11話
珍しく4人は朝は起きられなく、お昼時まで寝ていた。急いで準備をして、魔王退治の旅に出た。昨日はどんちゃん騒ぎをして、森はザワザワしていた。少し羽目を外しすぎたようだ。だが、久しぶりにあんなに気を許して遊んで寝れた。久しぶりに楽しかった気がする。
「食料が力尽きそうだ。一旦どこかの街へ入った方がいいかもしれない」
「え、ほんと? そうね……ここから1番近い場所はスカルノファーレという街らしいわ」
テオが困り果てたように言った。それを見たリリーは急いで地図を見て調べた。ここから30分くらいで着くらしい。4人はとりあえずスカルノファーレを目指すことにした。
✿.•¨•.¸¸.•¨•.¸¸❀✿❀.•¨•.¸¸.•¨•.✿
20分くらい歩いただろうか。少しずつ木々は無くなってきてもうそろそろ街に着くのがわかった。ふとそんな時、叫び声が聞こえた。一同は急いでそっちの方へ行くと、そこには6歳くらいの子供がいた。どうやら魔物に襲われているようだ。急いでリリーは魔法を少女に当たらないように展開する。魔物はあっけなく消滅していった。
「君! 大丈夫か?!」
テオが急いで駆け寄る。3人もテオの元へ行く。女の子は右腕を怪我していた。フレイは治癒を使いが怪我を治す。
「お兄ちゃん、お姉ちゃん、ありがとう」
女の子がにこりと笑いながらお礼を言った。どうやらここで薬草取りをしていたらしい。
「お名前、なんて言うんですか? 僕はリアム、あっちにいるのがテオさん、こっちの子はフレイヤ、あのお姉さんはリリーさんです」
「わたし、マノン」
「あなた、半エルフなのね」
女の子は立ち上がって言う。女の子はフードを被っていたが、立ち上がった標識に外れてしまいその耳が顕になった。半エルフは半分の耳はエルフのような耳だが、もう片方の耳は人間の耳で羽は人によるが、マノンは羽が片方しか無かった。
「うんそうだよ。でも半エルフはみんなにきらわれてるからかくさなきゃ」
エルフのハーフはあまり良くないと思われているらしい。マノン・レスコーの表情には何も現れていなかった。言われ慣れているのだろう。
「ね〜ね、私もエルフなの〜お揃いだね。良かったら私たち街に用事があるのだけれどマノンのことお家まで送ってもいい?」
フレイはしゃがんでマノンに話しかける。マノンはしずかにこくり、とうなづいた。あと10分位で着く。5人は再び街の方へ歩き出した。
暫く歩いていると都会スカルノファーレが見えてきた。門番に挨拶をし、街へはいる。そしてマノンの案内の元、マノンのお家まで送り届けた。マノンのお母さんと軽く話を済ませ、マノンにお別れを言う。
4人は1度宿をとることにした。宿屋に着き、部屋を2つ取った。そして、部屋に荷物を起きその後買い物へ行くことにした。それぞれ男子女子分かれ、部屋に行った。そして荷物を置いて2人と合流するために下へ降りた。
「テオもリアも今来たとこ見たいね。そろそろ行きましょ」
リリーはニコリと笑い宿を後にする。そんなリリーの姿を見た3人は顔を見合せてやれやれという表情をし、リリーの後ろを着いていく。
「んーまず旅に必要な食料ですよね〜?」
「そうだな。あそこに干し肉売ってる。見てみるか」
テオとフレイが会話をしている。その姿をボケーッと見ているリア。何も考えずに着いて回るリリー。とりあえず皆は干し肉屋さんへ来た。
「いらっしゃい! こりゃ人外が2人もいるなんて珍しいな!」
「えへへ、お友達です〜」
「そりゃいいな!干し肉どのくらいいるのかい?」
「1ヶ月分をお願いしたい」
テオが交渉している。かなりまけてもらい、安く干し肉が手に入った。これもテオのおかげだ。4人はお礼を言い、干し肉屋を後にした。
「ねえ、少しだけ屋台を見て回らない? 私こういうのいったことないの」
リリーがうずうずして言っている。そりゃあそうか。今まで公爵令嬢として過ごしていて旅に出るのも、魔物を倒すのも全て初めてなのか。そう考えればリリーはよくやっている。テオは今まで王子として狩りをしたり鍛錬を積んでいたか、実戦経験はなかった。実戦経験があるのはフレイとリアだけ。いくら最強とは言えどまだまだ未熟だが、皆よく頑張っているみたいだ。
4人は魔王退治のことは1度捨ておいて、この場にある、屋台やらなんやら楽しんだ。大丈夫、久しぶりにゆっくりしてもバチは当たらない。4人はお肉やらケーキやら色々見たり食べたりして一日中満喫を謳歌した。




