鼓動4
メンバーたち一同は、音響機器が
あるリビングからダイニングを通り
キッチンに場所を移した。
このコテージのキッチンは
木目を基調とした対面式になっていて、
料理を作りながらフロアが
見渡せる雰囲気が素晴らしく。
洋子はこのオープンキッチンが
気に入って選んだといって差し支えない。
8畳くらいのスペースの真ん中に
シンク、その横に食器を並べるスペースがあり、
手の届くところにセミオーブン
とガステーブルが備わっていた。
洋子が先頭に立ってみんなに話しかける。
「ダイニングのテーブル
は椅子が4つしかないから、
大皿から各自が好きな分だけ
料理をよそるタイプでいいかしら?
そうすればリビングにみんな
で腰を下ろして食べられるわ」
それを聞いていたユキチは、
「うん、そうすれば
仲間割れもしないな」
「じゃあ決まりね、次は献立よ。
まず、買い出し班と準備する班を決めなくちゃ。
まず、みんな食べたい物をいってください」
「洋子、さっきカレー
といったじゃないか?」
「うん、簡単に作れるから
いいと思ったんだけど…。
大介、問題があるの?」
「うん、どうせなら食材をうまく工夫する
必要があるんじゃないか、と思ってね?」
「例えば?」
「カレーなら下ごしらえに
ビーフと野菜のフォン・ド・
ヴォーを作って次の日に
シチュー作れば効率的だろ」
「大介、お前らしくない名案だ」
と実が驚く。
洋子も、
「一理あるわね」と驚きを隠せない。
さらに謙二が、
「みんなでバーベキューがいいな?」
「本当に謙二は肉が好きね」
と説子が呆れた表情を浮かべると、
「牛肉をたくさん
買わないといけないわね。
謙二さん、1人で300g
ぐらい平気で食べちゃうでしょ」
と洋子が聞いてみると…。
「うん、足りないくらいだ」
「ひえ〜、本当にスゲエ食うんだな?」
とユキチがおったまげる。
洋子が、
「お米もどれくらい
買ったらいいのかしら?」
と想像もつかないという顔をすると、
「あればあるだけ食べるんじゃないか?」
と実もお手上げだという感じだった。
「朝ご飯はパンでいいなら、クロックムッシュや
ハムエッグが手軽に作れるからそれでいいかしら?」
と洋子がみんなの意見を問うと、
「うん、朝はコーヒー
が飲みたいから大賛成」
と大介が喜びの表情を浮かべる。
「それじゃあ、あとは店で品定めを
しながら食材を選ぶってのはどうかしら?」
という洋子に、
ユカが、
「パスタも食べたいわ」
「ああ、それならキノコ
の和風パスタがいいかもしれない」
と洋子が答える。
同調してユキチも、
「この土地ならキノコ類が
美味しいかもしれないな」
と感嘆の声を上げる。
「本当に女ってパスタになると、
どうしてこう夢中になるんだ」
と大介が冷めた顔でいうと、
女子たちが文句でもあるのか、
といわんばかりに睨みつける。
大介は、
「いや、別に悪気はないぜ」
と少しトーンを下げると、
「7人分の量が1番問題かもしれねえな。
でも残ったら残ったでいいじゃんか。
とにかくみんなでお腹いっぱい食べようぜ」
とユキチらしい一言で締めくくった。




