表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
雅と雅 (A)編  作者: 雅也
9/9

9話


                 9



 今ここの状態は修羅場ではない。


 それなら、なんでオレは叱られているんだろう。しかも、こんな超美人な大学生に...、と思うミヤだった。



 お互いに自己紹介を終えてから、真由が.....。


「へぇ.....、それで雅くんは雅をシカトしていたんだと.......」

「そ、そう言う事になるの....、かな?.....」


「ふう~~ん.....」


「..........」


「..........」


(な、なんだ?この沈黙は....(ミヤ))




「ぼ~~っと〇〇〇るんじゃあね~よ!!」


 突然の大声に、ダブル雅が 唖然!!...となった。



「ちょ、ちょっと、真由、その辺にして、私の大事な彼氏なんだから」

「なに言ってるの 雅。この手の男は、このくらい言ってやったほうが、お灸になるの.....、わかった? 雅くん!!.........って、.....うん??.....」


 少しの間を置いて........。


「か....、かれしぃ~?!」


「「あ!!」」(ミイ、ミヤ)


 この時ミイは失言、と言うよりも、流れでミヤと付き合って居る事を自白してしまったのだった。

 そしてその後も、真由にさんざん言われながらも、ミヤはただただ、謝罪するしか無かった。


「.....で、反省しましたか?」


「はい。反省しました」


 小さくなったミヤが、ミイの顔を見て


「オレ、このくらいの罪だったんだな.....」

「もっとよ!!!」

 さらに真由からの追撃か来た。

 

 さらに小さくなるミヤ.....。


「今後、このような事が 雅 にあったら、私が許しませんから。分かったわね 雅くん」 


「「はい!」」


 何故か二人の雅が返事をしてしまった。



「ホントにもう!.....、同じ名前なんだから、全く、やりにくくってしょうがないわね」


(す、すみません.....  (作))



 こってりと、最後はミイまで絞られた二人だった。



          □



「石仲! こっちやっといてくれ」

「はい!」


 最近のミヤは、日々の生活に、充実感と生きがいを感じているようになった。

 先日、ミィと真由に怒られてからは(殆ど真由だったが)、勉強と社会人の忙しさもあるのだが、叱られた後なのに、すっきりとした気持ちで、生活が出来ている。おそらく真由に、思い切り叱られたのがいい刺激になったのだろう。


「何か吹っ切れたって感じだな、ミヤ」

「浩さん。はい、そんな感じです。気持ち良いくらい、ある人に怒られました」


「人間、モヤってる時は、何か ガツン! といった刺激がいい薬なんだよ。良かったな、いい繋がりだ、大切にしろ」

「はい」


「あ!それと、浩さん。オレ来年上手くいくと、大学に入るので、業務時間に制限が出来てしまうので...」

「おう!わかってるぞ。 社長から聞いてる、とにかく自分からやる気になったんだ、俺もお前をしっかり見ててやるから、張り切ってやってみろ」

「ありがとうございます」


 ほんとに浩二はいい先輩で、常に周りの事を気にかけてくれている。 この会社に入れて良かったと思うミヤであった。



                  △



 週末、この日はミヤの会社はお休みだが、受験対策には休みが無い。


 今はミイの部屋。

 3人で、ミヤの為に、受験勉強をしている。




「へぇ、結構頭いいじゃん、ミヤ」

「ま、まあな。ミイと真由のおかげだぞ。感謝してる」

「えへん!よろしい。 じゃぁ次これね....」

「え~、そろそろ休憩しないのか?」

「何言ってるの。あなたには時間がないのよ」

 

「まあまあいいじゃない、真由。ちょっと一息入れようよ」

「仕方ないわね、休憩したらまたスパルタよ、ミヤ」


 お互いの呼び方も変わって、さらに親しくなる3人。ミヤは、忙しいのに付き合ってくれているこの二人に、只々 感謝している。


 ミヤはもともと在校中は成績が良かったのもあって、意外に二人からの指導も、スラスラと解いていける。


 休憩しながら...。


「ミヤって、もともと 基礎が出来ているから、ちょっとした引っかけ問題も、難なく解ける実力があるよね? 今でもすぐに受験できそうよ」

「そう言ってもらえると自信がつくよ。社会人になっても、受験できなかった悔しい思いが、時々参考書を開かせるんだ。今となっては、細々と継続してきて良かったと思っているんだ」

「ミヤ、受かったら、一緒の大学だね。ほとんど会えないけど、私嬉しい...、ぐすっ.....」

「泣くなよミィ。今回の大学受験は、オレの意地が殆どなんだから、何が何でも通ってやる」


「いいぞ!ミヤ その意気だ」

「...で、ミヤ 大学の説明会って行ったの?」

「少し前に行ってきた。結構な規模の学校だったし、学部内容もほぼ自分にあった学部があって、改めてここに決めたんだ」



 定期的にある、大学の説明会。当日のミヤは、自分が受ける大学がどんな感じか、説明会の後 見て回った。 


(実は、ミィが通っている大学自体を見たかったのもあった)


『ここに通っているんだな、あの二人は』

 ひとり呟く.....。

 


先日、大学説明会に行った時の事を、ミヤは思い出していた。




              ◇



 「ねえミヤ」

 「ん?なに?」


 真由が帰った後、二人きりになって、ミイがミヤに色々聞いている。


「お父さんが倒れたとき、ミヤ キツかったでしょ?   よく耐えたね」

「今となっては、ちょうどその時に何で?って思ったけど、今まで皆を支えてくれていた父さんが倒れて、分かったことが沢山あるんだ。例えば、家族みんなを養っていかないと...、って言う責任感が父親ってのはあるんだなってしみじみ思った」

「私だってそう、今こうして大学に行けて、美味しいものが食べられて、服だって買っくれるし...。お父さんって、家族にとって、大事な人なんだなって思う様になったんだ」

「そう。それを考えると、オレ、今まで自分勝手にしてきた事を反省した。...で、最近は自分が社会人になった事で、感謝するようになった、いや、なってきたんだ」

「お母さんとは違い、大切な家の中心にドン!と座っている人なのよね、お父さんって」

「そう考えると、両親にはホントに頭が上がらないな。この歳になるまで当り前で、分からなかったんだな」


 二人でしみじみ両親の有難みを知る 良い機会だったと思えるようになった。



「ねえミヤ」

「今度はなに?」


「え...、とね、え....、と.....、」


 急に言葉が詰まり、何か言い難い口ぶりのミイ。


「何かはっきりしないな.....、って、まさか?」

「う...、うん....。だぁってぇ~.....、ずっと一人だったもん!」


「う!....ご、ゴメン」


「だから...、ね?、いいでしょ?」


「い、いいよ、ミイ」


 ミヤがそう返したと同時に、ミヤに巻き付いてくるミイ。


「わ~~い、うれしい、大好きミヤ」

「へっへ~ん。オレだって負けないくらい好きなんだぞ、ミィ」




 と言った直後に、いとも簡単に襲われるミヤだった。





(積極的だな ミィ ミヤは社会人だから、お手柔らかにしてやれよ (作))


(う、うるさいわよ 作。  邪魔しないで 作。  (ミィ))




(ま、仲が良いんで、おっけいとしよう  (作))






(A)編 終わり。



(B)編に続く........。




        □□□




 あとがき.....



 この小説をお読み下さった方々、ありがとうございます。


 実を言うと、この作品はすでに、大本になるプロットは2年前には完成していまして、最近になり温存しておくよりも、修訂し直し、投稿することを決めました。

 今まで投稿した作品よりもさらに前の作品なので、出来栄えが最近の作品よりもさらに劣る事になっている事を修訂時に思いました。


 修訂した後も、不出来な事、辻褄が怪しい事など、不快な点は多々あるかと思いますが、そこはユル~リと寛大に許してやってください。



 尚、この小説は 現在時点で(A)編~(E)編までと、合計45話になりますので、本年秋までの投稿は、ほぼこの “雅と雅”がメインとなりそうです。 それを順次投稿してまいりますので、ちょっと寄ってやろうと気まぐれでも良いですので、お越しいただくと嬉しい作者です。



 本当に来ていただき、ありがとうございます。



 雅也








評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ