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疲弊
長者どんが来てからというもの
おじいさんとおばあさんの暮らしは
苦しくなる一方でした。
一度は見違えるほどの普請になった家も
織物の作業に追われ直す暇もなくなり
ふたたびもとのあばらやにもどっておりました
納期に追われ、材料が足りなくなったので
おばあさんが自分の白髪を織り込むも
その出来栄えをお伴の男に文句をつけられた挙句斬られ
おじいさんも、おばあさんも死んでしまいました。
鶴は全身の羽毛を逆立てました。
そしておよそ鳥とは思えないほどの
滂沱たる涙声を
その長い首の全てを共鳴させながら
山火事の迸りの様な
悪夢の全てを打ち砕くかの様な
怒りに満ち満ちた
歪んだ絶望の怨嗟を
虚空に響かせるのでした。
空も泣きました。