2話
第2話です。
荷物も装備も全て準備した。準備万端だ。ちらりと横に目をやる。そこには第3王子と獣人、エルフがいた。とりあえず自己紹介をしようか。知らないままじゃ一緒に旅は始められない。
「えーと、とりあえず自己紹介をしましょうか。私はリリアンナ・エミリア・シャーロット。リリーとお呼びください」
「俺はテオドール・ヘンリー・クライブリトだ。テオと呼んでくれ」
「僕はリアム・イーサンです。見た目は小さいけど一応力はあるので頼ってください!」
「あ、わ、私はフレイヤ・エイブリーです……よろしくお願いします。フレイと呼んでください……」
王子の名はテオドール、獣人の子がリアム、エルフの子がフレイヤと名乗った。今日からどのくらいか分からないが、この4人で旅をするのか。初めての遠出が魔物退治? 公爵令嬢で? そんなの聞いたことない。けど仕方ないリリーはこの王国トップクラス、いや最強と言っても過言ではないくらいのスキルなのだから。
ここまで来たらやるしかない。もう戻れないとこまで来た。まぁ戻っても王様に背いた罰で反逆罪? になりそうだが。
「それでは行きましょうか、魔物退治に!」
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ああやって意気込んだものの、どこへ行けば良いのだろうか。地図は一応手元にあるが、見方がいまいちよくわかっていない。何せ、公爵令嬢の振る舞いや、知識、話し方などは覚えたが冒険に関しての知識は一切ない。
リリーは1度立ち止まり、地図を広げた。やはり、よく分からない。どこへ行けば魔王城へ着くのだ? よくこんな地図でみんな分かるな。困っていると、リアムが声をかけてくれた。
「リリーさん、僕で良ければ見ますよ。僕一応地図のスキル持ちなので」
「あ、ありがとう、リアム」
「いえいえ。リアでいいですよ他のみんなも」
リアムもとい、リアはそう言ってニコリと笑い地図を見ながらスキルを使ってリリー達を導いてくれた。だがしかし、魔王城への道は長い。気がついたら辺りは暗くなっていた。もう夕方になっているのだ。出発したのが午後2時過ぎというものもあり、懐中時計をみると夕方の6時くらいになっていた。近くに川があったのでそこにテントを張り、今日はもう休むことにした。
とりあえず食べれる魚、木の実などを採りに行かなきゃいけないが、誰が見張りをすることになるのか。そういえば皆のスキルを知らない。この際に聞いてみるのもありなのかもしれない。
「そういえば、皆どのスキルを持っているの?」
「俺は剣SSS、建築S、暗視、錬金A」
「僕は、危険察知SSS、弓SS、魔法C、地図です」
「私は採取、攻撃付与、防御付与、治療SSSです」
テオは攻撃特化、職人系のスキルで、リアムが意外と幅広く攻撃、見張りなどが得意そう。あと地図の見方。フレイヤはどちらかと言うと付与系、あとヒーターという感じか。
「リリー様はどんなスキルを持っているのですか?」
フレイが首を傾げる。皆言っているのにリリーだけが言わないわけが行かない。こんなに女の子らしくないスキルしかなないが、言わなきゃ行けないか。
「ええと、私のスキルは、S、剣A、魔法SSS、危険察知A、拡大収納B、治療A、無詠唱、強化、格闘、威圧、催眠、調合、調毒、採取、テイムSSS、隠蔽かな……」
「「「ええぇ!?」」」
そりゃあ驚くはずだ。リリー程のスキルを持った人なんてひと握り、いやもう存在しないかもしれない。過去の勇者の話では少し聞いたことあるがきっと今はもう存在しないだろう。
「リリー様のスキルの量多いですね……」
「えぇ、そう。私でもそう思うわ。……本当になんなのクソ教会め……」
リリーは実は口が悪い。この如何にも公爵令嬢の割に、見た目もお淑やかで美しい割に。この秘密は彼女付きのメイドしか知らない事実だが。
リリーがボソッと教会の悪口を言うと、一斉に笑いが起きた。そりゃあそうだ。こんな可愛らしい公爵令嬢が悪口を言うと思わないだろう。
「リリーさんって意外と口が悪いんですね」
「あ、ええと……テオドール様がいるとこで失礼な発言を、」
「テオでいいよ。本当に意外な一面だな」
「なんかリリー様に親近感湧いちゃいました〜」
かなり言いすぎた発言だが、思ったよりも皆にウケたみたいだ。何がどうあれ良かった。
とりあえず今日の見張りはリリー、フレイとなった。テオとリアは魚や、山菜、木の実などを採りに行ってくれた。一応テントには4人にしか分からないように隠蔽を施しとこう。
テオとリアが戻ってきて、魚を焼いたり駄弁ったりと色々楽しい一時だった。きっと明日から魔物がわんさか湧いてくるだろう。リリー達が目指している場所はロザット村。そこはもう人が住める場所では無くなっており、魔物が棲んでいるそうだ。ロザット村にいた住人たちは別の村に移住したそうで、被害は少なかったらしい。
そういえばそうと、先程リリーが隠蔽のスキルを使った時ある1つのスキルが開放されたそうだ。それは「伝達」。説明によると、離れた人に言葉を伝えれるそうで、どちらかが伝達の、スキルを持っていると場合によっては会話もできるそうだ。かなり便利なスキルということが分かる。これで王国に報告など色々出来る。
色々考え事してるともう11時近くになっていた。今日はもう遅い。それぞれ眠るとしよう。きっと明日になれば忙しくなるのだから。皆に挨拶をし、リリーはテントに潜り目を瞑った。いつか、平和な日が来るように願って。
こんにちは。星月夕日です。第2話どうでしたか? スキル物は僕にとって初めて書くもので拙いものですが意外と書いていて楽しく感じます。この小説のプロットを考えてる時こういうのにしたら面白いかな? でも僕には書くの難しそうこれはボツだなーとか思っていました。
ですが、なんだかんだ言って楽しい。パートナーにこの設定はどうだ、これ読みやすいかな? 等相談したりして書いてできたタイトルは【スキルが最強な公爵令嬢、何故か王子と共に旅する件について〜え、魔物退治とか本気で言ってます? 無理なんですけど〜】です。
在り来りなタイトル、展開ではありますが、これからも拙作をよろしくお願いします。