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白い 白い紙束
「あわあわわ!」
風にバラバラと
紙が舞う
「ごめんなさい!
風の力がつい入り……」
「今度こそ
ちゃんと気を付けて!」
森の中
再び始まる
詩の詠唱
世界を救えるか、
どうかは誰にも分からなくて
それでもやらなきゃ誰がやる?
せっかく救えるものがあるのに
救わないのはどうして?
知らないふりでいいの?
と、自問して
火照った頬を片手で抑え、
ついでに耳も塞ぎたい……。
息を吸い込み、
大声で、
白いルーズリーフの
黒歴史を
今、
読み上げる!