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4話

 アルノア城に向かわなければならない。もしかしたらアルノア城にいる人たちはもう手をくれなのかもしれない。魔族の手に堕ちてしまってるのかもしれない。不安に不安が重なる。リリーの不安が伝わっているのか、フレイもリアも表情が硬い。テオは……何を考えているのか分からない。


「きっと大丈夫。早く行こう!」


 テオはこの空気を感じ取ったのか皆を鼓舞してくれた。少し勇気が出た。テオが大丈夫と言うなら大丈夫だ。今は急いで向かうことだけ考えよう。


 道中、魔物にであった。しかし、何も力も持たない魔物で、特に害は無さそうだ。一見可愛い猫の姿。だが魔物の全滅を目指すリリーたちにとってこの子は倒さねばならない存在。せめてもの慈悲でリリーが眠れるように死ぬ魔法をかけた。魔物は少しずつ目を閉じていきやがて眠るように死んでいき、消滅していった。少し胸が痛むが、気にしてはいけない。このまま道へ突き進む。


 やがてあたりは真っ暗になっていた。もう夜の11時だ。リリー達ががむしゃらに進んだおかげで少し早く到着出来そうだ。とりあえず今日はテントを張り、休むことにした。いつもの如く、水際で。


 今日はなんだが不気味だ。ずっと嫌な予感がする。少し怖い。リリーは体をカタカタと震わせる。そんな姿を見たテオが声をかける。


「リリー、どうかしたか?」


「いえ、少し不安が拭いきれないというか、怖いというか……」


「リリー様!! そしたら今日は皆で寝ませんか!」


 不安そうなリリーの声に元気な声で返すフレイ。皆少し驚いたが、リリーの尋常ではない表情からそうしようとうなづいた。


「そしたら僕大きめなテント貼りますね」


「俺も手伝う」


 リリーはありがとうと一言言い、暖かい紅茶を飲む。そして誰にも聞こえないように呟いた。(このクソ大魔王のせいで私達がこんな目にあうなんて……。)


 多分誰にも聞こえてはいないはずだ。聞こえていたとしても最早誰も驚かない。リリーの口が悪いのは皆知っているからだ。


 ご飯も食べ終わり、一段落した後フレイとリアは先寝ると言いテントの中へ潜っていた。リリーはと言うと、まだ不安が拭いきれず目が覚めていてなかなか寝付けなかった。


「まだ怖いか」


「うん……なんだが良くないことが起こりそうで眠くても怖くて寝れないの」


「大丈夫だ。俺が着いている。あ、いや、俺がじゃなくて俺たち、がだ。」


「ふふっ。えぇ、知ってる。ありがとう、テオ」


 リリーが笑いながらお礼を言うとフッと笑ってリリーの頭を撫でた。テオの方を見ようとすると頭をグイッとやられ見るなと言われた。きっと照れ隠しなのだろう。


 意外だった。テオの見た目はかなりイケメンの部類で、冷たそうな雰囲気をしている。噂によるとそのキツそうな見た目に反してわざわざ明るい性格を振舞っているのだとか。でもそれが逆に顔と性格がちぐはぐだと言われ陰口を言われ続けた。実際にはそんなことなく、喋りやすかった。他の人達は何をどう思って陰口を叩いているのだろうか。意味が分からない。


「そろそろ寝ようか。もう遅い時間だ」


「そうだね。ありがとう、テオ」



 ✿.•¨•.¸¸.•¨•.¸¸❀✿❀.•¨•.¸¸.•¨•.✿




 皆で寝るテントの中に入り、目をつぶる。でも眠くならない。今寝なきゃ次の日が大変だから何がなんでも寝たい。リリーは思わずため息を着く。


 ふと横を向くとスースーと寝息を立てているテオがいた。やっぱり疲れてるのだろうか。なんだかテオの顔を見ると安心してきた。リリーは目をつぶる。やっと寝れそうだ。ウトウトしてきた。なんだかいい夢が見れそうだ。





 のしのしと重い足音がする。獣のようだ。リリーは危険察知のスキルのおかげで気がついた。せっかくいい夢を見たがそうこういってられない。


「リリーさん……イノシシ型の魔物がテントを囲ってます」


 やはりリアも気づいていたようだ。そりゃ危険察知SSSの持ち主だ。でもテントには結界を張っておいた。なぜここがバレたのだろうか。もしかしてあとをつけられていた?


 兎も角暫くは攻撃できないだろう。結界は強力だ。だがこの状況をどう脱しようか。リリーのスキルでどうにか出来ないか。確か威圧がある。だがこの数の魔物に対抗できるのか。しかもテントも片付けないといけない。どうするべきか。


「威圧と催眠って同時に使えますか?」


「……多分行けるわ」


「そしたらリリーさんのスキルを使い、魔物を怯ませたあと一気に皆で攻撃しましょう」


「了解」


 とりあえずテオとフレイを起こす。状況を説明し、この作戦を伝える。2人はこの話を聞いた瞬間一気に戦闘態勢に入った。大丈夫、上手くいくはずだ。リリーは深呼吸をする。そしてこえにだしていう。


「スキル解放 威圧 催眠」


 瞬間、リリーからただならぬ威圧感が来た。多分敵だけに放っているのだが、ここまで伝わる威圧感。リリーの魔力が、スキルが最強なのが分かる。


 敵が怯んでるうちに攻撃を仕掛ける。フレイは攻撃、防御付与、テオは剣で切りつけに行く。リアは弓をかまえて放つ。


 行ける。


 戦闘態勢開始だ!

第4話です。今回のお話はどうでしたか? まだ内容は見えておりませんが。ここから本格的な戦闘シーンですね。さてどうなるのでしょうか。次のお話もお楽しみに。

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