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異世界最強勇者の逃亡生活 〜旅する仲間は俺の弟子〜  作者: かなちょろ


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第46話【黒い心】

 リアンが連れ去られて半年が過ぎた……。

 俺はリアンとの戦いで倒れ、ディーンに助けられたあの後、リアンが連れ去られた事を聞き、探し出すために旅を続けている。

 ルスヴィズは連れて行かれなかったので、戦っていたルナとライラが仮面を飛ばすと元に戻り、ルスヴィズもリアンを取り戻すためにルヴァクと鍛え始めているようだ。

 ディーンとは普通に話すが口数も減り、今まで以上に修行に明け暮れていた……リアンを魔族から取り戻すために……。

 ルナ、ライラも今の力では足りないと感じたのか俺にもっとハードに修行をつけて欲しいと頼み込んで来た。

 俺は修行の合間をぬってリアンの手がかりを探したが手がかりは掴めずにいる。

 だけどきっとリアンはまた俺の前に現れるはずだ。

 その時こそ必ず助け出す!


 砂漠を抜け荒野で修行をしていた時、あれから更にひと月経った時にリアンは現れた。


「お久しぶりですね、先生」

「リアン!」

「今度こそ私の怨みを晴らさせていただきますね」

「リアン! 無事だったか……」

「リアンさん!」

「リアン!」

「みなさんもお元気そうで安心しました。 ルスヴィズも元気そうだし……」


 リアンは周りのみんなを見て安心したように微笑んだ。


「それじゃ先生、戦いますか?」

「やっぱり戦わないとダメか?」

「当然です。 早く私の中に渦巻くこの憎悪をぶつけないと私がどうにかなってしまいます」

「そうか……」

「あ、抵抗はして下さいね。 せっかく力をつけたのに意味ないですからね」

「リアン! 師匠の前に俺が相手になる!」

「兄さんは相変わらず先生側なのね……まあ先生は兄さんの憧れみたいなものだものね」

「それだけじゃない! リアンは魔族に騙されているんだ!」

「ケッケッケ……私は本当の事を教えただけだぞ」

「てめえ!」


 鳥顔の魔族がリアンの隣に現れた。


「積もる話しはあの勇者を倒した後にするがいい……ほれ!」


 魔族がリアンの身長程もある禍々しさ満載の杖をリアンは受け取り俺に向けて来た。


「リアン!」

「兄さん達はこの魔族を相手にしててね、先生を殺したらまた旅を続けましょうね」

「リアンさん!」

「リアン!」

「仕方ない、相手をしてやるか……」



 鳥顔の魔族は空に魔法陣を出すと、そこからサラサラと砂が落ちて一つの大きなゴーレムとなった。


「ほれ、お前らの相手はこいつだ。 私はお前らが死んだ頃にまた来よう」

「逃げるんですか!?」

「私は忙しいのだよ」


 魔族は消え、砂の人形(サンドゴーレム)が動き出した。


「これで邪魔はされなくなりました。 さあ、こちらも始めましょう」


 リアンは杖をかざすと黒い塊が浮かび上がる。


「どうですか? これが私の気持ちです。 ちゃんと受け止めて下さいね」


 巨大に膨れ上がった黒い塊は俺を目掛けて放たれた。

 俺は魔力の剣で斬って防ごうとしたが、刀身を抜き放つもすり抜けてしまう。


「魔力の刀身じゃダメか」


 すかさず転移して回避するもリアンは黒い塊を俺の転移先に動かしていた。


「くっ!」


 まさか転移先がわかるのか? それならリアンの元に転移すれば……。


「先生、私の元に転移して憎悪の塊を私にぶつけようとしても無駄ですよ」


 リアンの言う通り、リアンを抑え込み黒い塊を当てようとしたが、塊はリアンをすり抜けて俺に直接当たる。


「がぁ! ぐああああ!!」


 この黒い塊は前の非では無く、この一撃で俺の心に雷が直撃したような痛みが走る。


「ハア……いい響きです……この声で私の心が軽くなる気がします」

「ぐぅ……リ……アン」

「あと何発耐えられますか? 少しでも私の気持ちを軽くするために頑張って下さいね」


 リアンは再度、黒い塊を作り出し膝をついてしまっている俺に飛ばして来た。

 回避も出来ず直撃し、今度は痛みはないが俺の心も黒く染まって行く感覚に動けずにその場に倒れた。


「ディーンさん! マシオさんが!」

「ムーンさんは師匠の所へ!」

「ええ!」


 ムーンは俺の元へ向かおうとするも、サンドゴーレムが砂へと変わり立ち塞がってしまう。


「こいつ……」


 ディーン達はサンドゴーレムに手こずっていた。

 サンドゴーレムは武器で攻撃しても効果が無く、魔法を打ち込んでも砂へと変わり直ぐに元に戻ってしまう。

 逆にサンドゴーレムは体から砂を伸ばして鞭のようにして攻撃してくるし、魔法で土を氷柱のようにして飛ばしてくる。


「こいつ私の爪も効かないよ〜!」

「ゴーレムなら弱点があるはずなのに……」


 ライラは通常のゴーレムには額に魔力の核があり、それを壊せばゴーレムは倒せると言うのだが、このサンドゴーレムには弱点となる核が見たらない。


「こうなったら……ゴーレム全てを焼き尽くしてやる!」


 ディーンの全身が燃え、背中には炎の翼が現れ空中に飛び上る。


「フェニックスダイブ!」


 ディーンの攻撃が当たった時にゴーレムは爆散して砂となり飛び散るとまた元に戻ってしまった。


「このゴーレム……強い……」

「砂だからと甘く見てたか……」

「ディーンさん、ルナさん、ムーンさん……離れて! 私に任せてください……ルヴァク、ルスヴィズ力を貸して!」


 2頭がライラの両隣に着くと、ライラは魔力を込め空に向けて両手を上げる。

 風が舞い上がり始めるとルヴァクとルスヴィズも風の魔法を使い、魔法が合わさる!

 風が合わさりライラ達の周りに竜巻が発生する。

 竜巻は広がりライラ、ルヴァク、ルスヴィズそしてゴーレムを包み込み、ゴーレムの砂の体を削り取って行く。


「はああああ!!」


 ライラはゴーレムに向けて両手をかざすと、竜巻は幅を狭めゴーレムだけを包み、バラけた砂の体は竜巻から逃れられない。


「ディーンさん! 炎を!」

「わかった! フェニックスウイング!!」


 ディーンの炎が竜巻に加わり炎の旋風となる。


「燃やしつくしてやる!」


 天まで上った炎の竜巻が消えるとゴーレムの核は破壊したようで再生はされずにいた。


「ハァハァ……わた……私達はもう動けません……マシオ殿を頼みます……」


 ライラと2頭は魔力を使い果たし、動けなくなっている。

 ムーンとルナがライラと2頭に付き、ディーンは俺とリアンの元へと急ぐ。

 読んで頂きありがとうございます。

 頑張って書いていきますので、モチベを上げてあげようと思っていただけるようでしたらブクマや★評価をつけていただけますと作者が喜んで踊りながら遅い執筆も早くなると思いますので、どうぞよろしくお願いします。

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