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異世界最強勇者の逃亡生活 〜旅する仲間は俺の弟子〜  作者: かなちょろ


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第44話【魔族の居場所】

 魔族に奪われたリアンを救うために俺達は聖王都【グランラキア】を目指している。

 グランラキアには海を渡る必要があるためグランラキア行きの船を港町で探す。


「ここから船が出てるんですか?」


 辿り着いたのは【クルーメ】と言う港町。


「僕が聞いて来ます!」


 ディーンはずっと落ち着かない……妹がよりにも寄って魔族に奪われたとあれば当然だ。

 もちろんディーンだけでは無くみんな気にしている。

 俺も平静を装っているが気になって眠れない時もある……だが魔族と戦う以上は睡眠をとっておかないと、いざという時に力が発揮できなければリアンを救えない……だからディーン達にもちゃんと眠り、いざという時に力を発揮できるようにしておいて欲しいと伝えてある。

 ディーンが船を頑張って探してくれたおかげで船は直ぐに見つかり早速乗り込んで大海原へと出航した。


「グランラキアにはどのくらいで着くんでしょう?」

「順調に行けば1週間ほどだろうな」

「1週間……もっと早く着かないんですか?」

「俺は船乗りじゃないからな……任せるしかないだろう」

「……そうですよね……」


 ライラもムーンさんも心配が尽きない……。

 船に弱いディーンもリアンの事が気になりすぎているのか船酔いはしていない様子。

 俺にも裏ギルドのラフィーレのような空間を移動出来る武器があればな……。

 みんな色々な思いを持って船旅は続き、天も味方してくれたのか何事もなく無事に聖王都グランラキアに到着した。


「師匠! 早く早く!」


 到着するなりディーンは走って真っ先に船を降りて行く。

 グランラキアは整備が行き届いているのか綺麗な町並みだ。

 町に降りた俺達はまずギルドに向かう事にする。


「ライラとディーンでギルドに行ってみてくれ。 ムーンさんは宿を、俺は他を探してみる」


 みんなと別れてサーチで魔力が高い人を探す。

 

「……ふむ……多いな……」


 グランラキアには魔力の高い人が多過ぎて判別が難しい……多くの魔力が集まっている場所に行ってみるか。


 魔力が多く集まっている場所……聖王都グランラキアの城、魔法ギルド、冒険者ギルド、酒場……。

 この中で行けそうなのは酒場だけか……。

 グランラキアの酒場は他と違って上品な感じの内装で、ザワついてはいるが騒がしくは無い。

 みんな割と普通に呑んでいる。


「酒を一杯とちょっと聞きたい事がある」


 カウンターで酒を注文する。 情報を聞くにはまずは注文だ。


「なんだい?」

「ここに裏ギルドのメンバーはいるかい?」

「……裏ギルド? よくわからないな……」


 知ってますと言う顔をしながら知らない素ぶりをするか……そう簡単に知ってるとは言わないか……。


「裏ギルドのメンバーに話しを聞きたくてね」

「……話しを? どんな話しなんだ?」

「ここだけの話しなんだが……」


 小声で話す。


「裏ギルドが探している勇者が来たと伝えて欲しい」

「なっ! 勇者だと! お前が!?」

「声が大きい! 他の奴に聞かれたら困るんだよ」

「す、すまねぇ……裏ギルドとかはよくわからんが来たら話しておく」

「助かる……これは酒代と情報料だ」


 酒代より少し多めに置いて酒場を後にする。

 ……うん、着いて来てるな……。

 酒場であの大声を聞けば誰かが着いてくるだろうとは思っていたよ。


「くっ! 見失ったか……」


 酒場を出て路地に入ると建物の屋根の上に転移して確認する。

 着いて来た男は普通の冒険者のような格好をしていてサーチすればそれなりの魔力だ。

 その男は色々と寄り道をしながら時間をかけて町外れにある建物に入って行った。


「ここか……」


 建物は木造三階建……だがさっきの奴は上に上がっていない。

 それどころか建物から反応が消えた。


「どう言う事だ? 転移などの反応も無い……」


 いきなり消えた感じだ。

 建物にいないのなら……地下か?

 こんな整った町なら下水がしっかりあるはずだが、地下へ転移しようとするも何故か出来ない。

 仕方ない……地下への入り口を探す必要があるな。

 幸い建物の中へは転移出来たので反応の無い場所へ転移する。


「この辺か?」


 反応がおかしかった部屋には古い道具などが置かれた物置となっているようで入り口らしき場所は無い。

 魔法で隠してあるってのがセオリーだよな。

 壁を探ってみると、一部に魔力の反応がある。

 魔力の反応がある場所に魔力を通すと魔法で隠した扉が現れた。


「ここだな……、……これは……」


 扉を開けると地下への階段と白い石で作られた長い通路が続いていた。

 どうやらこの白い壁が転移の魔法を弾いていたようだ。


「この通路はどこまで続いてるんだ?」


 この方角に続いていると城に辿り着きそうだ。

 通路の奥には一つの扉がある。 どうやらここがそうらしい。

 扉をノックすると、中から「どうぞ」と女性の声が聞こえてくる。

 扉を開けて中に入ると、そこは広い部屋となっていてまるで神殿のようになっていて、部屋には水が張られており、その真ん中に巨大で丸い水晶が置いてある。


「お待ちしておりました勇者様」


 水晶の隣には女性が1人、長い金髪の髪と少し透けている服が濡れた状態で立っていた。


「まるで俺が来るのがわかっていたようだな」

「もちろん……私の名前は【マーリャクア】と申します」

「あんたが魔族の居場所がわかるって人かい?」

「そうです……」

「なら聞きたい! 今魔族は何処にいる!?」

「落ち着いてください。 私がわかるのは魔族が現れた時だけ……今は現れておりません」

「魔族が集まる居場所まではわからないって事か?」

「そうです……おそらく魔王の力だとは思いますが……」

「くそっ! 俺達は何しにここまで……」


 リアンの居場所がわからなければここまで来た意味がない……。


 その時、水晶が光り始めた。


「どうやら魔族が現れたようです……居場所を知りたいですか?」

「本当か! もちろんどだ! 教えてくれ!!」

「何故そんなに魔族を追うのです? 勇者だからですか?」

「勇者なんてとっくに廃業しているさ……今はただの旅人だ……だがその旅人にも無くさない物がある」

「それは?」

「仲間だ!」

「随分とストレートに言うのですね」

「本当の事だからな……」


 ディーン、リアン、ライラ、ムーン、ルナ……俺の弟子と言っているが俺は仲間だと思っている。


「現れた魔族の場所はここから少し遠いですね……向かっても間に合わないかも知れません」

「全力で追ってやる! だから教えてくれ!」

「……わかりました」


 マーリャクアが水晶に手を当てるとうっすらと魔族が映し出される。


「あれは鳥顔の! あいつだ!」

「そうですか、しかしどうやら魔族は3人いるようです……1人で大丈夫なんですか?」


 魔族が3人……あの鳥顔の魔族だけ捕まえて転移すればなんとかなる……なんとかしてみせる!


「大丈夫だ! 早く教えてくれ!」

「わかりました……」


 その場所はここからかなり離れた国【サードゥ】と言う砂漠の国だ……。

 転移でも……ひと月以上はかかる……、……くそっ!!


 俺は床を叩き水柱が辺りに舞う。


「俺なら一瞬だぜ」


 水晶の後ろから出て来たのはラフィーレ。


「俺の剣なら一瞬でその場所に行けるから俺が行って倒して来てやる」

「待ってくれ! 頼む! 俺をその場所に連れて行ってくれ!」


 俺はすぐさま土下座してラフィーレに頼み込んだ。

 土下座のまましばらく沈黙が続く。

 ……やはり裏ギルドが宿敵としている俺はダメか……?


「……いいぜ、連れて行ってやるが魔族との戦いに力はかせない……それでもいいか?」

「もちろんだ! 連れて行ってくれるだけで構わない!」

「決まりだな、それならちょっと待ってな」


 ラフィーレは空間を切り裂いて消えて行った。


「勇者様、ひとつお聞きしても良いですか?」

「なんですか?」

「勇者様は本当に光の国【ジュナシオン】を滅ぼしたのですか?」

「……結果的には……」

「……そうでしたか……」


 沈黙が続く中、ラフィーレが戻って来ると空間からディーン、ライラ、ムーン、ルナも出て来た。


「本当に師匠がいる!」

「マシオ殿! 魔族の場所がわかったって本当ですか!?」

「ああ、あの鳥野郎の場所がわかった」

「それならリアンさんを助けられますね」

「かなり遠い場所だからな……ラフィーレが連れて行ってくれる」

「それなら早く行こうよ! リアンが待ってるかも知れないよ!」

「そうだな、ラフィーレ頼む!」

「任せておけ」


 ラフィーレの剣が空間を切り裂き、星空のような道を通ると砂漠へと行き着いた。


「俺は戻るが、考えておいてくれ」


 そう言ってラフィーレは消えた。

 

 まずは早く魔族を探してリアンを助け出す!

 読んで頂きありがとうございます。

 頑張って書いていきますので、モチベを上げてあげようと思っていただけるようでしたらブクマや★評価をつけていただけますと作者が喜んで踊りながら遅い執筆も早くなると思いますので、どうぞよろしくお願いします。

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