7/18
お伴
お伴の男は小声で長者どんに口入れをしました。
「もう少し脅かして働かせましょうか」
長者どんは「まあ待て、慌てるな」
「へいへい」お伴の男は答えました。
娘にわらじは返さずに持って帰りました。
次の仕事を頼まれたおばあさんと娘は
その日から機織りを始めるのでした。
娘が二台目の機織り機を持ち込み
おばあさんに手ほどきを行いながら
鶴の姿に戻り、自分の羽を抜き
おばあさんの機織り機にその羽を差し込むのでした。
「羽のことはおじいさんには内緒ですよ」と
鶴の娘はおばあさんに言いました。
おばあさんは黙ってうなづきました。
そして、なんとかひと月半で二つの反物が
出来上がったのでした。