第9話 二度目の絶望
どうも!5時間も昼寝をしていた輝々です!
今回は少し短めですが投稿致しましたので是非楽しんでください!
それから2年後のとある森。!昼間なのにも関わらず陽の光を遮る木々たちに囲まれた暗い森の中で黒く伸びっぱなしの髪の毛が目立つ男が魔獣たちに囲まれていた。
「雑魚に興味はないよ」
男はそう言うと右腕を掲げ赤い光に包まれる。
一瞬怯んだ魔獣達を無数の矢が襲う。
全ての魔獣達を消し去るほどの威力の魔法により森の一部の木々が破壊され陽の光が差し込む。
「そうか。もう昼なのか。」
陽の光を眩しそうに見上げながら男は呟くり
「あれからどれぐらい経ったんだ…」
黒髪の男…星汰は死んだ魚のような目をしたまま更に森の奥へと進んでいく。
星汰は二年間の間、何度も体の一部を破壊され何度も死んだ。
そして生き返る事で恐怖心を失っていた。
謎だったのは星汰の死体には魔獣が寄ってこなかった事だろう。
そのおかげで何度もリスタートできたのだが、精神的にくるものはあった。
何度も打ちのめされては立ち上がる、その繰り返しだった二年間。
ずっとあの日の仲間たちのために戦った。
だがそれでも歩いても歩いても森を抜けない。
通称 迷いの森と言われる森にて星汰はひたすら歩き続けた。
星汰の知識では山菜などの食べられる物がわからず、ひたすら魔獣を殺してはその肉を食らう。
そうやって何とか生き延びていたのだ。
壮絶な二年間を経て星汰の見た目と中身は二年前と比べると変わってしまっていた。
顎に届きそうな程に長い前髪に服の上からでもわかるぐらい筋肉がついていた。
星汰はこの迷いの森での二年間の魔獣退治によりその辺の冒険者には負けないほどの肉体と経験値、そしてスキルを手に入れた。
なので星汰は半年ほど前からこの森の出口を探し人の街へ向かい仲間たちを殺した犯人であるアリスを捜索すべく行動していた。
だが半年間ひたすら真っ直ぐに歩いているにも関わらず一向に出口が見えないのである。
どうしたものかと星汰は考える。
いっその事この森を破壊し尽くして脱出するでも考えたのだが目立ちたくないので止めていたのである。
だがいよいよその手を使わないと脱出できないのではないかと星汰は考える。
熟考したが考えは変わらず今の星汰単独では破壊する以外に脱出できないと答えを出した。
そしてとりあえず星汰は目の前の木々達に向けて今の自分が出せる全力の矢を放った。
その威力は凄まじく巨大な何かが通った跡なのではないかと錯覚するほど破壊した。
「どうだ?」
砂煙が舞っていて目の前が全く見えないが遠くの方で光が差しているのがうっすら見えた。
暗い森だからこそ少しの光だけでも、十分に把握できたのでその光に向かって星汰は歩みを進める。
そして肌が焼けそうな程の日差しが星汰の体にしっかりと温もりを与える。
空は雲一つない晴天で元の世界であれば海がプールにでも行き星汰の変態的趣味であるロリ観察が行われていたであろう。
とにもかくにも星汰はついに迷いの森を抜けたのだ。
後ろを振り返ると壮大な焼け野原となった迷いの森が早く行ってくれと言っているように見えた。
森を抜けたところで周りを見渡すと少し遠くに外から中の様子が見えないように壁で覆われている物を見つけ、それが人工物であり、きっとその中に街や村があるのだと星汰は胸を高鳴らせて少し小走りで、そこへ向かう。
だがそこで星汰が見た光景は地獄絵図だった。
森で見た魔獣達が村へと侵入し、好き勝手に住民を襲い喰らい殺しているのだ。
星汰が到着した時点で大量の死体が転がっており血の匂いと獣の臭いが充満していた。
「嘘だろ…」
目の前で起こっている出来事に星汰は思い当たる節がある。
星汰が迷いの森を抜ける為に放った矢だ。
それによって焼け野原になった付近にいた魔獣達が、一斉に逃げ出し村を襲ったのだ。
だが焼け野原になってものの数分で村が地獄絵図になるレベルの魔獣の群れなんて全く想像もしていなかっただろう。
その地獄絵図の光景が自分のせいだと思った瞬間星汰は吐き気を催す。
「俺のせい…なのか…」
そんなことを呟いていると、目の前に人間の少女が魔獣に襲われているのが見えた。
星汰は助けようと矢を放とうとする。
だが星汰の矢は威力が高い分コントロールが上手くいかない事が多いことから間違って少女を殺してしまう可能性があり、その考えが頭をよぎったせいで星汰は判断が遅れる。
その判断の遅れが命取りとなり、星汰の目の前で少女が魔獣に殺された。
「クソっっ!!!」
少女を殺した魔獣がそのまま少女を喰おうとしたところで星汰はやっと矢を放つ。
「ごめん…」
悔しさと自分自身への怒りで星汰は冷静さを失い全力の魔法を解き放った。
星汰の身体の周りを赤いオーラが漂う。
星汰は近くに魔獣を発見するや否や光の速さで魔獣を狩る。
その後魔獣の気配が感じる場所まで移動しては魔獣を狩り続け、気づいた頃には村は静寂に包まれていた。
さっきまで活気に溢れていたのだろうか。
小さな村ではあるが出店をやっていたようで屋台がいくつかあった。
人で賑わっていたのが一目でわかるぐらい外は人の死体で溢れていた。
今にも崩れそうになっている屋台の中から出来たてであれば美味しかったであろう焼き鳥を見つけ、泥のついた焼き鳥を手を合わせ食い尽くす。
それから魔獣が隠れていないか確認する為、家を一軒一軒見て回る。
その中で出会った遺体に花を添える。
今の星汰にはこんな事しかできなかったが何もしないよりはマシだろうと思い花を添え、家族なのがわかる遺体は家族の近くにまで連れていき手を合わせる。
星汰は二年間魔獣を狩り続け、倒せるだけの力を付けたにも関わらず村の住民を誰一人として守ることができなかった。
星汰はもう涙は流さない。
自分への怒りに体を震わせながら次の場所へ向かった。
今の若い子たちの言葉が認識できない事がある、20代です。
携帯は未だにiPhone7を使っております。
非常に時代遅れな僕に現代っ子ならではの知識を授けてくれる神を募集しております。
それでは次回のDispairHerosは!!
獣人!獣!獣!そして現れた久しぶりのロリ!
次回!ロリコン再覚醒!お楽しみに!!