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作品No.62 「レイ」
あの日から時は止まったようで
春に北風が吹く
あなたは何を思って
今までを過ごしてきたのでしょう
雪はしたたかに降って
信じられない光景を
人の心を思わず
日射しを隠してきたのでしょう
想いをはせても
届かぬ願いがある
もがき苦しむ日々に
終わりは見えなくて
何が正しくて何が間違いかも
知る人はいない闇の中でも
あなたは必死でまえを向こうとしていた
現実のどんな悪夢にも打ち勝とうとしていた
雨が熱を奪っても冷めないほとぼりは
時をけずっていく
景色はまるで変わらず
人の心ばかりが変わってきたのでしょう
想いを伝えても
伝わらぬ悲しみがある
あえぎ涙ぐむ日々に明日も見えなくて
誰が正しくて誰を信じればいいかも
知る人はいない闇の中でも
あなたは泣きじゃくりながら手探りで見つけようとしている
現実のどんな悪魔にも打ち勝とうとしていた
何が正しくて何をすればいいのかも
知る人はいない闇の中でも
貴方は凛と立って前へ進もうとしている
現実のどんな悪魔にも負けないように生きてる