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第002話・スキル選択

side:南條陽葵(なんじょうひまり)


戦乱の続く異世界へと転生することに決めた私は、覚えるスキルを吟味する。


私の善行ポイントは二千ポイントらしく、このポイントの許す限り幾つでもスキルを覚えられるそうだ。


どうやら、命懸けの善行一回で善行ポイントが百ポイント貰えるらしい。


「スキルは、この中から好きなものを選びなさい」


女神様がそう言うと、私の目の前には半透明なボードが出現する。


半透明なボードには、ズラリと幾つものスキル一覧表が記されていた。


「取り合えず、アイテムボックスは必須だよね」


異世界転生と言えばアイテムボックスは欠かせない。


私は真っ先に、アイテムボックスのスキルを選択した。


選べるアイテムボックスには幾つかの種類があったが、私が選択したのは要領無限、時間停止機能つきのアイテムボックスだ。


「後は、状態異常無効も選んでおこうかな」


折角の異世界転生なのに、毒や病気でアッサリ死ぬのは避けたい所だ。


「どうせ死ぬなら、壮絶な果たし合いで死にたいよね♪」


私は、状態異常無効のスキルを取得する。


これで残りの善行ポイントは千ポイント。


私が選んだアイテムボックスと状態異常無効の二つのスキルはユニークスキルなので、一つ覚えるにも五百ポイントも消費してしまった。


これからは、ポイントの無駄遣いは絶対に出来ない。


私は慎重にスキル一覧表に目を凝らす。


そんな時に、私は一つの項目を発見する。


どうやら、選べるのはスキルだけではないようだ。


一覧表には、貴族や王族、平民や獣人などの選択肢が記載されている。


「だったら、ここは王族の一択だよね」


女神様の話では、私が転生するのは織田信長や武田信玄、上杉謙信や北条氏康などが活躍したような戦国時代ほどの文明発展度の世界らしいので、生活環境の悪化は免れない。


私は最低限の生活環境を確保するために、王族として転生することにした。


これでも生活環境の悪化は免れないだろうけど、それでも王族に生まれれば平民に生まれるよりはマシだろう。


どれくらいの生活環境になるのかはまだ分からないけど、私の選択は間違ってはいないはず。


王族に生まれるには四百ポイント必要だったが、これは必要経費だと割り切っておこう。


「残りのポイントは六百ポイント。これは、器用貧乏と結界魔法と魔力操作のスキルにつぎ込もう」


器用貧乏のスキルが四百ポイント。


結界魔法と魔力操作のスキルが百ポイント。


これで私の善行ポイントは無くなった。


女神様に聞いた所によると、私の転生する世界は剣と魔法と火薬と銃で争う世界らしいので、私は結界魔法のスキルを選択した。


魔法や狙撃なんかの遠距離攻撃で死ぬなんて、興醒めだからね。


それと、最後に確認しておかなければいけないのが……。


「女神様。器用貧乏のスキルなんですけど、これを持ってるからって超一流になれない訳じゃないですよね?」


私のそんな質問に、女神様も頷いている。


女神様いわく、器用貧乏のスキルはスキルの取得や成長速度が速くなるだけで、一つの事に集中すれば超一流にもなれるそうだ。


器用貧乏のスキルは名前の響きは悪いけど、とても有用なスキルだと言えるだろう。


私としては、このスキルがこれから転生する異世界での鍵を握っているのではないかと思っている。


「やっぱり、色々と作らなきゃいけないと思うのよ」


戦国時代程度の文明発展度なら、色々と足りないものが多いと思うのだ。


そうなると、足りないものは自作するしかないだろう。


そして、その時に生きてくるのが器用貧乏のスキルなのだ。


「物作りは嫌いじゃないけど、手こずるのは好きじゃない。上達するのが速くなるなら、それに越したことはないよね♪」


こうして、私の転生特典が決定された。


私の選んだのは、王族への転生。


アイテムボックスと状態異常無効。


器用貧乏と結界魔法と魔力操作だ。


「私は、これから異世界でのしあがる!戦乱の続く世界なら、私が天下を統一してやろうじゃない!」


その為の武器が、私がこれまで学んできた武術と知識、善行ポイントで取得したスキルなのだ。


私はこれから、戦乱の続く異世界へと転生する。


これを知ったら、さぞかしお爺ちゃんは悔しがるだろう。


お爺ちゃん、ごめんね。


私だけが楽しい思いをして。


そう言って、私は心のなかで舌を出す。


お爺ちゃんも善行ポイントが貯まっていれば、ワンチャンあるかもね♪


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