第37話【新たなスキル】
みんなの協力によりヘナスの結界から助けられた俺は気を失っているディーンを抱えて宿に戻った。
「いてー! もっと優しくしてくれよ」
「兄さん少しは我慢して! まったくあんな無茶な戦いするからでしょ!」
俺の魔力はヘナスの結界に吸われて著しく減りほとんど無いのでみんなの回復が出来ず、気がついたリアンが代わりに回復魔法をかけているが、どうもいつもと違う様子だ。
「リアン、その回復魔法いつもと少し違うな」
「そうですか? 私はあまり変わっていないように感じますが……ほら兄さん! 動かないで!」
「だっていつもの回復と違ってチクチクするんだよ!」
「兄さんの怪我が酷いんだから当たり前でしょ!」
「だって……」
文句を垂らしながらディーンはリアンに回復してもらっている。
ルナの方はほとんどダメージが回復しているので問題無い。
ライラも怪我はしていないので今は休んでいる。
「マシオさん……申し訳ありません」
ムーンさんが深々と頭を下げて来る。
「どうしたんですか?」
「あの時、私が気をつけていればマシオさんが封印される事なんてなかったのに……」
「いや、あれは俺のミスだよ。 相手は転移を得意とした戦い方だった……だからこそ仲間の事も加味するべきだった……、……だから気にしないでくれるとありがたい」
「マシオさん……ありがとうございます」
ムーンさんはやはり気にしてしまっているようだ。
今まで個人で戦う事が多かったからな……仲間の事もこれからは戦略として考えないと……もう危険な目には合わせられない……。
「さてみんな、今回の事は俺のミスで迷惑をかけた……助けてくれた礼を言う。 ありがとう」
俺は素直に頭を下げてみんなに礼を言った。
「先生……」
「マシオ……」
「師匠……」
「マシオ殿……」
「マシオさん……」
突然みんなが抱きついて来て、俺はベッドに倒されてしまった。
「よかった、よかったです〜!」
「師匠があんな事でやられるわけないです! 僕は信じてました!」
「マシオ〜! 私も頑張ったよ〜!」
「マシオ殿、わ、私も失礼します!」
「マシオさん……」
「みんな……心配かけたな……」
仲間というのはあたたかいものだな……。
しばらくそのままだったが、これからの事を考え無くてはならない。
「さて、まずはディーン、リアン、ライラの結果を見せてくれ」
3人の変わった結果を見せてもらう。 まずはディーンからだ。
剣技B、体術C、魔法B、魔法剣、適正火、火耐性Bとかなり上がり火耐性もついている。
リアンの方はと……。
魔法A、回復B、魔力吸収、適正水、氷、風、慈愛 アイテムボックス。
慈愛とアイテムボックスが追加させているな。
ライラは初めて見る。
体術A、剣技B、弓技A、魔法B、適正風、幻、気配察知、魔力察知。
かなりズバ抜けている。
「3人共めちゃめちゃ上がってるな……もう俺が教える事は無いんじゃ無いか?」
「そんな事ありません!」
「そうだよ! まだまだ師匠には勝てないし、追いついてもいないです!」
「はい。 もっと色々教えていただ無くては」
どうやらまだまだ離れる気は無いようだ。
「わかった。 これからもっと修行ほ厳しくしていくからな」
「「はい!!」」
「私も! 私も!」
「もちろんルナも鍛えてやるさ」
「マシオ〜!」
「こら〜! 先生から離れない〜!」
ひっついて来るルナをリアンは引き剥がしていた。
「ふむ、そろそろ馬車もどうなったか気になるから明日見に行くか……ディーンとリアンに着いてきてもらうよ」
「わかりました」
「やった!」
「ルナとライラはムーンさんの指導の元修行だ」
「わかりました」
「お任せください」
「えー! 私もマシオと行きたい〜!」
「ルナ、あなたはまだ力を上手く使えていないのですから私がしっかり教えます!」
「そんな〜……」
予定が決まったので今日は食事も早々に済ませて休む事にした。
そして翌日、俺はディーンとリアンを連れてクジュラの村に転移していた。
「先生なんでまたクジュラの村に来たんですか?」
「2人をもう一度調べてもらうためさ」
「調べたばかりなのにですか?」
「そうだ。 今日はこの後に馬車の様子を見に行くからな。 早く調べてこよう」
「……はい……」
2人はもう一度調べる事が気になっているようだが、俺も気になる事がある。
それはあのヘナスとの戦いで2人に変化があった事だ……。
教会の人に簡単に説明をしてもう一度調べてもらう。 ちゃんと対価は支払ったので教会の人はちゃんと調べてくれた。
その調べた結果だが……。
ディーンは基本的に変わりは無いが、【炎の翼】と言うスキルが追加されていた。
リアンの方も変わりは無いが新たに【魔力超過】が追加されている。
どちらも知らないスキルだ。
「師匠! 僕に新しいスキルが追加されてます!」
「私もです!」
「こらこら、そんなに大声で話しちゃダメだ。 誰かに聞かれたら大変だぞ。 それと2人の新しいスキルは俺にもわからない。 今度試してみる事にしような」
「「はい!!」」
「よし、次は馬車を見に行こう」
戻って来た俺達は馬車を見に行くと……。
「おお! お待ちしてましたよ!」
俺が注文した馬車の前で出迎えてくれた。
「いい出来ですね」
「もちろんですよ! 職人が手塩にかけて作りましたからね」
「完成ですか?」
「完成まであと一歩ですね。 こちらの内装なんですが……」
内装の事も告げると、あと2、3日で完成するだろうとの事。
お金もだいぶ勉強してくれたが、こちらもかなり無茶を言ったからな……少し上乗せさせてもらおう……。
宿に戻り、馬車の事をみんなに伝えるついでに今回の馬車を作るに当たって金が無くなる事も告げた。
「先生お金がなくなったらどうするんですか?」
「マシオ殿、私なら少しありますがかなり節約しなければいけないです」
「また野草ばかりはやだよ〜」
「ルナ、我慢も大事ですよ」
「みんな慌てないでくれ。 馬車の完成まではまだ日にちもある……その間に稼げばいいだけだ」
「師匠どうやって稼ぐんですか?」
「ふむ……各々で考えてみて欲しい。 そして3日でどれだけ稼げたか教えて欲しい……これも修行だ」
「自分で稼ぐ……」
「僕は出来るよ」
「先生、私も頑張ります!」
「ママ、どうしよう……」
「自分で考えてみなさい。 私も頑張りますね」
各自3日でお金を稼ぐ事に決まった。
俺はもちろん山賊退治でもする予定だ。
さて、みんなはどうやって稼ぐのか3日後が楽しみだな。




