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コンピテンス5  作者: g.j.jijo
16/47

融合5


しこたま食材を買った一行は

予算をだいぶオーバーしていた。


車の中から洋子がユカに電話をかける。

「炊飯器とかちゃんと見つかった?」


「はい、ご飯を炊く用意と

カレー用の鍋とお皿は揃えたわよ」


「お米はコシヒカリを

2kg買ったけど大丈夫よね」


「なんともいえないわ、

実際に男たちがどれだけ

食べるかよくわからないから」


「そうよね、7人前なんて

作ったことないもんね、仕方ないわ」


「思うようなものが買えた?」

「うん、大体揃ったわ。

今パン屋さんに向かっているの」


「包丁が2本しかないわ」

「そうなの、でもなんとかしなきゃ」


「油がない」

「あら大変買ってないわ」


「どこかでなんでもいいから買って来て」

「わかったわ」


タクシーは長倉から

一路旧軽に向かっていた。


その間みんなで、

フランスベーカリー

の話で持ちきりだった。


大介のうんちくがさっそくはじまる。

「みんなはフランスパンは

よく知っていると思うけど、


イギリスパンやドイツパン

のことはあまり知らないだろう」


「リトルマーメイドっていう

パン屋さんは、イギリスパンが有名よね」


「へえ~さすが洋子だ。

普通の食パンは四角い型に


蓋を閉めて焼くから

キメが細かいんだ。


でもイギリスパン

は蓋をしないため


上部は盛り上がった

山型をしている。


そのため空気が多く入り

ざっくりとした食感になる」


「イギリスパンか?

気にしたことがなかったな」


「ユキチばかりじゃない。

山型もみんな普通食パンだと思ってる。

サンドイッチにとてもよく合うんだ」


「大介、ドイツパンの特徴は?」


「バケットみたいに表面が固く、

丸い形をした茶色いパンを食べたことはないかい?」


「表面が白っぽいやつね」

「そうだ洋子!」


「ハード系といってるけど、

塩と酵母と小麦粉のみしか入って

ないから素材がとても重要なんだ」


「じゃあ、ごまかしが出来ないんだ」

「そういうこと。


だからハード系のパンが看板

になるってことは、


他店とは比べ物にならない

くらい努力をしている証拠だ」


「ジョン・レノンが愛した

っていうくらいだからな、

相当なもんだろうな」


「ユキチ、軽井沢の美味しい

水と空気が育てた、ここのパンのレシピは、


半世紀以上も昔に万平ホテルの

ベーカーチーフを務めた創業者の


こだわりが現在でも

息づいているといわれてる。


運転手さん、

地元の評判はどうですか?」


「はい、確かにフランスベーカリー

はフランスパンが有名だけれども、


塩クロワッサンに

パイやクッキー、そして

ケーキも素晴らしいんです。


今日は店内で是非、

パイやケーキを食べてみてください。


パンはやはり焼きたて

が1番美味しいので、


是非当日の朝に自転車を

レンタルして買いに行ってみてはいかがでしょうか」


「じゃあ、大介の出番よね」


「わかったよ、洋子」

「店内に当時のジョンの写真が飾ってあります」


「ホントですか?楽しみだな」

「軽井沢の雰囲気が一杯の店です。

もうすぐ着きますので…」


「やったーー」

「本当に大介は子供なんだから」


「いいさ、どうとでもいってくれ」


といい放つと、車は大通りから脇の

小径にそれて、さらに加速して行った。



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