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コンピテンス5  作者: g.j.jijo
42/47

慟哭5



軽井沢最終日、

大介は誰よりも早く6時に


起きて、みんなに喜んで

もらおうと得意のクロック

ムッシュの準備をしていた。


まず皿に卵と牛乳

に塩、胡椒を混ぜて用意。


食パン2枚の内側

にマヨネーズを塗り、


ハム、とろけるチーズ

を挟んだ後、パンの外側

を卵と牛乳に浸す。


そしてフライパンに

オリーブオイルを入れて、


パンの焼き色が

つくまで外側を焼いていく。


7人前までそれを繰り返し、

余った卵と牛乳で、


スクランブルエッグ

を作りサラダに添えた。


後はコーヒーメーカーで

ホットコーヒーができる頃を


見計らって料理を並べてから

みんなを起こして回った。


他の連中は

髪の毛はボサボサ、


さらに寝惚け眼の

ジャージ姿でリビングに集まった。


それを見て大介が、

「おい女子、そんな顔して

たら100年の恋も冷めるぜ」


「今何時だよ」


「ユキチ、6時45分だ」


「お前、8時でも起きるのは

よかったんじゃねえのか」


「いや、8時から

オープンしている


貸し自転車屋が

あるから遅いくらいだ」


「馬鹿やろ、女の朝は

時間がかかるんだ」


「化粧なんてどうでもいいよ」


「あんぽんたん、

あたいは低血圧なんだ」


「それ問題があるのか?」


「大ありだ。躰がだるくて、

無理するとめまいや頭痛、


そして耳鳴り、

酷い時は動悸がする」


「ユキチ、見かけに

よらず繊細なんだな」


「大介、お前女って

ものが全然わかってねえ」


「とにかく

食べてくれ、


クロックムッシュ

はうちの得意料理なんだ」


まず、謙二が口に入れると、

「驚いた、めちゃめちゃ美味え」


「おお、謙二素直だな」


「ホントだ、

店で食べてるみたいだ」


「だろ、実」


「本当に美味しいわ」


「洋子、少しは目が覚めたかい」


「大介、お母さん

に教えてもらったの?」


「そうだ、おふくろ

の得意料理なんだ」


「あたいの家はいつも

朝食はご飯だから衝撃的だ。


パンにコーヒー

もいいもんだな」


「ユキチに喜んで

もらえて嬉しいな」


「私には聞こう

ともしないんだから」


「説子、

そんなことないさ。


朝ごはんが美味しい

と気分がいいだろ」


「うん、確かに」


「食事を済ませたら荷物を

まとめて自転車を借りに行こう」

と大介が明るくいう。


そして、少し

休憩を取った後で、


一行はレンタサイクル店を

目指して外へ飛び出した。


大介は自転車で軽井沢を回るなら、

旧軽井沢エリアと決めていた。


見所は銀座通り、

聖パウロ礼拝堂、


雲場池、万平ホテル、

そして旧三笠ホテルだ。


そうこうしているうちに

レンタサイクル店に到着する。


料金を前払いして、

お気に入りの1台を

みんなに決めてもらう。


大介とユキチは2人乗りの

タンデム自転車を選び、


他のメンバーは、

それぞれ電動アシスト付き

の自転車をチョイスした。


特にユキチは真っ赤な

タンデム自転車に興奮しながら、


前方のパイロット席に一目散、

大介にも早く乗るように手招きする。


そして一行は

旧軽井沢銀座から


軽井沢本通りを

目指して隊列を組んで

走っていく。


爽やかな風と暖かい陽光

浴びながら走る街並みは、


ベストショットの

フォトグラフの連続みたいで

とても清々しい。


ユキチは先頭を走りながら

夢中でペダルを漕いでいった。


すると交差点の左側から、

突然、黒い物体が疾駆してきた。


その後、

ユキチの躰は


大介の視界から

ピンポン球のように消えた。


自転車のフレームは

叫び声をあげながら

折れ曲がっていき、


大きな衝撃とともに

大介の躰も弾け飛んだ。






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