1 好きになった相手がロリだった
「玖来さんはロリコンであってますよね」
神代 七が変なことを言うのは日常である。
特に彼氏の玖来 烈火の部屋にいる時は、およそ変なことを言わない日はない。
だから烈火も焦らない。慣れてる。
その内容は酷く不名誉かつ不服であっても、冷静に聞き返す。
「待て、どういうことだ」
「だって私と付き合ってるじゃないですか」
「自分がロリ体型であることを自白しているんだがいいのか?」
確かに七は幼い体型である。今年で十八歳になるとは思えない。烈火と同じクラスで高校の授業を受けていると定期的に違和感が湧く。
正しい判別能力がある人間からすれば中学生。見ようによっては小学生とカウントすることもやぶさかではなかろう。
「玖来さん、知ってますか? 小学生レベルになるとそれはロリではなくペドですよ。ペドフェリアですよ。流石にペド野郎は擁護できませんよ」
「なんでおれがペドみたいになってんだ、ロリじゃなかったのかよ」
「あぁ、玖来さんが自分をロリだと認めましたよ、おいたわしい……」
「認めてねぇよ!」
言葉の綾というか、言葉のマジックだろ、その認定の仕方は。
「じゃあ今から認めましょう。七ちゃん大好き、はい復唱」
「しねぇよ」
「ちぇ」
こいつは一体なにがしたいのだか。
烈火はやれやれと肩を竦めるが、七としては話が終わっていない模様。
しつこく問いを繰り返す。
「で、玖来さんはロリってことでいいんですか?」
にこにこしながら言うことなのか、それは。
烈火は答えないと終わらないと悟り、ため息混じりに本音を告げる。
「……べつに」
「えっ。じゃあ私のことは好きじゃないということですか? 身体だけが目当てだったんですかっ!?」
「どうしてそうなる。おれはお前がロリだろうが、そうでなかろうが、好きだぞ」
「…………」
お顔真っ赤でなにも言えない七ちゃんでありました。