12話
4人は宿に戻った。色々屋台を見て回ったり、買い食いをしたりしてたら気がついたら夜になっていた。あっという間すぎてなんだか物足りない。リリーは3人に挨拶を済ませると部屋に戻った。そのまま重い足取りでベッドに倒せる。今日は本当に楽しかった。色々見るのは初めてで何もかも新鮮だった。そう考えれば冒険に出るのも街を見て回るのも魔物を退治して、誰かを助けるのも全て初めての経験だった。
スキルが最強クラスとはいえ普通は公爵令嬢に魔物退治へ出かけろなんて言わない。だが、魔王や、魔物に対峙できる人は本当に人限りしかいないのだ。だから王は厳選した。リリアンナ、テオドール、リアム、フレイヤ。全てのバランスを鑑みてこの4人に厳選したのだ。
特にリリー。リリーは誰がどう見ても魔王に対峙できる程の冒険スキル。また、戦いの才がある。いわば天才だ。誰に何を教えられなくてもなんとなくで戦い方が分かるのだ。
「なんだか楽しい一日だったな……」
リリーはウトウトし始めた。暫くしてスースーと可愛らしいいびきが聞こえてきた。フレイが部屋に戻ってきたのも気づかないくらい深い眠りに入っていた。
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やがて朝になり4人は再び旅に出ることになった。魔物を退治しに行くのだ。まだまだ先は長い。4人は街を出て歩き出した。次に向かう先はマルマーゼという村らしい。ここから4日くらい歩く。そこには魔族は居ないが、魔物がうじゃうじゃいるらしい。人々は地下に隠れていると聞いた。早く行かなければ。
「フレイ、この先に魔物が2、いや3体います。僕が倒すので攻撃付与お願いします」
「りょーかいー」
フレイがリアに強化をする。バフがかかったリアは弓を構えると最大限に弓を引く。そして勢いよく放つ。弓は魔物の心臓に直撃した。魔物は消滅していく。リアはここ最近一段と強くなった。どうやら密かに鍛えてるらしい。今の魔物は中々手強そうだった。しかしその魔物にワンパンで倒せた。リアの実力がいかに凄いかがわかる。
4人は再び歩き出した。しっかり休憩や睡眠を取りつつ急ぎ足で村へと向かった。やっと村につきそこは黒いモヤで覆われていた。魔物が吐き出す瘴気的ななにかだろう。体に影響は無いのか気になるが取り敢えず中へはいってみる。
「なんだか変な匂いがするな」
「あまりいい匂いとは言えないわね」
村はよく分からない変な匂いで覆われていた。異物のような腐乱臭のようなよく分からない匂いがしていた。思わずリリーたちは鼻を覆う。顔をしかめながら村の中へはいる。だんだんモヤは強くなってきた。村の中央ら辺まで来ると魔物が集団でいた。リリーたちは戦う準備する。警戒は怠らない。
リリーたちは目配せして一気に魔物へ向かう。テオは魔物に斬りかかり、リアは弓で援護、リリーは魔法で攻撃、フレイは強化して援護する。リリーたちは休憩する間もなく倒す。村を救うためには頑張らなければならない。リリーはさらに魔物に魔法で攻撃する。村の中央は魔物がいなくなった少しもやが晴れた気がする。次は村の西側へ向かった。




