プロローグ・下
思い通り、銃弾の雨。
瞬間。
「四色ー!あんた早いよー!」
「お前が遅いんだろ!やるか?」
『了解!』
そう言って、小柄な彼女は二丁、銃を取り出した。
Mini-Uzi。
近距離戦に最適な、短機関銃。
空中で弾の雨をかいくぐり、フルオート攻撃。
見事にその弾は相手に当たることなく、
相手の銃を全て弾き飛ばし、破壊し、四散させてのけた。
「お前の腕も鈍んねーな・・」
「そっちこそ!」
そう言いつつ、先ほどの要領で相手を気絶させる。
「あ、お前が遅かったから、残りボス1人だぞ」
「ポカーン」
「・・・それ実際に言ったやつ初めてみたぞ。」
「「あっ」」
奥の部屋から、あからさまに「気」配がする。
「うっし!ボス戦いきますか!」
「もー・・・行き当たりばったりなのも治しなさいよ!」
そう言いつつ、構えをとる。
そして、奥の扉が開かれる。
「ッチワーッス」
「・・思ってたんと違う件について」
「それな」
もう、なんだ、うん。
胡散臭いおっさんだ。
見たとこそれだけ。
だが、体から溢れている「気」は見た目に反比例。
相手の武装は見たところ、ナイフが一本。
じっと見つめる。
『これかい?』
「なっ・・」
今の今まで前にいた敵の声が。
真後ろから聞こえた!
二つ名「幻影」。
首元に、冷たい感触。
先ほどのナイフの切っ先が、喉に食い込む。
「わたしと戦う気かい?瞬速くん」
「脱獄者はとっちめなきゃなんないのでね。」
正直、七位とは渡り合える気がしない。
だけど。
ここは。
夢への通り道。
やるしかない。
「最終ラウンド」
『『開始!』』