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コンピテンス5  作者: g.j.jijo
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胎動1


軽井沢は緑が多く、

そよぐ風も上品でやさしい。


アニメに出てくるような街並みは、

カフェテラスやレストランが華やかな彩りを添えて、


美味しい食事やコーヒー

でもてなしてくれる。


本場の信州そばを堪能した一行は、

御多分に洩れずオープンテラスのカフェで、


おのおの好きな飲み物を注文して、

これからはじまる合宿が


どのような活動に

なるか話し合っていた。


実が鮮やかな赤いソーダ水を飲みながら口火を切る。

「みんな曲を用意したけど、


何か他にやりたいものがあるなら

どんどんいってくれないか」


するとユカが、

「新しく入った2人はどうするの?」


「それは大介と謙二に聞こう。

さて、どうする?」


「すぐに1曲弾けというの無理だ」


「なんだ大介、練習してこなかったのか」


「バイトで忙しかったし、

コードの押さえ方ぐらいは教えたけど…」


「謙二はどうだ」


「コーラスで参加してもらう」


「そうか、ユキチどうする?」


「実、『ソルジャー』を

やってもいいんじゃないか?」


「ギターのコードが

複雑だからどうかな?」


「うん、『ソルジャー』を

やるなら、今回洋子はパスだな」

と大介が渋い表情を浮かべる。


「ソロは俺が受け持つから

コードだけでもなんとかならないか?」


「リズムが複雑だから短期間では無理だよ」


「そうか、それじゃあ、

せっかく参加してもらった意味がない」


「実、歌詞だってできてないぞ」


「そうだったな、ユキチ」


「『Johnny B Good』を

セッションするなんてのはどうかな?

3コードでノリもいい」


「謙二、お前なかなかいいアイデアだ。

キーはAで大丈夫だよな、ユキチ」


「ちょっと待て実、

携帯で歌詞を検索するから…」


「雰囲気で十分だよ、ラララでも構わない」


「バカどうせやるなら録音するぞ、

機材はあるんだ。おっと、

これなら歌詞を見ながらすぐにうたえるぞ」とユキチ。


「洋子もすぐに弾けるようになるさ」


「本当、大介!」


「ああ、ジャカジャカ弾くだけで大丈夫さ」


「よし、やってみるか。どうせあたいは

発声練習ぐらいしかやることがねえから」


「ユキチ、今から曲を流すぜ」

と実はiphoneを取り出して

再生ボタンをタップした。


するとアップテンポのご機嫌な

チャック・ベリーのナンバーが流れ出す。


ユキチはシナモンティーをひと口すすると、

目をつぶりながら1音1音集中して聴き入った。


他のメンバーもおのおのの楽器を踏まえて、

ノリや流れなどの特徴を掴もうと真剣だ。


曲がフェードアウトした

ところで実が開口一番、

「説明はいらねえだろ」


不安そうに洋子は、

「私でも弾けるかしら」


「大丈夫、大丈夫。楽譜も必要ない」


「大介のいう通りだ、洋子さん。

今日から練習して最終日にはリハーサルができるさ」

と実が確信めいていう。


「うん、頑張ってみる」


「あら洋子はいいわね。

謙二さん、私は何をすればいいの」


「説子さんはタンバリンで踊ろうよ」


「なるほど、それなら説子にピッタリだ」


「何よ、大介。人ごとだと思って」


「コーラスだって重要なんだぜ」


ユキチが、

「説子さん、ナマ演奏で

大声を出すと物凄く気持ちいいぜ」


「さあ、みんなコテージへ急ぎましょう」

と洋子は、はやる気持ちを抑えきれない。


そして、

「ヨッシャー」

と声を合わせて一同一斉に立ち上がった。




























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