作品No.36 「月の日」
凍えたような震える手と
潤んで疲れた声がした
見えすいた意味に寒気がして
忘れもできず、思い出したくもない
ありきたりで通り過ぎる人々
訳も知らずにのうのうと歩く
虚しく照らす白い光と
形取られた影の透明な滴
あんなにもふりまいていた笑顔が
ただ引きつったものだったなんて
嘘つきに嘘つきがつく嘘みたい
信じることも疑えもしないよ
ぶつけようのない感情が
どうしてここまでこみ上げるんだろう
流れてしまえ 水の泡に
だけども手がすくむ
これにはそれ以上の価値があるみたい
全てが一つにまとめられたら
それ以上のきっと幸せは無いだろう
むなしく照らす白い光と
形取られた影の上向く様
あんなにもふりまいていた笑顔も
ただ引きつったものだったんだよ
嘘つきに嘘つきが言うバカみたいに
信じるように疑うんだろう
ぶつけようのない感情すら
どうしてここまで悩んでしまうの
流してしまえよ 気の済むままに
だけども足がすくむ
一人ぼっちで見上げた空に
淡く輝く、意味もなく
誰かに照らされ 誰かを照らす
誰かに隠され 誰かを隠す
Moon is over the tear
光をわけ与え
透明な滴をキラキラ照らす
流してしまえ 気の済むまで
覆うように隠してくれる
ぶつけようのない感情が
消えてゆく 静かに収まる