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第42話【旅の途中で】

 町に戻った俺達は町の人に山賊を倒した事を話して町から奪われていた金品を町長に返した。


「おお! ありがたい! 山賊を倒すだけでは無く、町から奪われた物まで返してくださるとは……本当にありがとう」

「いえいえ、それもこの子がですね……」

「この子はなんだい?」

「……すまぬ……妾が……」


 ポルリミアンは町長に頭を下げそうになるのを俺は止めた。


「この子が山賊を倒してくれたのでこちらはほとんど何もしていませんよ」

「なんと! こんな幼子が!?」

「こう見えてもこの子は強いんですよ……な?」

「え? えと……妾は……」

「そうか、そうか、どうもありがとう」


 町長はポルリミアンの手を取りお礼を述べた。

 そして俺達が旅人と知り、少しだがお礼金を渡してくれ宿の手配もしてくれ、そこにはポルリミアンも着いてきている。


「何故あんな事を言ったのじゃ? 妾のせいだと言うのに」

「ポルリミアンが主犯ですなんて言ったら、またあの湖城で暮らしにくくなるだろ? 食料が足りなくなればまたこの町にくればいい」

「……お前はそれでよいのか?」

「俺達は構わないさ。 ただし、もう悪さするんじゃ無いぞ」

「……わかったのじゃ……礼を言う……」


 ポルリミアンは深々と頭を下げて、湖城へと飛び立って行った。


「先生、あれでよかったのですか?」

「まあいいんじゃないか? お礼ももらったし」

「それにしてもあの子……いつからあそこにいたんでしょうね……これから一人で暮らして行くのでしょうか?」


 ムーンさんはポルリミアンが一人で暮らして行く事が気がかりなようだが……連れて行くわけにもなぁ……。


「町の人もいるし大丈夫だろ」

「……そうですね……」


 ムーンさんは後ろ髪をひかれつつも、馬車の旅は続く。

 この広い湖をぐるっと反対側に回り広い草原を進み森の細い道へと出た。


「道が細いですね」

「馬車がギリギリ通れるかどうかだな……ムーンさん通れそう?」

「はい、なんとか大丈夫です。 ただこの先がどうなってるか……」

「それなら私が見て来るよ。 丁度体を動かしたかったし」


 ルナは馬車から飛び出して先に走って行ってしまった。

 ルナの事を待つために馬車を止めて食事の支度を始める。


「ルナったらどこまで行ったのかしら?」

「体を動かしたいって言ってたからな、かなり先まで行っちゃったんじゃ無いか?」


 俺のサーチでも反応が無いので、範囲外まで行ったんだろう。


「私も着いて行けばよかったですね」

「ライラさんは馬車からの見張り役だからね、しょうがないさ」


 しばらくルナが戻って来るのを待っていると、猛スピードで走り去るルナがいた。


「わっ! わっ! 行き過ぎた!」

「どうしたんだルナ?」

「そ、それがね……大変なんだ!」

「何が大変なんだ?」

「この先、ずーっと行った所で魔族と戦ってる人がいた!」

「魔族と!? 人数は?」

「1人だったよ」


 1人で魔族と戦える実力があるのは……裏ギルドの連中か?


「みんなはここにいてくれ、俺が行ってみる」

「でも師匠も狙われるかも知れないよ? だから僕も行くよ」

「私もマシオ殿のお手伝いします」

「いや、まずは様子見だから1人の方が動きやすい。 しばらくして戻ってこなかったら馬車をルスヴィズ達とムーンさんに任せて見に来てくれ」

「わかりました」


 転移を繰り返してルナが見た場所へ向かうと、確かに荒野で誰かが戦っている……複数のゴーレム達と……。

 手を出すか……引き返すか……もう少しだけ様子を見てみるか……。

 見える位置まで転移すると、戦っていた裏ギルドの奴は前に俺を助けてくれた【ラフィーレ】とか言う奴と、魔族の方は俺を封じ込めた【ヘナス】だ!


「……確かに人間としてはお強い……ですが、このゴーレムの数と私の攻撃をいつまで躱せますかね?」


 ラフィーレの剣はゴーレムを斬り裂いてはいるが、このゴーレム……砕けた所を周りの岩場から再生してるのか……。

 あれではゴーレムの核を破壊しないと倒せないだろう。


「ホルド!」

「くっ! 邪魔だ!」


 ヘナスは俺を封じ込めた結界でラフィーレの腕を固めるも、ラフィーレの持つ剣はその結界を斬り裂く。

 そしてヘナスに攻撃するも転移で避けられ、ゴーレムの攻撃が来る。


 ……仕方ない、ゴーレムは俺がやってやるか……。


 俺は隠れていた岩陰から飛び出して蛇腹剣でゴーレムを攻撃する。


「あ! お前は!?」

「この間の借りを返させてもらうぜ」

「……助かる。 それなら俺はあの魔族を!」


 俺が飛び出て来た事にヘナスも驚いたようだ。


「な、なんで貴様がここに!? しかも我がゴーレム達を! ……しかし、これならどうだ!」


 ヘナスは魔法陣を展開すると、中から現れたのは更に大きく黒く輝くゴーレムだった。

 その黒いゴーレムに蛇腹剣は弾かれてしまう。


「くくく……そのゴーレムはアダチウム製のゴーレムでな、魔法はおろかそんな剣では傷もつかぬぞ!」


 アダチウムは確かこの世界でミスリルより固く強固な金属……ドワーフでも伝説の鍛治士がやっと加工出来たとか言う代物だ。


「随分大層な物を出して来たな」

「お前達を倒すには丁度よいだろう」


 ヘナスは転移を繰り返してラフィーレの攻撃を躱し続けている。


「避けてはかりいないで攻撃して来たらどうだ?」


 ラフィーレが挑発するもヘナスは笑う。


「どうやら私と貴様では相性が悪いようなんでね。 ゴーレムに任せる事にするよ」

「あ! 待て!」


 ヘナスは消えてしまった。


「しょうがない、ゴーレムをさっさと倒すか……」


 ラフィーレがゴーレムに攻撃するも、剣が弾かれてしまう。


「ほう、俺の剣を弾くか……、……どうだ、そっちはやれそうか?」

「ああ、もちろんだ!」

「そうか……それならゴーレム退治は任せる。 それじゃあな」

「お、おい!」


 ラフィーレは空間に消えて行った……。


「あの野郎! 押し付けて行きやがって……」


 俺は剣を変えて戦ってみるもほとんど効いていない。


「魔力依存の剣じゃたいして効いてないか……」


 こちらの攻撃はたいして効かないが、ゴーレムの攻撃はこの辺りの荒野を穴だらけにするほどの威力がある。

 防戦一方の俺は色々と試すが、このアダチウム製のゴーレムには効果が薄い……。

 倒す手立てを見つけるために時間がかかってしまい、ゴーレムのデカい拳が俺をとらえた。

 ドォンと音を立てて地面に穴が開く威力だが……、……その拳を止めたのはルナだった。


「間に合ったー!」

「ルナ!」

「帰りが遅いから私が先に来たよ」

「助かる! みんなも来てるのか?」

「うん! ディーンとライラが後から来るよ」

「それなら……ルナ、少しゴーレムの相手を頼む!」

「うん! わかった!」


 ルナはゴーレムの拳を持って投げ飛ばす。

 その隙に俺は剣に魔力と闘気を溜める。


「師匠!」

「マシオ殿無事ですか!?」

「2人とも来てくれたか! ルナと協力してゴーレムを頼む! ただこのゴーレムは魔法がほとんど効かない! 注意してくれ!」

「はい!」

「わかりました!」


 ルナはゴーレムをパワーで抑え、ライラは俊敏差で撹乱し、ディーンは魔法が効かずとも火を飛ばしてゴーレムの目隠しをする。


「……よし……溜まった……みんな! 下がれ!!」


 地面に突き刺した俺の剣が異様なまでに輝いているのを見ると、3人は直ぐに後ろに下がった。


「はあああああ!!」


 剣を地面に突き刺したままゴーレムに向かって走る。

 俺が走った後には剣からの強力なエネルギーが光る道を作り出した。

 ゴーレムの拳を躱し、目の前に辿り着く。

 地面からゴーレムごと天に向かって剣を振り上げると強力なエネルギーの光りがゴーレムの体を真っ直ぐに一条の光りとなって走った。

 光りが天まで届いた時、ゴーレムは真っ二つに斬れ崩れ去った。


「さ、さすが師匠……」

「はは……力を使い過ぎた……しばらく動けん……」


 俺は大の字に倒れ、3人は俺が回復するまで待っている所に、ムーンさんが走って来た。

 読んで頂きありがとうございます。

 頑張って書いていきますので、モチベを上げてあげようと思っていただけるようでしたらブクマや★評価をつけていただけますと作者が喜んで踊りながら遅い執筆も早くなると思いますので、どうぞよろしくお願いします。

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