りました」


「フレイ……ありがとう」


「フレイ、悪いな。あとは俺が面倒見るよ」


 フレイはニコリと笑うと部屋を出ていった。ベッドから起き上がるとテオがお粥をもってフーフーしていた。良くない想像をする。まさかそんなことは無いだろう。食べやすいようにしてくれているだけだろう。


「テオありがとう」


 リリーはお礼を言いお粥を受け取ろうとした。だが、テオは不思議だと言うような顔をして渡してくれない。リリーも戸惑う。


「俺が食べさせるよ。まだ本調子じゃないだろ?」


「え、いや、大丈夫よ?! 自分で食べれるわ!」


「いや、いいよ。ほら口を開けろ」


 何を言ってもテオは譲る気ないらしい。仕方ないので口を開けることにした。羞恥心が勝つ。なにしてんのバカ王子とか心底考えながらフレイが作ってくれたお粥を味わう。


 美味しい。いい感じに火が通っており、梅の酸味が程よくて美味しい。フレイはどん臭そうに見えるが、食べることが好きなだけあって意外と料理が得意なようだ。


「テオ、テオ! お粥、すごく美味しいわ! テオも食べてみて」


「え、あ、俺はいいよ」


「食べて欲しいの!!」


 テオはリリーの勢いに根負けしてお粥に口をつける。まさか美味しいのは分かるけどもこれって間接キスなるんじゃないのか? などと考えていた。


 お粥を1口食べて見ると本当にとても美味しかった。リリーがあれほど言うのもわかる。フレイが料理好きなのが分かる。


 お粥を完食してテオはフレイとのこへ行く。食器を片付けるためだ。リビングへ行くととても美味しいそうにご飯を食べているフレイとそれを見て呆れているリアがいた。思わずテオは笑ってしまった。


「フレイ、お粥ありがとう。ご馳走様」


「テオ様! いえいえ〜2人とも美味しそうに食べれたなら何よりですぅ」


 ニコニコしながらフレイが言う。しかしなぜフレイはテオもお粥を食べたことを知っているのだろうか。


「私、少しだけ心が読めるんです。基本は読まないようにしてますけど!」


「そうなのか」


 フレイはエルフの王族の出自だ。きっとそれもエルフの能力か王族特有の能力なのだろう。基本は読まないということはきっとみんなの事を気使ってあるのだろう。


 次の日。リリーは熱もさめ、体調も良くなっていた。今日こそ体力を、つけなければならない。今日は筋トレ日だ。


 トレーニングはまず家の周り5週、終わったら少し休憩して腕立て腹筋を50回3セット、背筋100回2セットをする。その後は剣術と弓を特化させる。終わったら魔法を極めて今日は終わりだ。とりあえず動きやすい服装をして運動に取り掛かる。




 ✿.•¨•.¸¸.•¨•.¸¸❀✿❀.•¨•.¸¸.•¨•.✿




 剣術はテオに、弓はリアに稽古をつけてもらった。流石2人とも。今日は一日中稽古やらなんやらして疲れた。家に入るとフレイが食事を作ってくれていた。ミートパスタに卵のスープ、サラダ。美味しそうだ。4人でお祈りをし食事をとる。



 食事を食べ終わり自室へ戻る。明後日にはアルノア城へ行く。これ以上筋トレとかしたら筋肉を痛めるため明日は軽く筋トレしてゆっくり休む。いよいよアルノア城にいる人たちを助けれると思うと嬉しい半面恐ろしい魔族もいると思うと怖い。今回の戦いは重症を負うどころか死ぬかもしれない。そう思うと少しというかかなり怖い。もし死んじゃったらどうしよう。世界を救うどころか家に帰れないかもしれない。


 大丈夫。テオもフレイもリアもいる。みんな強い頼もしいリリーの味方だ。ここで負けてなんか居られない。魔王城まで辿り着けない。


 今日はもう寝よう。考えても仕方あるまい。


 リリーは欠伸をして目を閉じる。そして気がついたら眠りについていた。

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