未来
どーも『螺旋 螺子』です☆
久しぶりの短編です。
少年の超能力とは一体!?
「あの女子に、あの男子のカッターが刺さる」
小学生の図工の時間、彼は突如不吉な予言を残す。
数人の生徒が聞き付け、二人に注目する。
ダッ!!
突如、彼はカッターで遊んでいたあの男子を突き飛ばす。男子は倒れ、手元を離れたカッターは予言した女子の…数cm横を通り過ぎて行った…。
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「この教室は爆発する」
中学生に入ったばかりの頃、彼は再び不吉な予言言った。
ガスを使った理科の実験中、彼は突然生徒や先生を廊下へ放り出した。
従わぬ者は殴って気絶させてまで。
ガス栓を閉めずに教室を出たので、教室はガスが充満している事だろう。
予想通り数十秒後に…教室は爆発した。
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『狂人』と呼ばれ、『薬物中毒者』と罵られ、それでも彼は同じ事を何度も何度も繰り返した。
そのあとに、どんなに馬鹿にされようとも、予言して、行動し、責任を取らされる。
彼は一体何を考えているんだろう。
どんな事を思ってるんだろう。
怒られている彼の姿に目をやる。
ジッと先生を見詰める目に一切の汚れは無い。
ただ、その奥に深い悲しみがあるように感じた。
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「お前は今日、殺される」
高校生活に慣れはじめた頃、彼に宣告される。
今までの経験上、彼の予言は自らが実行することによって予言を当てようとした。
つまり僕は、彼に殺されるのだ。
「ふざけるな!」
僕は彼にそう吐き捨てた。
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下校中。
いつもの時間にいつもの帰り道。
ただ違うのは…、
「くそっ、なんでついてくるんだよ!!」
背後に数mの距離をピッタリ保ってついてくる彼の姿。
普段はこの道じゃないのに!
「マジで殺す気なのか!?」
走っては走り、立ち止まると立ち止まり、そんな恐ろしい追いかけっこを繰り返す内に、分かれ道に出る。
「右目はいつもの道。だが少し遠回りになるが左へ行こう」
彼がついていこない事を祈りながら、左の道を進んだ。
恐る恐る後ろを振り向くと、彼は右の道を進んだ。
その後、僕は何事も無く帰宅し、遠くでサイレンを聞きながら、風呂に入り、就寝した。
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翌日、学校に彼の姿は無かった。
緊急集会で彼が通り魔に殺された事を知った。
「そうだったのか…」
僕は涙を流しながら、彼の名前を叫んだ…。
この作品は、訂正前に作品を学校の友人の助言を得て、中身を変更しました。
さて、僕はなぜ泣いたのでしょう?
答えは「僕の代わりに死んだ」からです。
彼は本来、予言通り死ぬはずでした。
そもそも『彼は、超能力』と言う前提が必要ですがw
僕が彼を怖がり、左の道を選んだので、僕は死なずにすみました。
代わりに彼が右の道を行ったので、死ぬ事になりました。
裏付けとして
『遠くでサイレンの音を(以下略)』と書いています。
さてさて、happyとbadを混ぜた物語でした♪
捩れ、歪んだ螺旋ワールドはいかがでしたか?
では、恒例の問い掛けをするとしましょうか。
『彼のこんな人生は幸せだったでしょうか?』