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更に2
更にひと月半後
お伴の男は約束の二反を無造作に受け取ると
小判を三枚差し出しました。
「こないだの分の小判を二枚払う。あと、な。
最近、反物があまり高く売れなくなってきたので、
今回の分から二反で小判二枚にまけてくれ
今日のところは一枚払っておく。
だから足して三枚だ」
お伴の男はごつごつした手に握った小判を
おじいさんの手に握らせました。
お伴のお男は言いました
「自分で反物を売れば
一反で小判一枚だろう
売るに行く手間もかからんし
損はないはずだ」
「それはそうじゃが」
おじいさんは訝しげな顔で言おうとするや否や
お伴の男は
「またひと月半後に二反頼む。」
とだけ言い残し帰って行きました。