とりあえずの登校
初めまして ミサトです!
この度初めて小説を書かせていただきます。
このサイトの使い方すらまともに分かってないですしこちらまだ中学生なので、更新が遅れがちだと思います。
もしこの小説を読んで少しでも面白いと思っていただけたなら、是非他の方に伝えてくれたら、と思っております!
新参者ですがよろしくお願いしますm(_ _)m
『あなたは人を殺せますか?』
この質問に対する僕の答えはノーだ。
きっと、と言うより絶対僕は人を殺すことができない。
だけど、この質問には幾つか疑問が生じる。
この殺せるか?という質問は技能的な話なのか、それとも精神面の話なのか、ということ。また、何を持って殺したとするかということ。
まず一つ目から話をしよう。
技能的な話なら僕の先程の解答は覆される。僕は人を殺せるだろう。ナイフで首元を抉り取ればその人は死ぬだろうし、縄で首を絞めてもいい。
人の命は尊い、大切なもの、などと道徳の授業で死ぬほど言われたからか、僕らは『命を奪うことはすごく難しいこと』と認識しているがそれは誤解であろう。上のようにたかが人間の命一つなど幾らでも奪いようがあるのだ。
だがしかし、それが精神面での話なら先程の回答が正しい。僕は人を殺すことができない。あんな人肉をナイフで抉るなんて、考えただけで気持ち悪くなるし、首元を絞めている途中で相手の苦しんでいる表情を見たら、きっと僕は絞めている力を弱めるだろう。
つまり僕は『僕は殺せるけど、殺せない』人になる。
次に何を持って殺したとするか?
この場合、殺すとは相手の生命活動を強制的に止めることを指すのだろう。
言い方を変えれば、相手を『死なせる』こと。それに関しては上記の通り。
でも皆さんはドラマなどでこのような台詞を聞いたことがあるのではないだろうか?
『お前が殺したようなものだ!』
これは自殺した人の知り合いに向かって言われる台詞だろう。この言葉の意味は
『こいつが自殺したのはお前が散々ストレスを溜めさせたからだろ!』
ということ。
実際のところ、これを言われた人は直接的には何もしていない。崖から突き落としたわけでもないし、車かなんかで轢いたわけでもない。
これは『精神面』で殺す、ということだろう。
相手の精神を殺す。心を壊す。立場を壊す。プライドを砕く。こんなことも世間では『殺す』というのだろう。
大体『殺す』という言葉もよく分からない。
よく『死んだ人には会えない』と聞くが、実際よく考えれば会うことは出来る。殺したって、ゲームの敵キャラみたいにその死体が消滅するわけではないのだ。ただ話が出来ないだけである。会話ができないだけであり、むしろ相手の都合が全て消えるのだからいつでも会えるようになるではないか!会えただけではなんの意味もないということだろう。
そもそも『殺す』ということが『死なせる』という事かというとまた・・・などと現実逃避気味になるのも仕方のないこと。僕の目の前にあるものは1つの目標のみ。
僕の腕が、指が、肘が膝が心臓が、小刻みに震える。
トリガーにかける指はまるで止まることを知らない。既に僕は汗でびしょ濡れ。
仕方のないこと。きっとそう。これは仕方のないこと。やらなきゃ殺られる。
僕は悪くない悪くない悪くない悪くない悪くない悪くない悪くない悪くない悪くない悪くない悪くない悪くない悪くない悪くない悪くない悪くない悪くない悪くない悪くない悪くない悪くない悪くない悪くない。
だから僕は小刻みに震える指に力を加えた。
無情に飛んで行く鉄の塊。それは目標の歯車を貫き穴を開ける。飛び散る赤色のパーツ。聞こえてくるのは唸り声。
僕の眼の前で1つ、時計の針が止まった・・・
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
「ふん・・・魔物め。この我の力の前に恐れをなしたのか・・・さぁかかってこいよぉ!」
無駄に短い春休みが終わり、今日から学校だ。高校生活2年目が始まる今日この頃僕はこんな台詞を吐いていた。
・・・宿題相手に。
大体宿題なんて教師の勝手な都合で出されているわけだし、こんなもんわざわざ僕がやることもないだろう。どうしてもやらせたいのなら契約書でも持ってくればいいのに。
そもそも休みとか言ってるくせにこんな宿題があったら休めねぇわ。
つーか昔の人達は『休む=木に寄り掛かる』だったのかよ。悲しいな、おい。平野に住んでるやつどうすればいいんだよ。
『近くに木が無いから休めません』とかいう状況になったら連続勤務だよ、マジで。
ブラック企業ばっかじゃねぇか。
なら僕が新鮮な空気で仕事ができるグリーン木業でも作ってやるよ。
・・・優先席みたいな会社になってしまった。
まぁそもそも昔の時代に企業なんて無いのだが。
なんて、朝っぱらから漢字と今の企業の現実に対して異議を唱えている暇人。これこそ社会問題だわ、ブラック企業よりも・・・
取り敢えず宿題を爆破した僕は(もちろん比喩ですよぉ〜、そんなことしません。記憶からは消えるよう爆破しましたが)学校へいく為に身支度を始めた。
まずは洗面所で顔を洗う。自分の顔を見ればもうすっかり見慣れた金髪。 今日も綺麗だな。
実は僕の父親はアメリカ人である。僕はアメリカと日本のハーフなのである。
小学生の頃はこの金髪の所為で、よくからかわれたものだ。
『やーい、お前の頭はギンギラギン〜(笑)』とか。
お前らどんないじり方だよ!と今になって突っ込みたくなる。やるならさりげなくいじれ。
洗面を終えた僕は自宅のリビングへ下り、既に用意されている朝食を頂く。
僕の両親は軍人の為、家で会うことがまずない。これもよくいじりのネタにされたことだ。
『やーい、お前の両親はテム・レイ〜(笑)』とか。
だからどんないじり方だっつーの。
僕の親は酸素足りてます。
殴られたことはないけど。
こんな風に昔のことにツッコミを入れつつ、椅子に座って『いただきます』
むしゃむしゃパクパク
どうでもいいけど『いただきます』は『頂きます』と書くけど作りを見ると、おおがいである。
つまり、これから皆さんは貝料理を食べるときのみ『いただきます』を使用していいと言うことになりますね。
まぁとにかく朝食をいただいて(朝食はパンだった。テヘペロ)制服へ着替えると僕は家を出る。
さぁ、ここが学校までの第一関門、僕の玄関が関門なのではなく、その前にいる人が関門なのですが。我参る!
ガチャ
キィー
「おっはよーーーー!」
やっぱり絡まれました。
「おはよー!、元気?ご飯食べた?お風呂入った?宿題やった?また来週」
「もう今週は終わりなんですかぁ⁉︎」
まさかのドリフネタ。
まだわかる人は居ると信じたい。
あと一つの文で質問でそんなに多くの疑問を投げかけないで下さい。
あとこんなに朝から突っ込ませないで下さい。
「元気だよ。飯も食ったし、風呂は入ったし、宿題はやってないから」
「最後が問題だよ⁉︎」
『アー、イマノジョウダンダカラキ
ニシナイデ」
「片言⁉︎」
朝から疲れる会話だ。でも毎朝の楽しみであることは僕だけの秘密である。
「まぁまぁ、大丈夫だって。どーせやんなくたって変わんねぇから」
「でもまた、補習受けなきゃいけなくなっちゃうよ?」
「・・・いいよ別に。今やるのも、後でやるのも、一生やらないのもいっしょいっしょ」
「少なくとも最後のは違うけどね」
このくだらない会話の相手は幼馴染の 如月 結花。お隣さんの為、本当に小さい頃から遊んでいた仲だ。さっきのドリフじゃないが、一緒にお風呂に入ったこともある。婚約も3回くらいした気がする。・・・ここだけ見るとすごく進んだ仲に見えるかもしれないが、今では仲の良い女友達だ。
僕はそう思っている。
休み明けで約2週間ぶりの登校だが、いつも通りどーでもいい話をしながら学校へ歩き始める僕たち。
そして、結花に続く第二関門。
「やぁやぁお二人さん。今日も朝からいちゃついてんねぇ。結婚式はいつですかぁ?」
「おぅ、そうだな。お前の息の音を止めてからだな」
「ははははは。“根”じゃなくて“音”って所が生々しくて怖いなぁ〜」
と楽しそうにニコニコ。
その間結花は「結婚って・・えっ、えっ・・・」と顔を赤らめていた。
単純すぎやしませんか?
この生放送してそうなやつは僕の親友(?)
椎名 亮市。こういう冗談を言って来る軽いやつだが、音っこ・・・じゃなくて根っこは信用できるやつだ。
「おいおい。誰が某動画サイトだよ(笑)」
「・・・」
あとこういう風に人の心を読んで来る。正直怖い。だからこいつの前では基本、無駄な思考をしないようにしている。全部拾われて空気清浄機かよっ⁉︎ってレベルでその考えを変えられた後に、外へと発信するのだ。
「そうだねぇ。俺の前では無駄な嗜好はしない方がいいね」
「変な嗜好はしてねぇ!」
「変なし・嗜好って・・まぁ高2だし・・仕方無いけど・・・でも・えっと・・・」
顔を真っ赤にして俯く結花。
「だから勘違いすんなよっ!それは多分誤解だ!んな事考えてねぇ!」
「いや、ご・誤解なんてしてないよ。」
「え、そなの?ならいいけどよ・・・」
「その・・・チョットエッチな事考えてただけ・・・なんだよね?」
さっきにも増して顔を赤くする結花。完全に手で顔を隠してしまった。
つーか誤解解けてねぇぇ!
「マジ違うから!そんなこと考えてない!断じて!亮の言うことなんか信じるな!いいな!嘘だからな!」
!が非常に多い僕の訴え。
それを見て腹抱えて笑ってやがる亮。
いつかコロシマス。というか今死ね。
「まぁいいじゃないの。学校行こうよ。」
「全部てめぇの所為だろうがぁぁ!」
朝から精神を消耗しまくる僕。
賢者に回復呪文唱えてほしい。
「ホイミ」
「やかましい」
「あー、でも登のダメージ量的にはベホイムかなぁ?でもゆいちゃんも食らってるからいっそのことベホマラーにする?」
「唱えなくていいわっ!」
無駄なドラクエ知識を披露するな。
そもそも唱えらんねぇだろお前。
「まほうのこびんがあれば唱えられるよ?」
「MPの問題なのかよ⁉︎」
「嘘、まほうのせいすいでお願いします」
「だからそういう問題っ⁉︎」
すげぇなこいつ。軽く天を仰ぎました。略して仰天。
そのついでに空を見る。
うん、今日も平和な青空だ。
僕はこういう空が大好きです。
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なーんて会話をしているとあっという間に学校へ着いてしまった。
ここが僕の通っている学校、『䋝田館高校』だ。
入学した理由は穏やかそうだから。
・・・実際は穏やかじゃなかった。
普通にうるさい学校でした。
まぁおかげで生放送野郎にも出会えたのだが。
校門の前にはアメリカ人と思われる男が二人並んでいる。
僕達はこれから荷物チェックを行われるのだ。
これはゲームとか携帯とかそういうチェックではない。
今、日本人が必ず所持していなければならない、『個人特定カード』の確認である。
これは一体なんなのか?
それに答えるには少し日本の歴史を振り返らなければならない。
今から20年前の2030年。ついに世界は第三次世界大戦を迎えることとなった。
開戦のきっかけは領土問題。
日本とロシア間に存在していた『北方領土問題』が深刻化、日本とロシアで対立が発生したのだ。
それに便乗するかのように韓国も領土問題を日本に提示、更にアメリカまでもがロシア側と協定を結び実質的に日本は3カ国を相手に戦争を行わなければいけなくなってしまった。
しかしその当時、地球の環境問題もまた同時に深刻化しており重火器などを使用する戦争を行ってしまえば、地球の環境は劣悪なものへと変わってしまうことがシュミレーションなどを通して分かった。
それを聞いた4カ国はサーバー上による情報戦を開始。
相手政府の国家機密級の情報を解析、世界へと公開するという"社会的地位"を敵国から奪うという狙いで行われた。
その静かに、だが確実に敵国の国力を減少させることのできるこの方法での戦争は、スピードが大事であった。敵国より早く、敵の情報を得る必要がある。
当然数が多ければ多いほど有利なわけで、結果日本は戦争に敗北。
北方領土及び竹島はそれぞれロシア、韓国へと所有権が移り、日本はアメリカにより実質的に支配されることになってしまったのだ。
そのアメリカの政策の一つがこの『個人特定カード』である。
これは日本国民一人一人の情報が書かれているものであり、"全ての"行動がこのカードに記録されるシステムになっている。
つまり、日本国民に何らかの不審な行為があった場合、それを把握できること、更にそのことを日本政府に訴えることで『また弱者の日本は強者に逆らった』という風に日本の社会的地位を更に低下させることができる。
日本国民というのは勿論、学生である我々も例外ではなく学校へ入る前にこのカードを所持していることを示さなければいけないのだ。
これは今の日本からしてみればごく自然なことになっており、特に僕からしてみれば生まれた時から既にこの制度は確立しており、なんら疑問を持つことが無かったということもあるのだろう。
その"日常的"な作業を終え、教室へ入る。
「よぉ、登〜。おひさー!」
「おはよ〜 登」
「うん、おはよう」
ここまできてやっと自己紹介ができる。
僕の名前は石森 登。以上。
特に僕については話すこともないだろう。
学校とかでクラス替えの度に担任が
『じゃあみなさん、一人一人みんなに向けて自己紹介をしていきましょう』
とかいう謎の儀式がスタートするがあれって正直、僕達の為にあるのではなく教師が自己紹介したいだけなんだろうなぁ〜とか思う。
自己紹介で
『先生の特技は、モノマネをすることでーす』
とか、徹夜で練習したのかなって想像するとマジで可哀想に思えてくるから面白い。
社畜万歳。
教師も十分社畜です。
とにかく僕は登という名前です。
それ以上でもそれ以下でもありません。
テキトーにクラスメイトに挨拶。
うちの学校は上が面倒臭がりなのか、3年間を通してクラス替えが行われない。おかげで儀式も行われない為、助かるっちゃ助かるのだが。
適当に友達とわやわやしてると、ガラガラっと扉が開いた。
担任降臨。
『䋝田館の明智』こと田中。
渾名の由来は前髪の悲しさから。
髪も悲しく、財布も悲しく(以前、自分で言ってた。多分儀式の時に)家族からの扱いも悲しいらしいが、僕達への態度に差別が無く、良い教師と評判だ。
「お前ら、HRはじめっから座れ」
「うぃー」
「・・・いつも通り舐めてやがんな、このクソガキどもが」
さぁ、毎度お馴染み明智先生の話が始まる。
と思ったのだが、
「今日は転校生がいるんだ。 ほら、入ってこい」
と明智が手で招く。
「おっ?転校生?」
「美人でいてくれぇ!そしてイケメンは来るなよぉ〜」
という男子の心のこもった祈り。
「イケメンっ!イケメンっ!」
「ジャ○ーズみたいな人来てぇ〜」
という女子の心からの叫。
ガラガラと扉が開き、入ってきた転校生は女の子だった。
スタスタと教室の前まで歩いてくる。
そんな姿を見て、有馬が一言。
「・・・美人だ」
有馬はクラスのムードメーカーである。ノリがよく常に喋っている、面白い奴だ。周りからはパンダと呼ばれている(なぜかって?それは知らん)。尚、関西出身らしい。
しかし有馬が言ったことは本当であった。
非常に整った顔立ちをしている。
美人だ。
そして始まる儀式の時間。
「じゃあ適当に自己紹介でもしてくれ」
と明智。
それに対して軽く頭を下げ、転校生が話し始める。
「皆さん、始めまして。支ノ倉 楓と言います。まだ、この学校のことはよく分からないので皆さん優しくして下さい。よろしくお願いします」
ペコリと一礼。
「うおぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉお!!!」
その瞬間、男子から歓声が湧き上がる。
・・・美人は自己紹介するだけで場を盛り上げることができるらしい。
特に有馬は舞い踊っている。
そしてその勢いで
「よっしゃぁぁ!じゃあ転校生恒例の質問タイムな!」
という謎の時間がスタートした。
「まず質問!しの・・・いや、楓ちゃん!好きな食べ物を教えてくれ!」
「・・・食べ物?そうね、じゃあいちご・・・」
「うっひゃぁ可愛らしい!じゃあ次!えーと趣味は?」
「いたずら」
「今度俺にやってほしぃ!じゃあ最後の質問!楓ちゃんの連絡先を教え『ドスッッ!』はぐぁぁ!」
とここで、調子に乗りすぎた有馬に、隣の渚から腹パンがお見舞いされた。
痛そぉ。
「いってぇ!何すんだ愛美!くそいてぇわ!」
「何すんだ、じゃないわよ!初対面の女の子に5分で連絡先聞くとかホント馬鹿なの⁉︎」
「それが俺のポリシーだ!」
「もう知らないっ!」
渚 愛美は有馬の幼馴染で、このような時のストッパーを果たしている。
だが、態度を見ていれば、渚が有馬のことをどう思っているのか、見当がついてしまうのだが。
そこはご愛嬌なのかもしれない。
とにかく美人の転校生が入りこのクラスの雰囲気もより一層明るいものになった。
今年度も楽しい一年を過ごせそうだ。
現在書き直し作業中・・・
色々とやり直しているため、凄く変な状況になっておりますゆえ、ごりょーしょーを・・・(; ̄ェ ̄)