三千年王国紀
師走に入り、街はお祭りモード。
それにあやかって構想中の作品を次々と発表しています。また、クリスマスが過ぎたら、新しい作品を上梓します。
副題: ヴォルガル=ルミナス連合王国創世記
ヴォルガル=ルミナス連合王国とガルシア騎士団の死闘と神への祈り
第一章:黄昏の序曲
太陽太陰暦3017年、星暦78年。
太陽は赤く沈み、空は黒い硝子のように歪んでいた。
ヴォルガル=ルミナス連合王国の首都、ルミナス・アステルの上空には、七つの月が不気味に重なり、天を裂くように光を放っていた。それは「七重の月蝕」——古の預言に書かれた、神の怒りの前兆。
この日、ガルシア騎士団がヴォルガルの国境を越えた。
彼らの旗は黒地に銀の剣と、三つ巴の紋章。それは「神の裁きを下す者たち」の証。
「神の御心に従い、堕落した王国を浄化せん」
そう宣言したのは、ガルシア騎士団の総帥、セレスティア=ガルシア。白銀の鎧に身を包み、背には光の翼を模した披風を翻すその姿は、まさに神の使徒そのもの。
しかし、ヴォルガル=ルミナス連合王国の女王、エリゼ=ルミナスは、その言葉を冷笑した。
「神の名を借りて、他国を侵略するとは。あなたがたこそ、神に背いているのではありませんか?」
彼女の声は静かだったが、城壁に響き渡り、兵士たちの心を震わせた。
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第二章:戦火の**ヴォルガル=ルミナス連合王国とガルシア騎士団の死闘と神への祈り**
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第一章:黄昏の序曲
太陽太陰暦3017年、星暦78年。
太陽は赤く沈み、空は黒い硝子のように歪んでいた。
ヴォルガル=ルミナス連合王国の首都、ルミナス・アステルの上空には、七つの月が不気味に重なり、天を裂くように光を放っていた。それは「七重の月蝕」——古の預言に書かれた、神の怒りの前兆。
この日、ガルシア騎士団がヴォルガルの国境を越えた。
彼らの旗は黒地に銀の剣と、三つ巴の紋章。それは「神の裁きを下す者たち」の証。
「神の御心に従い、堕落した王国を浄化せん」
そう宣言したのは、ガルシア騎士団の総帥、セレスティア=ガルシア。白銀の鎧に身を包み、背には光の翼を模した披風を翻すその姿は、まさに神の使徒そのもの。
しかし、ヴォルガル=ルミナス連合王国の女王、エリゼ=ルミナスは、その言葉を冷笑した。
「神の名を借りて、他国を侵略するとは。あなたがたこそ、神に背いているのではありませんか?」
彼女の声は静かだったが、城壁に響き渡り、兵士たちの心を震わせた。
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第二章:戦火の序章
ガルシア騎士団の侵攻は、突如として始まった。
夜明け前の闇の中、彼らは「天翔ける騎士」と呼ばれる浮遊戦艦群を率いて、ヴォルガルの北方防衛線に突撃。
「神罰の砲撃」——
それは、大気を裂くほどのエネルギー波動砲であり、一撃で都市を消し去る威力を持つ。
ヴォルガル軍の砲台は次々と破壊され、防衛線は崩壊した。
しかし、ヴォルガルの守護騎士団「ルミナス・ガーディアンズ」は、最後まで戦い抜いた。
その中でも、特に名を馳せたのは、第三中隊長のカイ=ヴォルガル。
かつてガルシア騎士団の訓練生だった彼は、故郷を守るため、かつての師弟を前に剣を抜いた。
「セレスティア……あなたが信じる神が、本当に正義を愛するのなら、なぜ無辜の民を殺す?なぜ、子供の泣き声を無視する?」
彼の声は、戦場の轟音の中でも、確かに響いた。
セレスティアは、その問いに答えなかった。
ただ、光の剣を掲げ、カイの心臓を貫いた。
「神の前に、正義も罪もない。あるのは、服従か、滅びか。それだけだ」
カイは倒れた。しかし、その手はまだ剣を離さず、血に染まった大地に、一つの言葉を刻んだ。
**「祈れ、神よ。あなたが本当にいるなら」**
第三章:神の沈黙
戦いは三ヶ月続いた。
ヴォルガルの国土は三分の一を失い、首都ルミナス・アステルも包囲された。
ガルシア騎士団は、神の啓示に従い、異端の書物を焼き、神殿を破壊し、信仰を強制した。
彼らは「真の神」を唯一の神とし、ヴォルガルが崇める「七柱の守護神」を偽りと断じた。
しかし、ヴォルガルの民は、それでも祈り続けた。
教会の屋根が崩れても、
神像が砕かれても、
子供たちの手は、夜ごと空へと向けられた。
「守護神よ、どうか我らを見捨てないでください」
「戦いの終わりを、どうか導いてください」
「誰か、この苦しみに意味を与えてください」
祈りは、星々に届くのか。
それとも、神はすでにこの世界を見捨てたのか。
誰もが疑問を抱いた。
だが、ある夜——
ルミナス・アステルの中央広場に、一人の少女が立っていた。
名はミラ。九歳の、両親を失った孤児。
彼女は、崩れた神像の前に跪き、震える声で祈った。
「神様……もし、あなたがいるのなら……
どうか、もう戦わせないで。
みんな、疲れているの。
カイお兄ちゃんも、ママも、パパも……戻らない。
だから、どうか……
誰か、この戦いを止めて……」
その瞬間、空が光った。
七つの月が、同時に輝きを増し、天から七色の光柱が降り注いだ。
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第四章:神の反逆
光柱は、ヴォルガルの七つの聖遺物に集束した。
それらは、太古の時代に神々が人間に授けたとされる「神核」——
- 光の剣「ルミナス・エクスカリバー」
- 風の楽器「ゼフィロスの笛」
- 大地の盾「テラの壁」
- 水の鏡「ネプトゥナの瞳」
- 炎の書「ヴォルカノの律」
- 時の砂「クロンの砂時計」
- 魂の灯「プシケの灯火」
これらが、ミラの祈りに反応し、共鳴を始めた。
そして、空に七つの幻影が現れた。
それは、ヴォルガルの民が長く崇めてきた「七柱の守護神」の姿。
「我らは、沈黙していたわけではない」
と、光の神ルミナスが語った。
「神は、祈りに応える存在ではない。
祈りは、人間が自らの魂を磨くための行為。
だが、今、この祈りは純粋だった。
幼き者が、絶望の中でもなお、愛を求めた。
その心が、我らの封印を解いた」
ガルシア騎士団の兵士たちは、恐怖に震えた。
セレスティアでさえ、剣を構えながらも、足を止めずにはいられなかった。
「これは……幻惑か?神話の捏造か?」
「違う」
と、大地の神テラが答えた。
「我らは、信仰によって存在する。
そして、今、再び信じられた。
ゆえに、我らは帰ってきた」
七柱の神々は、それぞれの力を解放した。
光の剣が天を切り、
風の笛が嵐を呼び、
大地の盾が都市を守り、
水の鏡が兵士たちの心を洗い、
炎の書が偽りの教義を焼き尽くし、
時の砂が戦場の時間を遡らせ、
魂の灯が死者たちの記憶を呼び覚ました。
第五章:祈りの力
セレスティアは、膝をついた。
「なぜ……なぜ神は、あなたがたを守る?
我らガルシアは、神の名を正しく崇めている。
なのに、なぜ……」
「あなたが崇めたのは、神ではない」
と、魂の神プシケが静かに言った。
「あなたが崇めたのは、権力だった。
神の名を借りて、他者を裁く快楽だった。
信仰とは、他者を救うための光。
それが、あなたにはなかった」
セレスティアの鎧が、光に包まれて崩れ始めた。
彼女の心の中にある、幼き日の記憶が浮かび上がる。
——かつて、彼女もまた、戦火の中で祈った少女だった。
「神様、どうかパパを助けて」
だが、その祈りは届かず、父は死んだ。
それ以来、彼女は「神は弱者の幻想」と決めつけ、
代わりに「神の代理人」として、力で正義を貫こうとした。
「……私は、間違っていたのか?」
「間違っていたのは、祈り方だ」
と、ミラが言った。
少女は、崩れ落ちるセレスティアの前に立ち、小さな手を差し出した。
「祈りは、願いを叶える魔法じゃない。
でも、心をつなげる鍵になる。
私も、神様に助けてって言ったけど、パパは帰ってこなかった。
でも、ママが言ってくれたの。
『あなたの祈りは、きっと届いたよ。パパは、あなたの声を聞いて、笑って逝ったんだよ』って」
セレスティアの目から、涙がこぼれた。
「……私は、誰の声も聞いていなかった」
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第六章:終焉と始まり
七柱の神々は、戦いを止めた。
ガルシア騎士団の戦艦は、自壊して空に消えた。
武器は砂となり、戦場は花で覆われた。
神々は言った。
「我らは、再び封印される。
神が常に関与しては、人間は成長しない。
だが、今一度、約束しよう。
祈りが純粋である限り、
我らは、その声に耳を傾ける。
そして、必要あらば、帰ってくる」
そして、神々は消えた。
残されたのは、荒廃した大地と、傷ついた人々。
しかし、その目には、もう絶望はなかった。
エリゼ女王は、ミラを抱きしめながら言った。
「神がいようといまいと、我々は祈り続けるべきだ。
なぜなら、祈りは、人間が人間である証だから」
セレスティアは、白銀の鎧を脱ぎ捨て、
ヴォルガルの孤児院で、子供たちに語りかけるようになった。
「神を信じる前に、まず、人を信じなさい」
「そして、信じられないときこそ、祈りなさい」
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終章:神への祈り
数年後。
ルミナス・アステルの中央広場には、新たな像が建てられた。
七柱の神々ではなく、一人の少女と、一人の元騎士が、手を取り合う像。
その台座には、こう刻まれていた。
**「祈りとは、絶望の中に光を見出す行為である。
神がいるかどうかではなく、
『それでも信じたい』という心が、
真の奇跡を生むのだ」**
そして今も、夜ごと、人々は空を見上げ、祈る。
神が答えるかどうかは、わからない。
でも、祈り続けること——
それこそが、人間が神に近づく、唯一の道なのだから。
(了)
どうだったでしょうか?
急いで執筆したので、いろいろと不備(論理破綻と誤字)がありましたら、ご容赦願います。
では!




