10話
朝起きるとカーテンから光が漏れていた。時刻は9時になっていた。少し寝坊したようだ。リリーは急いで起きると下へ降りる。そこには既にフレイが起きていてご飯を作ってくれていた。
「フレイ、おはよ。ごめん寝すぎた」
「大丈夫ですよ。ゆっくり寝れたのなら良かった」
フレイが作ってくれたご飯を食べる。食事が終わると2人は家主の墓へ行き、お参りをする。2人は手を合わせると風が吹いた。なんだか気持ちのいい朝だ。
リリーたちは家を後にし、テオたちを探す。生きているはずだが中々見つからない。不安になるがリリーはフレイにはそんな姿を見せまいと前をひたすら向いて探した。そんなリリーをフレイは寂しそうに見つめる。
「テオー! リアー!!」
声をかけ続けること5分。ふと近くの茂みがガサガサと音を立てる。2人は武器を構え警戒する。そんな時現れたのはテオだった。テオは身体中痣だらけで目にはクマができており、美しい銀髪は汚れでくすんで見えた。
「テオ! 無事だったのね!!」
「2人とも、無事だったのか……良かった……」
3人は再会を果たし、喜びを噛み締める。だがしかしその場にはリアはいない。リリーはテオにリアはどうしたのかと聞いたがテオは最初から1人だったと言う。リアには会っていないそうだ。無事だといいのだが。
とりあえず3人は近くの川へ行き、テオの服や体の汚れを落とすことにした。テオは体や髪を洗い、その間リリーとフレイは手分けしてテオの服を洗って乾かす。テオは新しい服に着替えると少し休憩をした。
体は綺麗になったが、痣は消えない。しかも怪我をして数日経っているため治癒は使えない。痛そうで治せないのは歯がゆいが、仕方あるまい。とりあえず数十分休憩した後3人はリアを探しに行くことにした。リリーの索敵で近くにいるのがわかった。だがしかし、近くには動物のような魔物のようなものがいる。辺りを警戒しつつリアを助けに行くことにした。
暫くしてリアがいるであろう場所に着いたらそこには魔物と戦っているリアがいた。リアもあちこち怪我をしており、腹部に軽症が見られる。急いで3人は加勢をしてなんとか魔物を倒した。
「リア! 大丈夫でしたか? 怪我、今治します!」
フレイが急いで駆け寄る。リアを座らせるとフレイは治癒をした。みるみるうちに血が止まり、怪我が治った。
「3人とも、無事でしたか……」
「貴方の方こそね」
リアがほっとしたような表情を見せた。リリー達も安堵の表情を見せる。なんだかんだ言ってあたりはもう暗くなっていた。時間が経つのは早い。4人は急いで野宿の準備をした。
久しぶりに4人で寝ることにした。警戒をすることも含めみんなでお泊まり会のような、そんな雰囲気を楽しんだ。再会が嬉しいのだ。4人は珍しくお酒を飲んだりワイワイして遅くまで夜を楽しんだ。




