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ゴブリン襲来、お客様は神様です

ここは24時間ダンジョンコンビニ

どんなときでも、どんな時間でも、何があっても24時間ブラックコンビニ


深夜2時、ゴブゴブと集団のお客様が来店してくるのが、自動ドアの広告ポスター越しに見えてくる


テッテレー♪ガー


「おい、月間ゴブリンファイターの新刊が入っているぞ」

「パイセン!今月のゴブリダ、表紙リンゴブっすよ!ヤベぇ、めっちゃこのフンドシ際どいっすね!」

「あー、ここを攻略したら、レアアイテムが入るんだ」


新刊を求めて、タイトルがきれいに見える位置で陳列された本棚の方へ一直線に向かったゴブリンの集団が、わちゃわちゃとしている


テッテレー♪ガー

「いらっしゃいませー」


ゴールドメタルの首輪に、スカルのイヤリング、指サックをはめた深夜の徘徊ゴブリンだ。今は、きっと準夜の交代時間なのだろう。こいつらは2時間ほど、コンビニに滞在して本を読み荒らしては、満足して帰っていく


しかし、リンゴブ巨乳だな


テッテレー♪ガー


「いらっしゃいませー」


首から等身大の超合金スカルをネックレスとしてぶら下げたひときわ大きなゴブリンが、どしどしと入ってくる。どうやら、スカルはゴブリンの流行りらしい


「おう、お前ら休憩か?」

「ジャ・・ジャゴブイアンさん!」


「っかれさまーっす!!」

ゴブリンが商品のように綺麗に陳列し、90度のお辞儀をして、週間ゴブリダを持つ手が震えている。あまり商品を握りつぶさないでほしいのだが


「今夜の準夜は何人体制だったか?」

「10人っす!!」


ひときわ体格の大きいゴブリンが、飲料棚からブラックコーヒーを10本と牛乳を1本取り出しかごに入れると、本に群がるゴブリンたちを睨みつけ震える手から週間ゴブリタを取り上げレジに持ってくる


ピッ


「2250ペソになります」

「peso pesoで」


ジャゴブイアンなるゴブリンはレジ袋から牛乳を取り出すと袋ごと、週間ゴブリタを握っていたゴブリンに渡した


「お前のものは俺のもの。俺のものもお前らのものだ。あと6時間がんばれよ」


テッテレー♪ガー

「あざーす!!」

「ありがとうございましたー」


右手を軽くあげイケおじジャゴブイアンはコンビニをあとにする。ゴブリン業界ホワイト企業すぎる。転職しようか悩む


テッテレー♪ガー


「いや、今日マジ疲れたわー」

「もう!あんたのせいで、また天に召されるとこだったわよ」


「いらっしゃいませー」


常連客の勇者が、パーティメンバーをつれて入ってくる。自慢の聖剣は返り血だろうか、緑色の液体で汚れ、戦利品であるスカルのチョーカーを腰から下げている


「お!今週のgoburita入荷されてる!うお!表紙リンリンじゃん!!」

「・・・うわぁ、あんた・・勇者のくせにgoburita読んでんの引くわ」


週間ゴブリダ人気だな

しかし、さすが大手gadogawa書店。顧客のニーズに合わせた内容と読む手の種族に瞬時に変化させる魔法を使った書籍を発行するとは


「おっ!兄さんもゴブリダ愛読者っすか」

「リンリンいいっすよねー!この巨乳に似合わないあどけない笑顔!」

「わかるっす!これで既婚者子持ち10人とは思えないっす!」

「あんたたちひくわ~」


普通の書店であれば、立ち読み客は迷惑だが、コンビニでは客寄せと防犯のために重宝される存在だから注意はしない


テッテレー♪ガー

「ありがとうございましたー」


今日も様々な顧客が、様々な目的でダンジョンコンビニに訪れている

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