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17.5話

 これはフレイとリアの誰にも言えない秘密の話。


「フレイ! あ、あの、僕と出かけませんか?」


「お出かけ!? いいねえ一緒に行こう! 準備して来ますねー!」


 リアの言葉にフレイは喜びの反応を示した。リアはその反応を見てほっとする。実はすごく誘うか迷っていたのだ。もし断られたらどうしよう、そんなことが頭に入っていたのだ。


 実はリアはフレイのことが気になっていたのだ。しかしリアは獣人、フレイはエルフ。しかもリアは23歳で身長は低めだが体つきはがっしりしていて立派な大人。一方、フレイは見た目が14歳くらいの少女。お似合い、どころか犯罪になりそうだ。


 色々考え事をしていたらフレイが後ろからわっ! と脅かしてきた。


「フレイ! 脅かさないでください」


「えへへー。楽しみで仕方なくて」


 フレイは楽しみなんだ。そう言って笑っていた。その笑顔をみたリアは顔を真っ赤にする。さすがに可愛すぎる。


 2人は色々な店を回っていた。食べ物屋さんに、宝石屋、他にも本屋さんやらなにやら沢山あった。


「フレイ、焼き鳥屋さんがありますよ。食べませんか?」


「食べるー!」


 2人はお店から焼き鳥を買い、食べ歩きをする。


「んんん、美味しいー!!」


「本当だ。美味しい」


 2人は笑う。暫くしてフレイが、ふと立ち止まった。


「どうしたんですか?」


「このピアス、私とリアの色だ」


「ええ?」


 フレイはピアスを手に取る。そのピアスは2人の瞳の色をしていた。リアはそのピアスを手に取ると店主にいい購入した。そしてフレイに手渡す。


「フレイ、貰ってください。初めて2人で出かけた記念に」


「……そしたら片割れはリアにあげる! この丸い方! 私はちょうちょの方を貰うね。ありがとう、リア」


「いえいえ楽しかったですね」


 気がついたら辺りは薄暗く、夕方になっていた。時間があっという間に過ぎていた。2人は今日の夜ご飯を買って帰ることにした。リリーとテオの分も買うことにした。グラタン、ポテトサラダ、わかめスープ、デザートにいちごを買って帰った。


「ただいまですー!」


「リア! フレイ! おかえりー」


「2人とも、おかえり」


「ご飯買ってきたんで食べましょうか」


 買ってきたものを机に広げ、食事を始めた。お祈りをして食べ始める。


「ん、これ美味しい。私好きかも」


 リリーが大絶賛する。テオも何も言わないが、美味しそうにもぐもぐ食べてる。皆で会話しながら食べる。皆で食べ終わり、片づける。


「それじゃあ私もう寝ますねー。おやすみなさい」


 フレイがいつもより早めに部屋に上がる。皆珍しいなと思いながら挨拶してそれぞれ解散することにした。


「はぁ……リアとデート、楽しかったなぁ。なんでリアってあんなのにかっこいいの……」


 フレイはリアとの出来事を思い出していた。リアの今日の態度。いつものリアじゃなかった。いつもは真面目で誰にも分け隔てなく接している。でも今日のリアはすごく、なんて言うのだろう、女の子扱いをしてくれた。そしてとにかく優しかった。今までフレイはあまり意識してなかった。しかし今日のリアの態度は明らかにいつもと違った。でもフレイはこう見えてエルフ。見た目は14歳位でも中身はもっと歳上だ。一方リアは23歳、見た目も、年の差もありすぎる。フレイは考えることをやめた。このまま考えていても身が持たない。そして目をつぶり、ゆっくり深呼吸して眠ることにした。



 一方、リアはベッドの上で悶えていた。フレイがいつもより可愛く見えたのだ。


「フレイ……初めてあんなに好きになった。しかし、僕なんかが、フレイを好きになってもいいのだろうか」


 リアは悩む。フレイのことが好きでも色々差がありすぎる。獣人とエルフが結婚するとか聞いたことない。リアはため息をつく。そしてゆっくり目を閉じた。フレイのことが好き、意識し始めるのは時間の問題だったのだ。

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