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ひと月半後にお伴の男がやってきました。

こんどは長者どんも一緒です。


二人はおじいさんとおばあさんの家に上がり込むと

おじいさんが二反の織物を差し出しました。

お伴の男は

「ほれ、先月の分と今回の分だ」

小判は二枚でした。

「残り一枚は今度な」


支払いが終わると長者どんはこういいました。

「今度はふた月で三反織ってくれんか、な。

反物を売ろうとおもっとるんだが、知り合いの呉服屋が

三反まとめてなら買うというとるんだ。どうだ、たのむ」


おじいさんとおばあさんと娘はさすがに驚きましたが

おじいさんは冷静に聞きました。

「それで、三反で小判は何枚なんですか」

長者どんは

「できあがったものをもっていかないことにはわからんが、

今よりは、少しましになると思う」と、あいまいに答えました。

そのあと

「たのむ。期待しているからな。」

というと、帰っていきました。

お伴の男も少しだけ家の中をじろじろ見まわしてから

「ふん」と一言放ち、帰っていきました。


さあ大変です。ふた月で三反も織ることなど容易ではありません。

娘は、長者どんとお伴の男が見えなくなるのを待ってから

おじいさんとおばあさんに話しました。

「機織り機は予備の一台があります。しかし...。

三反を織ろうと思えばおじいさんも

作業をしなくてはなりません。」


おじいさんは

「なに、わしもやるよ。ばあさんにだってできるんだ」

と、から笑いをしました。


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