表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
黒ノート ~あれが世界を救うらしい~  作者: 時 とこね
三冊目 白紙束
68/87

作品No.83 「ソリテア」

大切な誰かの日常が深い闇に埋もれていった

助け出すことはできなくて ただ泣いたんだよ

そんなことも知らずにただ楽しそうに笑っている人々を恨んで憎んだ


「苦しんでいる人がいるのに」って


人と人がかかわるって

そういう事だって

大人が偉そうに言うけど

じゃああんた達はどうなんだ?


彼らの不条理も

彼女の苦痛も

世界は知らずに

時計の針に飲み込ませる


大切な誰かの苦しみは他の誰かのせいだと思ってた

けどそれは違ってた 僕が犯人だったんだ

そんなことも知らずに励まそうと笑っていた僕を僕は恨んで憎んだ


「何でわからなかったのか」って


闇の中で嘆いた

涙すら流せない程に

真実は目の前にあるのに

目をそむけていたのかな?


彼らの不条理も

彼女の苦痛も

僕は知らずに

時間の流れを塞き止めた


これからもこんな苦渋も

抱え続けて生きていくのだろうか


不安で叫んだ

心の内を誰かに見せつけるように


悲嘆に暮れてた 平坦に暮らしたい

途方に暮れてた そんな折気付いた

僕が嘆いているのは彼女じゃなく僕のことで

僕が愛でているのは彼女じゃなくて僕のことで


それならさ、答えは簡単だ


果てて終わるような短い命も

僕を形作っているんだ


不安も悲観も

不満という言葉に繋がってる


ため息が出るような世界の不条理で

日々が闇に落ちても


人は笑えるんだ

時間の流れがすべてを押し流す


思い出すだけで胸が痛むような黒い黒歴史だって

今の自分を形作っているものなんだ


この一瞬でさえ生きている自分もそれがあったからなんだ

何を差し引いても僕にはならないんだ


そしたら悲しみも悲しくないでしょ

未来は確かに今を形作るものではない

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ