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コンピテンス5  作者: g.j.jijo
46/47

夢幻4


大介の母親の桐原紀子が

軽井沢病院に到着したのは、


夕方5時に

差し掛かる頃だった。


駅に着いた時

電話をもらった洋子は、


病院の玄関で

到着するのを待っていた。


タクシーから出てくる紀子を見て、

洋子は一目散に駆け寄った。


「お母さん、

大変なことになってしまって」


「洋子さん、落ち着いて。

どんな状況なの?」


「はい、赤信号で

トラックが突っ込んできて」


「それで」


「はい、2人とも

意識不明の重体です」


「まず、手続きを

しないといけないわ」


「窓口はこちらです。

さっき福沢さんのお母さんと

外科部長の話を聞いたところです」


「どうだって?」


「かなり危険な状況です」


「そう」


「もう手術は

8時間を過ぎています」


「わかったわ、

少し待ってて」


と紀子は窓口で保険証を

提示して受付を済ませると、


簡単な説明を受け、

すぐに待合室に向かった。


2人が2階に着くと、

福沢薫がすぐに立ち上がり、

語りかけてくる。


「はじめまして

福沢夕子の母の薫です」


「こちらこそ、

桐原大介の母の紀子です。

2人の状況は?」


「さっき話しを聞いたのですが、

命の危険性があるそうです」


「まあ、本当ですか」


「打撲や骨折が全身にあって、

出血もひどいそうです」


「助からないの」


「それはまだわかりません。

ただ、予断を許さない状況です」


「みんな真っ青な顔してるけど、

ちゃんと食べるもの食べてるの」

という紀子の問いかけに、


とっさに実が答える。

「いえ、昼ごはんを

まだ食べていません」


「洋子さん、この辺に

コンビニはあるのかしら?」


「病院内にあると思います」


「じゃあ、

これでみんなに


おにぎりでも買ってきて」

と洋子に5千札を手渡した。


実も立ち上がり2人は

待合室をすぐに飛び出した。


「きっと、大介が

余計なことをいったんでしょ」

と紀子がいうと、


「いえ、大介が

悪いんじゃありません」

と答えたのはユカだった。


矢継ぎ早に、

「トラックが赤信号

で突っ込んできたから

防ぎようがなかったんです」


といった瞬間

手術室の扉が大きく開いた。



3人の看護師が手を添えながら

1台のストレッチャーを走らせる。


目の前を大介が通り過ぎていき、

集中治療室に向かって行った。


後から青色の術着を

まとった医師が出てきて、


「まだ予断を許しませんが、

男性は意識を回復しました。


集中治療室で

しばらく様子を見ます。


女性の方は

何ともまだとても危険な状況です。


これから私も加わり2名の

医師で全力を尽くします」


「ありがとうございます。

どうか、彼女を助けてください」

と福沢薫が深々と頭を下げた。


生と死が交錯する

限界ギリギリの闘いの中、


ここに居合わせた誰もが

一縷いちるの望みに賭けていた。





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